OS-T: 1325 平板のランダム応答解析

本チュートリアルでは、既存の周波数応答解析モデルからのランダム応答解析をセットアップする方法を示します。この周波数応答解析のセットアップは、周波数が変化する荷重の加振を受ける2つの荷重条件から成る平板の直接法による解析です。

節点19の変位のPSD (パワースペクトル密度) が.randファイルに出力され、そのPSDのピーク値とRMS(二乗平方根)の結果が.peakファイルに出力されます。PSDとRMS応力の結果は、.op2ファイルに出力され、HyperViewでポスト処理されます。

random_1
図 1.

このモデルでは周波数応答解析が既にセットアップされ、板の一端は固定され、他端には荷重が作用しています(2種類の異なる荷重、つまり2つのサブケース)。荷重の周波数はFREQ1カードで定義されており、20~1000 Hzで20 Hz間隔です。両方のサブケースで、同じ荷重の周波数が作用しています。

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したdirect_psd.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    direct_psd.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

モデルのセットアップ

荷重コレクターの作成

このステップでは、それぞれのサブケースの2つのPSDFと1つの連成PSDF(これら2つのサブケースの相関の意味)がRANDPSバルクデータ入力を通して定義されます。RANDPSはテーブル入力TABRNDiを参照します。
  1. tabrnd1荷重コレクターを作成します。
    1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
      デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
    2. Nameにtabrnd1と入力します。
    3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
    4. Card Imageには、TABRND1を選択します。
    5. TABRND1_NUMに4と入力します。
    6. data xに、をクリックします。
    7. TABRND1_NUM=ダイアログで、図 2に示すとおりパラメータを入力し、Closeをクリックします。


      図 2.
  2. randps荷重コレクターを作成します。
    1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
      デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
    2. Nameにrandpsと入力します。
    3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
    4. Card Imageには、RANDPSを選択します。
    5. NUMBER_OF_RANDPS=に3と入力し、3つのRANDPSエントリを定義します。
    6. Data: SIDに、をクリックします。
    7. NUMBER_OF_RANDPS=ダイアログで、図 3に示すとおりパラメータを入力し、Closeをクリックします。
      TABRND1荷重コレクターは、TID(i)列の入力で選択されます。


      図 3.

コントロールカードと出力要求の追加

RANDOMサブケース情報が周波数応答解析モデルに加えられる必要があり、RMSとPSD結果の出力コマンドも同様に加えられます。
  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. GLOBAL_CASE_CONTROLパネルに移動します。
  3. RANDOMの前のボックスにチェックを入れ、ハイライトされたIDボタンをダブルクリックしてrandpsを選択します。
  4. Control Cardsに戻り、GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックします。
  5. STRESSのボックスにチェックマークを入れ、card editパネルをアクティブにします。
  6. FORMATとしてOUTPUT2を、RANDOMの下にはPSDFを、OPTIONの下はYESを選択します。
    RMSとPSDF応力が.op2ファイルに出力されます。
  7. returnをクリックし、Control Cardsパネルに戻ります。
  8. CASE_UNSUPPORTED_CARDSを選択し、以下のカードを加えます。
    XYPLOT,DISP,PSDF/ 19(T3)
    OptiStructは節点19のz方向並進変位のPSDFを出力します。
  9. OKをクリックし、続いてreturnをクリックします。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 4. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてdirect_psdと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、direct_psd.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、direct_psd.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
direct_psd.html
問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
direct_psd.out
ファイルの設定、最適化問題の設定、実行に必要なRAMおよびディスクスペースの推定量、各最適化反復計算の情報、解析時間等、特定の情報を含むOptiStructの出力ファイル。ワーニングおよびエラーに関しては、このファイルを確認すること。
direct_psd.h3d
HyperViewバイナリ結果ファイル。
direct_psd.res
HyperMeshバイナリ結果ファイル。
direct_psd.stat
解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供する、解析のプロセスの要約。
ランダム応答解析特有の以下のファイルも出力されます。
direct_psd.peak
RMS とPSDのピーク値を含むASCII結果ファイル
direct_psd.rand
PSD結果を含むASCII結果ファイル。
direct_psd.mvw
HyperViewスクリプトファイル。このファイルは、.randファイルに含まれる周波数に対するPSDの結果のプロットを自動的に生成。
direct_psd.op2
RMSとPSD 結果を含むバイナリファイル。

結果の表示

このステップでは、RMSおよびPSD結果をHyperViewでポスト処理する方法について説明します。

節点19の変位のPSDはdirect_psd.randファイルに出力され、PSD vs. 周波数のプロットはdirect_psd_rand.mvwファイルを読み込むことにより表示できます。RMSとPSD応力の結果は.op2ファイルにあります。節点19の変位の RMSとPSDのピーク値は.peakファイルに出力され、テキストエディタで確認することができます。
  1. HyperViewセッションを開きます。
  2. Direct_psd.op2ファイルを読み込みます。
  3. Contour panelに進みます。
  4. Load Case and Simulation Selectionウィンドウで、randomサブケース、およびSimulationにfrequency = 20.0 Hzを選択します。
  5. result typeにPSD STRESS (t), vonMisesを選択し、Applyをクリックします。
    周波数20.0 HzのPSD vonMises応力コンターが下に示すように表示されます:

    rd2050_contour_plot
    図 5.
  6. SimulationをSimulation 1に変更します。
  7. result typeRMS stress, vonMisesを選択し、Applyをクリックします。
    RMS応力コンターが表示されます。
  8. HyperViewウィンドウで、File > Open > Sessionsをクリックします。
    Open Session Fileウィンドウが開きます。
  9. ジョブが実行されたディレクトリを選び、ファイルdirect_psd_rand.mvwを選択します。
  10. Openをクリックします。

    random_2
    図 6.