その名前が示すように、この手法では有限差分を使用してを計算します。
最初に、
の変化分、
が選択されます。次に、出力の変化分
が次のように計算されます。
(1)
この手法は多大な処理を要するため、通常は小規模な設計感度解析(変数が20個以下)で使用します。Nb個の設計変数があるシステムの場合、この手法では、
回のシミュレーションが必要です。
を計算するために、2回のシミュレーションが必要です。
を計算するために、Nb +1回のシミュレーションが必要です。言い換えると、設計変数ごとに1回、現在の設計に1回のシミュレーションが必要です。
MotionSolveでは、有限差分の使用時に、感度マトリックス
を計算する手段として並列処理を選択できます。並列手法の使用法の詳細については、次の例をご参照ください。
有限差分における主な課題は、適切な
を選択することです。この値が小さすぎると、解における数値エラーにまぎれて感度が失われます。これらの値が大きすぎると、解の非線形性が見落とされます。どちらの場合も、感度に著しい誤差が伴う可能性があります。摂動
も、システムの規模と単位に依存します。
MotionSolveでは、
は次の式で計算されます。
(2)
このため、Optimizer.fd_stepに別の値を指定することで摂動ステップを変更できます。要約すると、有限差分は小規模な問題にのみ適用可能であり、摂動
に指定する必要がある値の解決が困難な問題も存在します。