/MAT/LAW88

ブロックフォーマットのキーワード この材料則は、ひずみ速度効果を含むヒステリシス材料の挙動を表します。この法則は、通常、非圧縮性のゴム、ポリマー、フォーム、およびエラストマーのモデル化に使用されます。異なるひずみ速度における応力vsひずみ曲線のファミリーにより定義されます。

除荷は、除荷関数を使って、もしくはエネルギーに基づきヒステリシスおよび形状係数入力を損傷モデルに与えることによって表すことができます。この材料則はソリッド要素とのみ適合性があります。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MAT/LAW88/mat_ID/unit_ID
mat_title
ρ i                
ν K Fcut Fsmooth NL    
fct_IDunL   FscaleunL Hys Shape Tension  
NL > 0の場合、NL関数を行毎に定義します。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
fct_IDLi   FscaleLi ε ˙ L i        

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
mat_title 材料のタイトル

(文字、最大100文字)

 
ρ i 初期密度

(実数)

[ kg m 3 ]
ν ポアソン比

非圧縮性材料の場合、0.495が最大値

デフォルト = 0.495(実数)

 
K 体積弾性率

(実数)

[ Pa ]
Fcut ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。

デフォルト = 1030(実数)

[Hz]
Fsmooth ひずみ速度スムージングオプションフラグ。
= 0(デフォルト)
ひずみ速度を平滑化しません。
= 1
ひずみ速度スムージングはアクティブ。

(整数)

 
NL 載荷応力ひずみ曲線の数

(整数)

 
fctunL 除荷工学応力vs工学ひずみ関数の識別子 3

(整数)

 
FscaleunL 除荷関数スケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[ Pa ]
Hys ヒステリシス除荷係数。除荷関数が使用されている場合、無視 3

0.0 ≤ Hys ≤ 1.0

デフォルト = 0.0(実数)

 
Shape 形状係数。除荷関数が使用されている場合、無視 3

デフォルト = 1.0(実数)

 
Tension 除荷速度効果オプションのフラグ
引張または圧縮で載荷中、載荷ひずみ速度依存の曲線が常に使用されます。除荷の場合、利用できるオプションには以下のものがあります:
= 0(デフォルト)
除荷は準-静的除荷曲線に従います。
=1
除荷は載荷ひずみ速度依存の曲線に従い、除荷曲線は使用されません。
=-1
引張での除荷は準-静的除荷曲線に従います。圧縮での除荷は載荷ひずみ速度依存の曲線に従います。
 
fct_IDLi i番目のひずみ速度関数について工学応力vs工学ひずみを定義する載荷関数の識別子

(整数)

 
ε ˙ L i i番目の載荷工学応力vs工学ひずみ関数のひずみ速度

(実数)

[ 1 s ]
FscaleLi i番目の載荷関数のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[ Pa ]

例(ゴム材)

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat
                  kg                  mm                  ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/LAW88/1/1
rubber
#              RHO_I        
                1E-6 		
#                 NU                   K               F_cut  F_smooth       N_L      
                .495               19.93                   0                   1
#fctID_Unl                 Fscale_unload                 HYs               Shape   Tension     
         1                            1.                  0.                  0.         0
#fctID_l                     Fscale_load          Eps_._load
         1                            1.                  0.
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/1
function 1
#                  X                   Y
           -8.51E-01           -3.55E+01	
           -7.76E-01           -1.10E+01	
           -7.02E-01           -4.83E+00	
           -6.01E-01           -2.06E+00	
           -5.00E-01           -1.05E+00	
           -4.05E-01           -5.98E-01	
           -3.04E-01           -3.33E-01	
            0.00E+00            0.00E+00	
            4.05E-01            1.53E-01	
            8.50E-01            2.37E-01
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. このモデルは、Ogden材料定式化を使用します。材料パラメータは、異なるひずみ速度についての単軸試験からの入力応力ひずみ曲線より直接得られます。材料は、ポアソン比が0.495であるほぼ非圧縮性であると仮定されます。
  2. ひずみ速度効果は、異なるひずみ速度fct_IDLiにおける載荷工学応力ひずみ試験データを含めることによってモデル化することができます。これは、従来のヒステリシス材料モデルについて粘性パラメータを計算するよりも簡単な場合があります。応力ひずみカーブを異なるひずみ速度で使用する際、以下の提案が推奨されます:
    • 応力ひずみ曲線は、単調に増大しスムーズであるべきです。応力ひずみ曲線の導出はスムーズであるべきです。
    • Fsmooth =1でFcut =500 Hzを定義することにより、ひずみ曲線の平滑化を有効にします。
    • /PROP/SOLIDではIHKT =2を定義し、必要であればNumerical Navier Stokes粘度を増やします。
  3. 除荷は、除荷関数FscaleunLを使って、もしくはエネルギーに基づきヒステリシスHysおよび形状係数Shape入力を損傷モデルに与えることによって表すことができます。
    損傷モデルを使用する際、載荷と除荷の両方に載荷曲線が使用され、除荷応力テンソルは次の式に従って減少します:(1)
    σ = ( 1 D ) σ
    ここで、(2)
    D = ( 1 H y s ) ( 1 ( W c u r W max ) S h a p e )
    ここで、
    W c u r
    現在のエネルギー
    W max
    準-静的挙動に従った最大エネルギー

    除荷関数FscaleunLが入力される場合、除荷は除荷フラグTensionに基づいて定義されます。

  4. 粘性効果を含めるには、この材料則と共に/VISC/PRONYを使用する必要があります。