内部スーパーエレメント

スーパーエレメントまたはDMIG(直接マトリックス入力)手法は、ユーザー定義のコンポーネントを指定されたインターフェース節点に効果的に縮退するための既知の業界標準であり、この手法を適切に使用すると、有限要素解析のパフォーマンスを向上させることができます。

陰解法有限要素解析では、重ね合わされたマトリックスの因子分解は大きな計算負荷をもたらします。時間領域や周波数領域の動解析など、この因子分解を何度も繰り返す必要がある場合は、負荷はさらに大きくなります。

スーパーエレメントの詳細については、ユーザーズガイドマトリックスの直接入力(スーパーエレメント)をご参照ください。

標準スーパーエレメントと内部スーパーエレメント

標準スーパーエレメントプロセスは次の2つのステップからなります:
  1. DMIG生成実行: コンポーネントのマトリックス縮退
  2. レジデュアルラン: DMIGを使用する最終アセンブリ実行

内部スーパーエレメントプロセスでは、DMIG生成実行とレジデュアルランの両方が同時に実行されます。

内部スーパーエレメントプロセスの主な利点は、フルモデル解析(DMIGを使用しない場合)と同様にモデル階層を保持できることであり、内部スーパーエレメントプロセスからフルモデル解析に切り替えることは非常に簡単です。

入力データ

内部スーパーエレメントは、以下を使用して定義されます:
  • SUPER: サブケースを単一のスーパーエレメントまたはスーパーエレメントのセットに割り当てます。
  • SESET: 内部節点を定義します。
  • SEQSET: モーダル座標を割り当てます。
  • SECSET: 区分モード合成の計算時に自由(C-セット)になる境界自由度を定義します。
  • SETREE: スーパーエレメントの縮退順序を指定します。
  • CSUPEXT: スーパーエレメントに外部点を割り当てます。

OptiStructでのスーパーエレメントの定義

ここでは、4つのスーパーエレメントに関する例を考えます。解析前に、すべての必要なスーパーエレメントが作成されます。


図 1. スーパーエレメントの定義
各サブケースは、SUPERカードとMETHODカードを使用して作成されます。SUPERカードは、個々のスーパーエレメントに関する情報を提供し(SUPERは、特定のスーパーエレメントの内部点を定義するSESETを参照します)、縮退(区分モード合成)の動的モードはMETHODカードを使用して指定されます。サブケース固有のパラメータ(PARAM,ORIGK4)を使用して、すべての材料減衰係数を置き換えることができます。


図 2. スーパーエレメントのサブケース定義
内部スーパーエレメントでは、すべての節点はデフォルトで外部点です。ユーザーは、各スーパーエレメントのSESETによって適切な内部点を選択します。すべての節点はデフォルトで外部点であるため、指定された要素について節点の一部が内部点として選択された場合、残りの節点は外部点のままになります(図 3)。


図 3. CSUPEXTによって定義された外部点と内部点

代わりに、CSUPEXTを使用して、特定の節点を外部点として明示的に選択することもできます。この方法を使用すると、選択した節点を外部点のままにすることができます。

スーパーエレメントの確認

各スーパーエレメントは、作業ディレクトリに.h3dファイルという形で縮退マトリックスとして格納されます(図 4)。


図 4. h3dファイルに格納されたスーパーエレメントマトリックス
各スーパーエレメントの内部節点と外部節点は、作業ディレクトリ内に作成された<filename>.intsupファイルから確認できます(図 5)。


図 5. 各スーパーエレメントの内部点と外部点. (.intsupファイル内)
自動的に作成された外部点とユーザーが生成した内部点は、HyperMesh内の作成されたセットから可視化できます。この方法は、作成済みの点の確認に使用できます。


図 6. OptiStructによって定義された外部点および対応するセット


図 7. ユーザー定義の内部点および対応するセット

結果のリカバリー

内部スーパーエレメントの結果は、標準スーパーエレメントと同様にリカバリーできます(図 8および図 9)。ただし、変位をリカバリーするためには、内部スーパーエレメント内にPLOTEL要素を作成する必要があります。これらのPLOTEL要素は、縮退マトリックスが含まれている同じ.h3dファイル内に自動的に格納されます。レジデュアルランの後に、PLOTEL節点について変位出力が要求された場合は、PLOTEL節点からの変位がリカバリーされます。


図 8.


図 9.

マルチレベルスーパーエレメントツリー

マルチレベルスーパーエレメントツリーを使用して、後続のレジデュアルランにおけるインターフェース自由度の数を低減します。この処理は、ツリー構造の数個の下位レベルコンポーネントを集約することで実行されます(図 10)。


図 10. マルチレベルスーパーエレメントツリー

コメント

  1. 対応する.h3dファイルが作業ディレクトリ内にすでに存在している場合は、スーパーエレメントに関するジョブはスキップされます。このような場合:
    • 特定のスーパーエレメントの.h3dファイルを削除することができ、対応する新しいスーパーエレメントがそのジョブによって再生成されます。
    • 以前に生成された.h3dファイルが作業ディレクトリ内に存在している場合でも、PARAM,ISGENH3D,YESによって生成が初期化されます。
  2. 同じ節点がSESETおよびCSUPEXTで定義されている場合は、CSUPEXT内の節点が考慮対象となります。
  3. 現在、内部スーパーエレメントでの最適化はサポートされていません。