要素
要素は、形状や変位の変動を構造の変形に基づいて(許容可能な近似に)完全に表現するため、有限要素解析で欠かせない部分となっています。
弾性要素、ダンパー要素、および質量要素
このような連続体要素について、要素によって表される材料の体積全体の変位場は、節点座標に基づき対応する形状関数によって近似されます。例えば、線形軸要素では変位ベクトルは、その定数が節点変位から得られる線形多項式として表現されます。
インプリメンテーション
OptiStructは、0次元、1次元、2次元から3次元までの要素をサポートします。解析の種類、モデリング、詳細さのレベル、使うことのできる計算時間に応じて、必要な結果を得るための要素、またはそれらの組み合わせを選択することができます。
0次元要素
- CELAS1、CELAS2、CELAS3およびCELAS4は、弾性スプリングのモデル化に用います。CELAS1とCELAS3の特性は、PELASで定義します。CELAS2とCELAS4は、ばね特性を定義します。
- CDAMP1、CDAMP2、CDAMP3およびCDAMP4は、スカラーダンパーのモデル化に用います。CDAMP1とCDAMP3の特性は、PDAMPで定義します。CDAMP2とCDAMP4は、スカラー減衰特性を定義します。
- CMASS1、CMASS2、CMASS3およびCMASS4は、節点質量のモデル化に用います。CMASS1とCMASS3の特性は、PMASSで定義します。CMASS2とCMASS4は、質量を定義します。
- CONM1およびCONM2は、集中質量要素です。CONM1は、節点における6x6の質量マトリックスを定義します。CONM2は、節点における質量および慣性特性を定義します。
- CVISCは、粘性ダンパーのモデル化に使用されます。CVISCの特性は、PVISCで定義します。
1次元要素
- 要素の軸に沿った力および変位
- 2つの横方向の横せん断力(および変位)
- 垂直な2つの平面に関する曲げモーメント(および回転)
- ねじりモーメント(および結果として生じる回転)
- 断面のねじれ(または断面の反り)
- CBEAM
- 上記のすべてのタイプの作用を支持する一般的な梁要素。
- CBAR
- 断面の反りを除く、上記のすべてのタイプの作用を支持する、単純で多彩な梁要素。
- CBUSH
- 要素の軸に沿った力、モーメントと変位を支持する一般スプリング-ダンパー要素。
- CBUSH1D
- ロッドタイプスプリング-ダンパー要素。
- CGAP
- 軸力および摩擦力を支持するギャップ要素。
- CGAPG
- 軸力および摩擦力を支持するギャップ要素。これは節点間に配置する必要がありません。また、サーフェスパッチと結合することもできます。
- CROD
- 軸力とねじりモーメントのみを支持する、単純な梁要素。
- CWELD
- 力、モーメントおよびねじりモーメントを支持する、単純な梁要素。これは節点間に配置する必要がありません。また、サーフェスパッチと結合することもできます。
2次元シェル要素
2次元シェル要素は、薄板または厚板シェルの挙動のモデル化に使用します。薄板の挙動は、曲げにおける横せん断変形が無視し得る状況に適用できます。一方、厚板の挙動は、横せん断が明らかにモデルの挙動に影響を与えるような応用例で必要とされます。OptiStructシェル要素は、面内または膜作用、平面ひずみ、および曲げ作用(横せん断特性および膜-曲げ連成作用を含む)を包含する能力を有します。曲げの定式化には、Reissner-Mindlinシェル理論が使用されます。平面ひずみオプションは、純粋な2次元アプリケーションに利用できます。これは、PSHELLバルクデータエントリ上で制御できます。たとえばmPSHELLのMID#フィールドは、曲げ、横せん断、膜-曲げ連成作用などを含むよう材料特性を定義するために使用されます。
要素の形状は、三角形(CTRIA3)または四角形(CQUAD4)です。2次三角形(CTRIA6)および四角形(CQUAD8)シェル要素も使用できます。
CQUAD4およびCTRIA3についてのシェル要素の定式化には、節点ごとに6個の自由度を使用するという特徴があります。したがって、それぞれの自由度に関連付けられた剛性があります。有限要素コードによっては、シェル要素が、要素の中央面に垂直な方向の回転剛性を持たず、特異な剛性マトリックスとなる場合があります。この場合、ユーザー定義の人工的剛性値をこの自由度に割り当てて剛性マトリックスが特異マトリックスとなることを回避します。
2次シェル要素(CTRIA6、CQUAD8)は、節点ごとに5つの自由度を有します。剛性なしの回転自由度は、SPCを適用して拘束されます。
- 2次元シェル要素の定式化(陽解法非線形解析)
要素の定式化は要素の構築に使用される理論を示し、これには精確なシミュレーションのために適用される改良点や近似が含まれています。
次の表は、MAT1、MATS1、および該当するMAT#エントリに適用されます。表 1. 積分スキームのまとめ(陰解法解析) 線形解析 非線形解析 (接触の非線形性のみ)
非線形解析 (幾何学的非線形性 / 塑性)
要素 面内 板厚方向 バブル関数 面内 板厚方向 バブル関数 面内 板厚方向 バブル関数 CTRIA3 3点IS 解析的積分 Yes 2 3点IS 解析的積分 Yes 2 3点IS 6点IS 1 Yes 2 CQUAD4 5点IS 解析的積分 Yes 2 5点IS 解析的積分 Yes 2 5点IS 6点IS 1 Yes 2 CTRIA6 3点IS 解析的積分 なし 3点IS 解析的積分 なし NA NA NA CQUAD8 4点IS 解析的積分 なし 4点IS 解析的積分 なし NA NA NA 1 6点ガウス-ロバト求積法による厚さ方向積分(MATS1を持つモデルの場合)。
2 非適合モード(バブル関数)は、節点に関連付けされていない追加の変位自由度を導入することになります。バブル関数は、要素に特に曲げの柔軟性を追加するのに役立ちます。
3 ISは、積分スキームを意味します。
- 2次元シェル要素の定式化(陽解法非線形解析)要素の定式化は要素の構築に使用される理論を示し、これには精確なシミュレーションのために適用される改良点や近似が含まれています。陽解法解析では、積分スキームは、PSOLID、PLSOLID、またはPSHELLエントリのISOPEフィールドを使用するか、PARAM,EXPISOPを使用して変更できます。ISOPEフィールドの設定は、PARAM,EXPISOPの設定を上書きします。
表 2. 積分スキームのまとめ(陽解法非線形解析) Belytschko-Tsay (ISOPE=1)
Belytschko-Wong-Chiang(回転投影) (ISOPE=2)
Belytschko-Wong-Chiang(完全投影) (ISOPE=3)
C0三角形シェル (ISOPE=4)
要素 面内 板厚方向 面内 板厚方向 面内 板厚方向 面内 板厚方向 CTRIA3 NA NA NA NA NA NA 1点IS 3点IS 1 CQUAD4 1点IS 3点IS 1 1点IS 3点IS 1 1点IS 3点IS 1 NA NA 板厚方向については、陽解法解析のデフォルトの積分点数は3点です。これは、PSHELLエントリのNIPフィールドを使用して制御できます。NIPの値の範囲は1~10です。(A) 膜挙動を模倣するためには、NIPを1またはMID2に設定します。(B) 弾性材料の場合は、NIPを2に設定します。(C) 非線形材料の場合は、NIPを3以上に設定する必要があります。
2 ISは、積分スキームを意味します。
- 2次元軸対称ソリッド要素(陰解法解析)2次元軸対称ソリッド要素CTAXI、CTRIAX6、CQAXIが使用できます。CTAXIおよびCTRIAX6は三角形、CQAXIは四角形の軸対称要素です。これらの要素の材料は、MAT1、MAT3、MATS1、およびMATHEエントリで定義できます。これらの要素のプロパティは、PAXIエントリで定義されます。
表 3. 積分のまとめ(陰解法解析) 線形解析 非線形解析 (MAT#、またはMAT#とMATS1)
非線形解析 (MATHE)
要素 通常の要素 1 通常の要素 1 通常の要素 1 CQAXI (1次)
4点IS 4点IS 5点IS CTAXI (1次)
3点IS 3点IS 3点IS CTRIAX6 (1次)
3点IS 3点IS 3点IS CQAXI (2次)
9点IS 9点IS 9点IS CTAXI (2次)
7点IS 7点IS 3点IS CTRIAX6 (2次)
7点IS 7点IS 3点IS 1 接触と親和性のある要素は、2D軸対称ソリッド要素ではサポートされません。
2 ISは、積分スキームを意味します。
- 2次元平面ひずみ要素(陰解法解析)2次元平面ひずみ要素CQPSTNおよびCTPSTNが使用できます。CTPSTNは三角形、CQPSTNは四角形平面ひずみ要素です。これらの要素の材料は、MAT1、MAT3およびMATHEエントリで定義できます。これらの要素のプロパティは、PPLANEエントリで定義されます。
表 4. 積分のまとめ(陰解法解析) 線形解析 非線形解析 (MAT#)
非線形解析 (MATHE)
要素 通常の要素 1 通常の要素 1 通常の要素 1 CQPSTN (1次)
4点IS 4点IS 5点IS CTPSTN (1次)
3点IS 3点IS 3点IS CQPSTN (2次)
9点IS 9点IS 9点IS CTPSTN (2次)
7点IS 7点IS 3点IS 1 接触と親和性のある要素は、2D軸平面ひずみ要素ではサポートされません。
2 ISは、積分スキームを意味します。
3次元ソリッド要素
- 3次元ソリッド要素の定式化(陰解法解析)要素の定式化は要素の構築に使用される理論を示し、これには精確なシミュレーションのために適用される改良点や近似が含まれています。ここで記される積分点数は、包括的なデフォルトです。ソリューションおよびモデルのパラメータによって、異なる積分点数が使用されます。たとえば、ソリッドのサーフェス上の積分点または超弾性要素があてはまります。
表 5. 積分スキームのまとめ(陰解法解析) 線形解析 非線形解析 MAT#、またはMAT#とMATS1、MATVE、MATVP MATHE 要素 通常の要素 接触と親和性のある要素 通常の要素(ISOP=FULL) 接触と親和性のある要素(ISOP=FULL) 通常の要素(ISOP=MODPLAST) 通常の要素(ISOP=REDPLAST) 通常の要素(ISOP=INT0) 通常の要素 CTETRA (1次)
1点IS NA 1点IS NA 1点IS 1点IS 1点IS 4点IS CHEXA (1次)
8点IS NA 8点IS NA 8点IS 8点IS 9点IS 8点IS CTETRA (2次)
4点IS 5点IS 5点IS 5点IS 5点IS 4点IS 9点IS 4点IS CHEXA (2次)
27点IS 27点IS 27点IS 27点IS 14点IS 9点IS 27点IS 8点IS CPENTA (1次)
6点IS NA 6点IS NA 6点IS 6点IS 12点IS 6点IS CPENTA (2次)
21点IS 21点IS 21点IS 21点IS 21点IS 12点IS 28点IS 6点IS CPYRA (1次)
8点IS NA 8点IS NA 8点IS 8点IS 9点IS NA CPYRA (2次)
27点IS 27点IS 27点IS 14点IS 27点IS 9点IS 27点IS NA 1 ISは、積分スキームを意味します。
表 6. ガスケット要素の積分スキームのまとめ(陰解法解析) 線形解析 非線形解析 要素 通常の要素 接触と親和性のある要素 通常の要素 接触と親和性のある要素 CGASK8 4点IS NA 4点IS NA CGASK6 3点IS NA 3点IS NA CGASK16 9点IS 25点IS 9点IS 25点IS CGASK12 7点IS 19点IS 7点IS 19点IS 1 積分ポイントは、3Dガスケット要素の中立面上に配置されています。
2 ISは、積分スキームを意味します。
- 3次元ソリッド要素の定式化(陽解法非線形解析)要素の定式化は要素の構築に使用される理論を示し、これには精確なシミュレーションのために適用される改良点や近似が含まれています。ここで記される積分点数は、包括的なデフォルトです。ソリューションおよびモデルのパラメータによって、異なる積分点数が使用されます。たとえば、ソリッドのサーフェス上の積分点または超弾性要素があてはまります。陽解法解析の場合は、積分スキームを変更するには、PSOLID、PLSOLID、またはPSHELLエントリのISOPEフィールドを使用するか、PARAM,EXPISOPを使用します。ISOPEフィールドの設定は、PARAM,EXPISOPの設定を上書きします。
表 7. 積分スキームのまとめ(陽解法非線形解析) 要素 通常の要素(ISOPE=URI) 通常の要素(ISOPE=AURI) 通常の要素(ISOPE=SRI) 通常の要素 (完全積分)
CHEX (1次)
一様低減積分 1点IS
平均低減一様積分 Bマトリックスは、要素全体にわたって体積平均化されています。
選択的低減積分 偏差項については完全IS、バルク項については1点IS
NA CTETRA (2次)
NA NA NA 5点IS CPENTA (1次)
NA NA 選択的低減積分 偏差項については完全IS、バルク項については1点IS
NA CTETRA (1次)
NA NA NA 1点IS 1 ISは、積分スキームを意味します。
インターフェース要素
インターフェース要素は、構造間のインターフェースや、環境との相互作用を伴う構造要素のサーフェス上での挙動をシミュレートするという特定の目的のための要素です(たとえば、熱境界サーフェス要素であるCHBDYE、粘着要素であるCIFPEN/CIFHEXなど)。
要素 | Gaussian IS デフォルト:=0(PCOHE上) |
Newton-Cotes IS =1(PCOHE上) |
---|---|---|
CIFPEN (1次) |
3点IS | 3点IS |
CIFHEX (1次) |
4点IS | 4点IS |
CIFPEN (1次) |
7点IS | 6点IS |
CIFHEX (2次) |
9点IS | 8点IS |
ここでリストしている積分点の数は、粘着要素の各サーフェスのものです。各粘着要素には2つのサーフェスがあります。
2 ISは、積分スキームを意味します。
1次元と2次元要素のオフセット
いくつかの1次元とシェル要素はオフセットを用いて要素剛性を要素節点で決められた位置から“シフト”させることができます。例えば、シェル要素では要素節点で定義された平面からZOFFSでオフセットすることができます。この場合、全ての他の情報、例えば材料マトリクスや応力を計算するファイバー位置はオフセットされた参照面で与えられます。同様に、シェルの結果、例えばシェル要素力、はオフセットされた参照面で出力されます。
オフセットは、すべての要素マトリックス(剛性、質量、および幾何剛性)およびそれぞれの要素荷重(重力など)に適用されます。このように、オフセットの原理は全てのタイプの解析と最適化に用いることができます。
図 1.
その上、完全な非線形アプローチでは、更なる不安定ポイントがその限界荷重経路上に存在し得ます。
コメント
- 板厚方向については、陽解法解析のデフォルトの積分点数は3点です。これは、PSHELLエントリのNIPフィールドを使用して制御できます。NIPの値の範囲は1~10です。
- 膜挙動を模倣するためには、NIPを1に設定します。
- 弾性材料の場合は、NIPを2に設定します。
- 非線形材料の場合は、NIPを3以上に設定する必要があります。
非-構造質量
非構造質量は2つの異なる方法で指定することができます。
- 多くのプロパティ定義(PSHELL、PCOMP、PBAR、PBARL、PBEAM、PBEAML、PROD、CONROD、PSHEAR、PTUBE)ではNSMデータフィールドがあり、単位面積当たりまたは単位長さ当たりの非構造質量を定義することができます。
この方法で定義された非構造質量は、全ての解析で考慮されます。
- 非構造質量は、非構造質量バルクデータエントリ(NSM、NSM1、NSML,、NSML1、NSMADD)で節点やプロパティのリストに対し定義することもできます。プロパティのリストの場合、 非構造質量はこのリストのプロパティを参照する要素に対して与えられます。
これらの非構造質量定義を解析で使用するには、NSMサブケース情報入力を通して選択する必要があります。
NSMサブケースエントリは現在、線形静解析と非線形静解析に対してのみサブケース依存となっています。他のすべてのソリューションシーケンスでは、NSMサブケースエントリを最初のSUBCASEステートメントの上にグローバルに定義する必要があります。NSMサブケースエントリが、線形静解析でも非線形静解析でもないサブケース内で指定されている場合は、エラーが発生して実行は停止されます。- 単位面積 / 長さ / 体積当たりの非構造質量の入力(NSM/NSM1)
NSMバルクデータエントリとその別形式であるNSM1は、選択された要素リストに適用される単位面積当たりの非構造質量、単位長さ当たりの非構造質量、または単位体積当たりの非構造質量を定義することができます。
上記の各種プロパティエントリのNSMフィールドでも、単位面積 / 長さ / 体積当たりの質量が直接入力されます。
- 集中非構造質量の入力(NSML/NSML1)NSMLバルクデータエントリとその別形式であるNSML1は、リストの要素に均一に分布する集中非構造質量の値を割り当て、適用することができます。
- デフォルトの分布(NSML/NSML1のDTYPE=空白)要素に与えられる単位面積当たり、単位長さ当たり、または単位体積当たりの非構造質量値は次のとおりです:
(1) (2) (3) DTYPEが空白であるデフォルトケースでは、さまざまな要素タイプやプロパティタイプの組み合わせを参照することはできません。
- 質量 / 体積に基づいた分布(NSML/NSML1のDTYPE=MASS/VOLUME)要素に与えられる単位質量当たりまたは単位体積当たりの非構造質量は次のとおりです:
(4) (5)
- デフォルトの分布(NSML/NSML1のDTYPE=空白)
ここで、- セット内の要素数
- 集中質量の値
- 要素の長さ
- 要素の面積
- 要素の体積
- 要素の質量
デフォルトの分布(DTYPE=空白)とDTYPE=MASS/VOLUMEの間の重要な違いは、TYPEフィールドがELEMENT/ELSET(要素の組み合わせ)またはMIXED(プロパティの組み合わせ)に設定されている場合、複数の要素タイプ(1D、2D、および3D要素)の組み合わせを単一のNSML/NSML1エントリで定義できることです。
- 単位面積 / 長さ / 体積当たりの非構造質量の入力(NSM/NSM1)
NSMADDバルクデータエントリでは、NSM、NSM1、NSML、およびNSML1の組み合わせを形成できます。
1つの要素に複数の非構造質量の値を指定することが可能です。実際の非構造質量の値は個々の非構造質量の値全ての合計値となります。
仮想質量流体
仮想流体質量は構造に接触する非圧縮非粘性流体の質量効果を表現します。流体領域へのメッシュは必要ありません。仮想流体質量は構造-流体境界における加速度と圧力の間の完全な連成を表現します。
流体-構造境界での減衰する節点の間の密な質量行列が生成されます。シミュレーションは、圧力のかかっていない流体を保持する燃料タンクのような自動車の容器に適用できます。
仮定
- 流体は非粘性で非圧縮。その流体流れはポテンシャル流れ。
- 流体が非圧縮に近いため、構造モードは圧縮性流体のモードの下にある。
- 重力の効果、またはスロッシングの効果は無い。
- 音響の効果は含まれない。構造側からのモードは、非圧縮に近い流体のモードとは連成しない。
- 開放面を持たない完全密閉型のウェット面は、現在サポートされていません。
MFLUIDインターフェース
- PARAM,VMOPT
PARAM,VMOPT,1が用いられた場合(デフォルト)、仮想質量には通常の質量マトリックスが含まれ、直接とモーダル動解析の両方のサブケースに適用可能です。仮想質量マトリックスは、減衰する節点に対して密になるため、計算時間はかなり増加します。
しかし、ユーザーにはPARAM,VMOPT,2を用いるオプションがあります。PARAM,VMOPT,2はモーダル動解析サブケースにのみしか使えませんが、このケースでは仮想質量は固有値求解の後で付加され、計算時間はそれほど増加しません。PARAM,VMOPT,2が用いられた時、ドライモードがその計算過程において、仮想質量を付加する事無しに計算されます。次に仮想質量マトリックスに基づいてモードが修正されます。
PARAM,VMOPT,2で正確なウェットモードの結果を生成するためには、ドライモードの数を所望のウェットモードの数の2~4倍(流体の密度に応じて、さらにはそれ以上)に要求することが推奨されます。流体の密度が大きい場合には、ドライモードに基づくウェットモードの精度を維持するために、必要とされるドライモードの数をそれに応じて大きくしてもかまいません。
- PARAM,VMMASS
PARAM,VMMASS,YESはPARAM,VMOPT,1と共に使用し、Grid Point Weight Generator出力で.outファイルにMFLUID質量を含めることができます。
理論
圧力を力に変換するため、追加の面積積分が行われます。
力と加速度を用いて、有効質量マトリックスを計算することができます。
任意のビーム断面定義
PBARLとPBEAMLバルクデータエントリのTYPEフィールドによる事前定義されたビームの断面の利用に加え、任意断面のビーム断面定義が可能です。これはsection definitionsとして参照されます。任意のビーム断面を定義するには、 PBARLとPBEAMLバルクデータ入力で、GROUP欄にHYPRBEAMを入力する必要があります。また、ND欄には、PBARLとPBEAMLバルクデータエントリのDIMiフィールド内における任意ビーム断面の定義の際の寸法入力の数値を指定します。
断面定義は、入力ファイルのバルクデータセクションに含まれます。断面定義はステートメントBEGINで始まり、ステートメントENDで終わります。断面定義はNAME欄を介してPBARLまたはPBEAML定義から参照されます。PBARLまたはPBEAML定義に入力されたNAMEは、BEGINステートメントに続くNAMEと一致しなくてはなりません。
断面は、2次元有限要素メッシュによって定義されます。有限要素メッシュは節点群(GRIDSエントリによって示される)で構成され、それら節点は、2節点、3節点、4節点、6節点または8節点要素(CSEC2、CSEC3、CSEC4、CSEC6またはCSEC8エントリによってそれぞれ示される)で結合されています。これらの要素はPSECエントリを参照し、2-節点CSEC2要素についてのすべての要素および板厚情報の材料参照を提供します。
例:SQUAREという名のシンプルな薄肉断面定義
$
BEGIN,HYPRBEAM,SQUARE
$
GRIDS,1,0.0,0.0
GRIDS,2,1.0,0.0
GRIDS,3,1.0,1.0
GRIDS,4,0.0,1.0
$
CSEC2,10,100,1,2
CSEC2,20,100,2,3
CSEC2,30,100,3,4
CSEC2,40,100,4,1
$
PSEC,100,1000,0.1
$
END,HYPRBEAM
$

図 2.
例:CUTOUTという名のソリッド断面定義
$
BEGIN,HYPRBEAM,CUTOUT
$
GRIDS,1,0.0,0.0
GRIDS,2,0.05,0.0
...
...
GRIDS,895,0.35,1.18
GRIDS,896,0.38,1.19
$
CSEC3,806,100,887,873,872
CSEC3,809,100,868,820,885
CSEC3,812,100,813,803,817
$
CSEC4,1,100,147,148,149,157
CSEC4,2,100,157,149,150,158
...
...
CSEC4,813,100,648,712,895,896
CSEC4,814,100,647,646,896,895
$
PSEC,100,1000
$
END,HYPRBEAM
$

図 3.
剛体要素および多点拘束
剛体要素および多点拘束を使用し、1つ以上の自由度を他の自由度の値の線形結合に等しくします。
剛体要素は内部的に生成される数式です。ユーザーが与えるのは結合データのみです。剛体要素は硬い物体として機能するので、剛体または拘束要素とも呼ばれます。内部的に、剛体要素は多点拘束と同様に扱われます。
RROD要素を使用して、端がピンで、延長部が剛体のロッドをモデル化できます。この要素について、拘束方程式が1つ生成されます。RBAR要素を使用して、各端点の自由度が6の剛体バーをモデル化できます。この要素について、拘束方程式が生成されます。拘束方程式の数は、ユーザーの入力により、1~6つです。
RBE1およびRBE2要素は、任意の数の節点に結合される剛体です。生成される拘束方程式の数は1つ以上で、ユーザーが選択した従属自由度に依存します。RBE1要素については、独立自由度は運動の6つの成分で、要素の任意の一般的な剛体の動きを連携して表すことができなくてはなりません。一方、RBE2要素については、独立自由度は単一の節点における運動の6つの成分です。
RBE3要素は、“基準節点”での運動が別の節点の運動の最小二乗法の加重平均であるという関係から得られる拘束を表わす1~6つの数式を規定します。この要素は一般的に、基準節点から節点のセットに荷重および質量を伝達するための処理に使用されます。多点拘束は、明示的に係数を与える数式です。各多点拘束は、2つ以上の自由度の線形関係を示す単一の数式で表わされます。複数セットの多点拘束は、バルクデータセクションで指定できます。サブケース情報セクションで、MPCステートメントを使用して、多点拘束が特定の荷重ケースに割り当てられます。
バルクデータエントリMPCは、多点拘束を定義するためのステートメントです。このカードに記述されている最初の座標が、従属自由度(すなわち、運動の数式から削除される自由度)として扱われます。従属自由度は、セットの別の数式では独立項として現れる場合もありますが、単一の数式では従属項として現れます。
- 全体座標系の成分に対応する方向以外の方向の運動をゼロにするために使用します。この場合、多点拘束には、単一の節点における自由度のみに関係します。拘束方程式は、節点における運動ゼロの方向での変位を全体システムの変位成分に関連付けます。
- 剛体要素および、てこ、滑車、歯車装置などのメカニズムを記述するために使用します。この用途では、剛体要素に関連付けられた自由度のうち、剛体の運動を記述する上で必要な範囲を超える自由度は、多点拘束の数式では不要です。剛性の高い部材を剛体要素として扱うことにより、通常の弾性要素として扱う場合に関連付けられる不適切な条件設定を取り除くことができます。
- 非標準の構造要素およびその他の特別な影響を生成するために、スカラー要素と共に使用します。
- 単点拘束では、従属自由度を指定できません。
- ある剛体要素または多点拘束で指定した従属自由度を、別の剛体要素または多点拘束の従属自由度として定義することはできません。
JOINTG(コネクター)
JTYPEフィールドによって認識される各種ジョイントは、対応する特定の座標系規則を必要とします。
ユニバーサルジョイント
ユニバーサルジョイントは、互いにある角度で傾きあっている複数のシャフト(パワートレインドライブシャフトなど)での回転運動の伝達を可能にするジョイントです。このジョイントは、そのジョイントに関連付けられている2つの節点の相互に垂直な2つの自由度に沿った自由回転を可能にすることで機能します。残りの回転自由度は自動的に拘束されます。並進自由度は、球ジョイントを追加定義することで拘束できます。
- JTYPEはUNIVERSAに設定する必要があります。
- 節点1の座標系(CID1)のX軸は節点2の座標系(CID2)のZ軸と相互に垂直である必要があります。
- 座標系1と2のY軸は、対応するシャフト軸に沿う必要があります。さらに、これらは同じ方向を向く(互いに反対を向かない)必要があります。
- 並進自由度は、球ジョイントを追加定義することで拘束できます。
図 4.
回転ジョイント
回転ジョイントは、一軸回転機能(ドアヒンジなど)を可能にするジョイントです。このジョイントは、そのジョイントに関連付けられている2つの節点の1つの自由度の周りの自由回転(またはMOTNJGによる強制変位)を可能にすることで機能します(選択する2つの自由度は同じである必要があります)。残りの回転自由度は自動的に拘束されます。並進自由度は、球ジョイントを追加定義することで拘束できます。
- JTYPEはREVOLUTEに設定する必要があります。
- 節点1の座標系(CID1)のX軸は節点2の座標系(CID2)のX軸に平行(かつ同じ方向)である必要があります。MOTNJGサブケース情報およびバルクデータエントリを使用して、X軸の周りの回転の値(dof=4)を定義することができます。
- 座標系のその他の軸はどの方向を向いても構いません。
- 並進自由度は、球ジョイントを追加定義することで拘束できます。
図 5.
球ジョイント
球ジョイントは、3つすべての方向での自由回転を可能にするジョイントで、3つすべての方向で並進が拘束されます(自動車のステアリングやサスペンションシステムなどで使用されます)。このジョイントは、そのジョイントに関連付けられている2つの節点の3つすべての自由度の周りの自由回転を可能にすることで機能します。残りの並進自由度は拘束されます。球ジョイントでは、基準座標系で2つの自由度間の相対的な並進はありません。球ジョイントでは局所座標系を定義しないでください。指定しても使用されません。
- JTYPEはBALLに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2のみを指定する必要があります。座標系は必要ありません。
- 物理的ジョイントをシミュレートするには、節点GID1とGID2を一致させる必要があります。一致していない場合、指定されたジョイントの挙動は期待された挙動とは異なる可能性もあります。
図 6.
軸ジョイント
軸ジョイントは、2つの節点を結ぶラインに沿った相対変位を強制することにより、これらの節点間の結合を可能にするジョイントです。相対変位は、2つの節点を結ぶラインに沿ってのみ強制され、このジョイントではその他の自由度は拘束されません。
- JTYPEはAXIALに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2のみを指定する必要があります。座標系は不要で、指定しても無視されます。
- MOTNJGバルクデータエントリを使用して、VALUEフィールド()で強制相対変位の値を特定する必要があります。次にMOTNJGサブケース情報エントリを使用して、対応するMOTNJGバルクデータエントリを特定できます。
- 後続の非線形サブケースで以前のサブケースからの相対変位の値を(CNTNLSUBを使用して)保持するには、MOTNJGバルクデータエントリのVALUEフィールドをFIXEDに設定します。代わりに、継続サブケースに別の相対運動の値を指定することもできます。
図 7.
直交ジョイント
直交ジョイントは、GID1上に定義された局所直交座標系CID1の3つの方向(1、2、3)に沿って相対変位を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。このジョイントではその他の自由度は拘束されません。
- JTYPEはCARTESに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。GID1上の座標系CID1が必要です。CID2は不要で、指定しても無視されます。
- MOTNJGバルクデータエントリを使用して、1、2、および3自由度に対応するVALUEフィールドで強制相対変位の値を特定する必要があります。次にMOTNJGサブケース情報エントリを使用して、対応するMOTNJGバルクデータエントリを特定できます。
- 後続の非線形サブケースで以前のサブケースからの相対変位の値を(CNTNLSUBを使用して)保持するには、MOTNJGバルクデータエントリのVALUEフィールドをFIXEDに設定します。代わりに、継続サブケースに別の相対運動の値を指定することもできます。
カルダンジョイント
カルダンジョイントは、3つの方向(4、5、6)に沿って相対回転を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。GID1およびGID2の局所座標系の方向に対応するカルダン角に基づいて連続する3つの回転が行われます。このジョイントではその他の自由度は拘束されません。
- JTYPEはCARDANに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。座標系CID1が必要です。CID2は不要で、指定しても無視されます。
- MOTNJGバルクデータエントリを使用して、4、5、および6自由度に対応するVALUEフィールドでカルダン角の値を特定する必要があります。次にMOTNJGサブケース情報エントリを使用して、対応するMOTNJGバルクデータエントリを特定できます。
- 後続の非線形サブケースで以前のサブケースからの相対変位の値を(CNTNLSUBを使用して)保持するには、MOTNJGバルクデータエントリのVALUEフィールドをFIXEDに設定します。代わりに、継続サブケースに別の相対運動の値を指定することもできます。
面内ジョイント
面内ジョイントは、GID1上に定義された局所直交座標系CID1の方向1に沿ってゼロ相対変位を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。さらに、CID1の方向2および3には強制相対変位が適用されます。このジョイントではその他の自由度は拘束されません。
- JTYPEはINPLANEに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。GID1上の座標系CID1が必要です。CID2は不要で、指定しても無視されます。
- MOTNJGバルクデータエントリを使用して、2および3自由度に対応するVALUEフィールドで強制相対変位の値を特定する必要があります。次にMOTNJGサブケース情報エントリを使用して、対応するMOTNJGバルクデータエントリを特定できます。
- 後続の非線形サブケースで以前のサブケースからの相対変位の値を(CNTNLSUBを使用して)保持するには、MOTNJGバルクデータエントリのVALUEフィールドをFIXEDに設定します。代わりに、継続サブケースに別の相対運動の値を指定することもできます。
ライン内ジョイント
ライン内ジョイントは、GID1上に定義された局所直交座標系CID1の方向2および3に沿ってゼロ相対変位を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。さらに、CID1の方向1には強制相対変位が適用されます。このジョイントではその他の自由度は拘束されません。
- JTYPEはINLINEに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。GID1上の座標系CID1が必要です。CID2は不要で、指定しても無視されます。
- MOTNJGバルクデータエントリを使用して、1自由度に対応するVALUEフィールドで強制相対変位の値を特定する必要があります。次にMOTNJGサブケース情報エントリを使用して、対応するMOTNJGバルクデータエントリを特定できます。
- 後続の非線形サブケースで以前のサブケースからの相対変位の値を(CNTNLSUBを使用して)保持するには、MOTNJGバルクデータエントリのVALUEフィールドをFIXEDに設定します。代わりに、継続サブケースに別の相対運動の値を指定することもできます。
方向ジョイント
方向ジョイントは、2つの局所直交座標系CID1およびCID2の方向4、5および6に沿ってゼロ相対回転を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。このジョイントではその他の自由度は拘束されません。
- JTYPEはORIENTに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- 座標系CID1およびCID2が必要です。
ヒンジジョイント
ヒンジジョイントは、2つの局所直交座標系CID1およびCID2の方向1、2および3に沿ってゼロ相対並進を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。また、5と6の相対回転も拘束されます。このジョイントでは、自由度4のみが拘束されません。このジョイントは、このジョイントに関連付けられた2つの節点の自由度4の自由回転を可能にすることで機能します(CID1とCID2の両方の2つのX軸がこのジョイントでは一致する必要があります)。
- JTYPEはHINGEに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。座標系CID1およびCID2が必要です。
- CID1とCID2の両方のX軸が一致する必要があります。
- ヒンジジョイントは、回転ジョイントと剛性ピンジョイントを組み合わせたものと等価です。
剛性ピンジョイント
剛性ピンジョイントは、節点GID1上に定義された局所直交座標系CID1の方向1、2および3に沿ってゼロ相対並進を強制することによって2つの節点間の結合を可能にするジョイントです。このジョイントは、そのジョイントに関連付けられている2つの節点の自由度4、5、6の自由回転を可能にすることで機能します。RPINジョイントでは、CID1で定義された局所座標系で節点間の相対的な並進はありません(これが、RPINジョイントとBALLジョイントとの相違点です)。ジョイントの節点で定義された局所座標系では、その局所座標系が定義されている節点と共に局所座標系が移動 / 回転します。したがって、基準座標系から見て、RPINジョイントの節点間の相対的な並進があるように見えても、節点GID1と共に移動 / 回転するローカルなCID1内で節点間の相対的な並進はありません。
- JTYPEはRPINに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- 座標系CID1は必須であり、CID2は指定しないでください。CID2は、定義しても無視されます。
剛性リンクジョイント
- JTYPEはRLINKに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- 座標系CID1およびCID2は指定しないでください。これらは定義しても無視されます。
剛性ビームジョイント
- JTYPEはRBEAMに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- デフォルトでは、基本座標系としてCID1とCID2が定義されており、結果は基本座標系で出力されます。
これらのフィールドに局所座標系が割り当てられている場合は、局所座標系で結果が出力されます。
- 剛性ビームジョイントは、剛性ピンジョイントと方向ジョイントを組み合わせたものと等価です。
剛性ピンジョイントを使用したユニバーサル結合
- JTYPEはUJOINTに設定する必要があります。
- 節点1の座標系(CID1)のX軸は節点2の座標系(CID2)のZ軸と相互に垂直である必要があります。
- 座標系1と2のY軸は、対応するシャフト軸に沿う必要があります。さらに、これらは同じ方向を向く(互いに反対を向かない)必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- また、座標系 CID1とCID2を指定し、上記2と3で述べた設定が必要です。
UJOINTジョイントは、剛性ピンジョイントとユニバーサルジョイントを組み合わせたものと等価です。
円筒ジョイント
- JTYPEはCYLINDRIに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- 座標系はCID1とCID2を指定し、これらの方向1を一致させる必要があります。
円筒ジョイントは、ライン内ジョイントと回転ジョイントを組み合わせたものと等価です。
並進ジョイント
- JTYPEはTRANSLATに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。
- 座標系CID1およびCID2を指定する必要があります。
並進ジョイントは、ライン内ジョイントと方向ジョイントを組み合わせたものと等価です。
結合ジョイント
軸および方向ジョイント
- JTYPEはAXIAORIEに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。座標系CID1およびCID2を指定する必要があります。
インラインおよびカルダンジョイント
- JTYPEはINLICARDに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。座標系CID1およびCID2を指定する必要があります。
剛体リンクおよび方向ジョイント
- JTYPEはRLINORIEに設定する必要があります。
- 節点GID1およびGID2を指定する必要があります。座標系CID1およびCID2を指定する必要があります。
JOINTGの局所座標系の定義
局所座標系(CID1およびCID2を介する)は、ジョイント荷重LOADJG)、ジョイント運動MOTNJG、およびSTOPオプションとLOCKオプション(PJOINTG)の解釈を定義するために重要です。
ジョイントの特性の解釈
- ジョイント節点GID1およびGID2の順序GID1とGID2の順序は、2つの節点間の相対変位の計算に影響します。特定の自由度については、相対変位は次のように計算されます:
(9) ここで、とは特定の自由度のGID1とGID2の変位です。
- GID1とGID2における局所座標系CID1およびCID2。
CID1またはCID2を介して特定される対象の自由度の方向は、長さ、運動、STOPオプション、LOCKオプション、および出力の解釈に影響します。
- 適用される荷重、運動、またはSTOP/LOCKの性質。
たとえば、ジョイント上の圧縮荷重(負のLOADJG)の影響は、引張荷重(正のLOADJG)のそれと逆です。
以下のセクションでは、個々のジョイント特性の解釈について詳細に調べています。コンセプトを示すために、同様なJOINTGのシンプルな例が使用されています。
ジョイント荷重(LOADJG)
ジョイント上の荷重はLOADJGエントリまたはその他の外部荷重を使って付与できます。ここでは、LOADJGを使った荷重の挙動を調べます。

図 9.

図 10.
ここでのキーは、U7とU8の計算です。上のLOADJG=600.0の図では、基本座標YでのU7は-0.6です。局所Xが反転されたので、基本Yと反対側を指しています。したがって、局所XでのU7は+0.6です。同様に、基本座標YでのU8は0.9、局所Xでは-0.9です。したがって、局所XでのU7-U8は1.5となります。LOADJG=-600.0のケースでは、U7とU8の値もまた同様に推測されます。

図 11.
強制ジョイント運動(MOTNJG)
ジョイント上の強制運動はMOTNJGエントリを使って、またはその他の外部のSPCDエントリを介して付与できます。本セクションでは、MOTNJGを使った荷重の挙動を調べます。

図 13.

図 14.
ここでのキーは、U7とU8の計算です。上のMOTNJG=1.2の図では、基本座標YでのU7は-0.48です。局所Xが反転されたので、基本Yと反対側を指しています。したがって、局所XでのU7は+0.48です。同様に、基本座標YでのU8は0.72、局所Xでは-0.72です。したがって、局所XでのU7-U8は1.2となります。MOTNJG=-1.2のケースでは、U7とU8の値もまた同様に推測されます。

図 15.
STOPとLOCK(PJOINTG)

図 16.
- 局所XがGID1 → GID2に揃っている際は、長さは正で、2.2の絶対上限を適用するには、LOCKの上限フィールドは2.2でなければなりません。
- 局所XがGID1 → GID2と反対向きである際は、長さは負で、2.2の絶対上限を適用するには、LOCKの下限フィールドは-2.2でなければなりません。

図 17.
図 16のCARTESIANジョイントの例に基づき、異なる自由度の他のジョイントの長さに同様の制約を適用するプロセスを、GID1 → GID2方向および対象とする自由度の局所軸方向の相互作用に応じて類推することができます。
複合積層材
シェルやソリッド要素は、いくつかの異なる材料(プライ)を層状に貼り合わせた結合構造を持つ複合材として作成することができます。
図 18. 配向角を表示した4層複合材シェル
複合シェルの実効剛性および質量密度の計算には、古典的な積層理論が使用されます。この計算は、個々のプライの特性を使用して、コード内で自動的に実行されます。その後、均質なシェルまたはソリッドの特性が解析で使用されます。
解析の実行後は、シェル全体にかかる応力とひずみを基にして、各層および層間の応力とひずみが計算できます。この結果を使用して、各プライおよび母材の破壊指数を評価することもできます。
複合材シェルの解析(PCOMP、PCOMPG、PCOMPP)
複合材シェルの解析は、標準シェル要素の解析と似ています。主な違いは、PSHELLの代わりにPCOMP、PCOMPPまたはPCOMPG特性カードを使用してシェル要素の特性を指定する点です。
対応するPCOMP、PCOMPGエントリで指定されたプライ情報に基づいて、またはPLYエントリに基づいて(PCOMPPの場合)、OptiStructはシェル要素の実効特性を自動的に計算します。
解析の実行後は、シェルタイプの応力のほか、個々のプライとその母材にかかる応力、ひずみ、および破壊指数が算出されます。これらの結果は、PCOMPまたはPCOMPGエントリ、および一般的な入出力制御カード(CSTRESS、CSTRAIN、CFAILUREエントリなど)の結果フラグで制御されます。
- PCOMPとPCOMPGの違い
PCOMPまたはPCOMPGは、次の2つの方法で複合材レイアップを定義します。
PCOMPは、複合材レイアップの構造と特性を定義し、それらは要素に割り当てられます。プライは特定のプロパティーについてのみ定義され、いくつかのプロパティーにまたがって設置されるプライとは結びつきをもちません。
PCOMPGは、グローバルプライIDが許可される複合材レイアップの構造と特性を定義し、それらは要素に割り当てられます。異なるPCOMPG定義のプライは、グローバルプライIDの使用により互いに結び付くことができます。
- PCOMPP
PCOMPPを使用すると、PLYおよびSTACKエントリを使用したプライベースのモデル化によりプライを定義できます。プライが割り当てられる要素セットは、ESID#フィールドを通じてPLYエントリで指定されます。積み重ね情報と積層順序は、STACKエントリを通じて定義されます。必要に応じて、STACKエントリを使用してサブスタックとインターフェースを定義することもできます。
- 複合プライに使用される最も一般的な材料タイプはMAT8であり、これは平面状の直交異方性材料です。等方性のMAT1や、一般的な異方性のMAT2をプライ特性として使用することもできます。
- 要素の座標系を使用して配向角を指定することもできますが、その結果は個々の要素内の節点に対する番号の付け方に大きく依存します。このため、複合材要素には材料の座標系を規定しておき、この座標系に対して配向角を指定することをお奨めします。
- 積層構造の種類によっては、シェル要素の基準面から複合材がオフセットされている場合もあります。この場合、基準面の上部より下部(あるいはその逆)に材料が多く集中しています。
- 複合材の応力の結果には、シェルタイプの応力とプライ個々の応力が含まれます。重要なのは、シェルタイプの応力は均質化された特性を使用して計算されるため、全体的なシェルの応力状態のみを表わしているという点です。複合材内部に発生する実際の応力状態を評価するには、プライ個々の結果を検証する必要があります。
連続体シェルの解析(PCOMPLS)
連続体シェルは、3次元応力状態を扱う際や、積層板厚が十分に大きいために古典的なシェル理論の限界を超える場合に効果を発揮できます。
連続体シェルの解析では、PCOMPLSエントリを使用して、プライ情報をソリッド要素に割り当てます。これは現在、CHEXA要素とCPENTA要素でのみサポートされています。たとえば、層間法線応力()を使用できるのは、連続体シェルが使用されている場合のみです。層間せん断応力(および)は、複合シェルと連続体シェルの両方の積層材で使用できます。
解析の実行後は、積層ソリッド応力のほか、個々のプライとその母材にかかる応力、ひずみ、および破壊指数が算出されます。これらの結果は、一般的な入出力制御カード(CSTRESS、CSTRAIN、CFAILUREエントリなど)によって制御されます。
また、Hashin/Puck破壊基準とともにPCOMPLSを使用して定義された連続体シェルでは、すべての破壊モード(繊維引張力、繊維圧縮力、母材引張力、母材圧縮力)の複合材破壊指数の出力は、CFAILUREエントリを通じて得られます。
- 連続体シェルに対してサポートされている材料タイプは、MAT1、MAT9、MAT9OR、およびMATUSRの各材料です。
- 要素の座標系を使用して配向角を指定することもできますが、その結果は個々の要素内の節点に対する番号の付け方に大きく依存します。このため、複合材要素には材料の座標系を規定しておき、この座標系に対して配向角を指定することをお奨めします。
詳細については、ユーザーズガイドの連続体シェルをご参照ください。
連続体シェル
複合積層材に対してシェル要素を直接使用する方法と比べ、連続体シェルにはいくつかの利点があります。
複合積層材の場合、モデル化を実現するには2つの方法があります。1つ目は、PCOMP/PCOMPP/PCOMPGプロパティを通じてシェル要素を直接使用する方法で、もう1つは、PCOMPLSプロパティを通じて連続体シェルを使用するソリッド要素を使用する方法です。たとえば、板厚が大きめの積層材の場合や、積層材内で応力状態が3次元である場合は、連続体シェルの方がシミュレーションに適している可能性があります。
入力
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PCOMPLS | PID | CORDM | SB | ||||||
C8 | INT8 | ||||||||
ID1 | MID1 | T1 | THETA1 | ||||||
ID2 | MID2 | T2 | THETA2 |
出力
PCOMPLSのCORDMの使用例

図 19. (a)モデル1: 基準モデル(PCOMPLSの空白のCORDM)、(b)モデル2: 基準座標系のY軸を中心にしてモデル1を90度回転したもの(PCOMPLSのCORDMのX軸を投影可能)

図 20. (a)モデル3: 基準座標系のY軸を中心にしてモデル1を90度回転したもの(X軸を投影できないPCOMPLSの異なるCORDM)、(b)モデル4: 基準座標系のY軸を中心にしてモデル1を90度回転したもの(PCOMPLSの空白のCORDM)
- Model 1
model_1_blank_cordm.fem
空白のCORDMが設定されたPCOMPLS
- Model 2
model_2_rotated_user_cordm.fem
モデル1がY軸を中心に90度回転されています。
また、PCOMPLSでは、CORD2Rを参照しているCORDMが定義されています(X軸を投影できます)。
図 21. PCOMPLS上のCORDMの投影されたX軸 - Model 3
model_3_rotated_user_cordm.fem
モデル1がY軸を中心に90度回転されています。
また、PCOMPLSでは、CORD2Rを参照しているCORDMが定義されています(X軸を投影できません)。
図 22. PCOMPLS上のCORDMの投影されないX軸 - Model 4
model_4_rotated_blank_cordm.fem
モデル1がY軸を中心に90度回転されています。
また、PCOMPLSには空白のCORDMが設定されています。
図 23. (a)モデル1:PCOMPLSの空白のCORDM(基準座標系)、(b)モデル2: PCOMPLSでCORDMが設定された回転モデル(CORD2Rが指定された局所座標系). (c)モデル3: PCOMPLSでCORDMが設定された回転モデル(CORD2Rが指定された局所座標系)、(d)モデル4: PCOMPLSで空白のCORDMが設定された回転モデル(基準座標系)
出力で述べたように、連続体シェルの場合、要素の応力結果は材料座標系に出力されます。このことは、上記の4つのモデルと結果の解釈で示すことができます(図 23)。

図 24. 要素208(モデル1)の例. CORDMが空白の場合、基準座標系のX軸がG1-G2-G3-G4平面に投影される

図 25. モデル2: CORDMのX軸の投影と局所材料座標系の作成

図 26. モデル3: CORDMのX軸を投影できない - CORDMのY軸が最初に投影される. 投影されたY軸と板厚方向のZ軸に基づいて、局所材料座標系が作成される

図 27. モデル4:CORDMは空白 - 基準座標系のX軸は要素に投影される. その後、この投影された基準座標系X軸および局所材料座標系のZ軸である板厚方向に基づいて、局所材料座標系が作成される
局所材料座標系の生成 | |||
---|---|---|---|
入力データ | PSOLID | PCOMPLS | |
PCOMPLSプロパティのCORDMフィールド | =0または空白(基準座標系) | 基準座標系が直接使用されます。 (投影なし) |
基準座標系のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
CORDM=-1 (要素座標系) |
要素座標系が直接使用されます。 (投影なし) |
要素座標系6のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
|
=整数 (ユーザー定義の座標系) |
ユーザー定義の座標系が直接使用されます。 (投影なし) |
ユーザー定義座標系のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
|
要素カード(CHEXA)のCORDM継続行 | CID=0 (基準座標系) |
基準座標系が直接使用されます。 (投影なし) |
基準座標系のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
CID=-1 (要素座標系) |
要素座標系が直接使用されます。 (投影なし) |
要素座標系のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
|
CID (ユーザー定義の座標系) |
ユーザー定義の座標系が直接使用されます。 (投影なし) |
ユーザー定義座標系のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
|
THETA/PHI | 要素座標系1がTHETA/に基づいて回転されます。 2 (投影なし) |
回転された要素座標系7のX軸が投影されます。 3 Z軸は常に板厚方向です。 4 Y軸はこれらの材料座標系のZ軸とX軸の外積です。 5 |
複合材解析結果の解釈
複合シェル要素と連続体シェル要素について、いくつかの複合材特有の結果が計算されます。これらの結果は特殊な性質を持つので、ここではその意味について説明します。
- プライの応力とひずみ(CSTRESSおよびCSTRAINエントリ)
古典的な積層理論では、複合シェルの個々のプライに2次元の応力状態(いわゆる膜状態)があると仮定します。応力とひずみの値の計算は、各プライの中央面、つまり上面と下面の中間で行われます。十分に薄いプライであれば、これらの値がプライ内部に均一に存在する応力を表わすと解釈できます。
複合材シェルでは、プライの応力とひずみは、対応する複合材特性カードで指定されたプライ材配向角に合わせた座標系で計算されます。特に、は主要な積層方向を表わし、はこれと直交し、は平面内のせん断応力を表わします。
複合材は、繊維部分と比べると低いヤング率の母材を擁します。母材は層間を接着する材料であるため、積層材のせん断効果は各層間の母材の寄与により増大します。縦せん断率と横せん断率は縦ヤング率と横ヤング率よりも相対的に小さいため、複合材パネルでは等方性プレートよりも横せん断応力が重要となります。横せん断応力の計算の理論は後続のセクションで述べられます。
プライの応力とひずみは、各プライの上面と下面の間の面でも計算されます。CSTRESSおよびCSTRAINエントリ上のNDIVフィールドは、必要とされるプレーンについて対応する結果をリクエストするために使うことができます。
- 層間応力
層間の母材は通常、各プライとは異なる材料特性と応力状態にあります。複合材シェルの場合、ここで重要な主要応力は、次のような2つの成分からなる層間のせん断応力です: および。連続体シェルの場合、層間せん断に加えて、プライ間のインターフェースにおける層間法線応力()も得られます。
- 破壊指数 積層が破壊する可能性の予測を容易にする目的で、プライおよび母材の破壊指数が計算されます。このような計算のための理論はいくつかありますが、それらに共通の考え方は、許容可能な応力またはひずみを基準として破壊指数をスケーリングすることです。この考え方から、以下のような判断が可能です:
- 破壊指数が1.0を下回る場合は、応力またはひずみが、材料データカードで指定されている許容範囲内にあることを意味します。
- 破壊指数が1.0を超える場合は、応力またはひずみが許容範囲を超えていることを示します。
- 公式により、いくつかの破壊規準(例えば、sai-WuとHoffman)は問題によっては負の破壊指数となることがあります。
複合積層材シェルの破壊基準
Hillの理論によるプライ破壊
MATFのCRITERIAフィールド、またはPCOMP/PCOMPP/PCOMPGのFTフィールドをHILLに設定する必要があります。
- プライ材料方向(1)の許容応力
- プライ材料方向(2)の許容応力
- 平面内の許容せん断応力
MAT8エントリで、かつ、です。この提案が採用されなかった場合、警告メッセージが出力され、以下のルールが適用されます。の場合、; それ以外の場合は、また、および も同様。相互作用の項に対し、の場合、; それ以外の場合は、
MATFエントリで、、、
Hoffmanの理論によるプライ破壊
MATFのCRITERIAフィールド、またはPCOMP/PCOMPP/PCOMPGのFTフィールドをHOFFに設定する必要があります。
MAT8エントリで、、、、、
MATFエントリで、、、、、
Tsai-Wuの理論によるプライ破壊
MATFのCRITERIAフィールド、またはPCOMP/PCOMPP/PCOMPGのFTフィールドをTSAIに設定する必要があります。
ここで、は実験的に決定される因子です。
MAT8エントリで、、、、、、
MATFエントリで、、、、、
最大ひずみ理論によるプライ破壊
MATFのCRITERIAフィールド、またはPCOMP/PCOMPP/PCOMPGのFTフィールドをSTRNに設定する必要があります。
- プライ材料方向(1)の許容ひずみ
- プライ材料方向(2)の許容ひずみ
- 平面内の許容工学せん断ひずみ
MAT8エントリで、、、STRNフィールドを使用して、入力値が許容応力なのか許容ひずみなのかを指定できます。
MATFエントリで、、、
最大応力理論によるプライ破壊
MATFのCRITERIAフィールドは、STRSに設定される必要があります。
- プライ材料方向(1)の許容応力
- プライ材料方向(2)の許容応力
- 平面内の許容工学せん断応力
MATFエントリで、、、
母材の破壊
ここで、は、母材の許容せん断力を示します。
PCOMP/PCOMPP/PCOMPGエントリで、
Hashin破壊基準
MATFのCRITERIAフィールド、またはPCOMP/PCOMPP/PCOMPGのFTフィールドをHASHに設定する必要があります。
Hashin破壊基準は、繊維引張力、繊維圧縮力、母材引張力、および母材圧縮力の4つの破壊モードについて計算され、破壊指数はすべてのモードについて別々に出力されます。
- 繊維引張力()
(16) - 繊維圧縮力()
(17) - 母材引張力()
(18) - 母材圧縮力()
(19)
- 複合材の許容均質化縦方向引張強度。
- 複合材の許容均質化縦方向圧縮強度。
- 複合材の許容均質化横方向引張強度。
- 複合材の許容均質化横方向圧縮強度。
- 複合材の許容均質化縦方向せん断強度。
- Hashin近似によって定義される、複合材の許容均質化横方向せん断強度:
(20) - 1-方向の応力。
- 2-方向の応力。
- 1-2プレーンのせん断応力。
MAT8エントリで、、、、、
MATFエントリで、、、、、
Puck破壊基準
MATFのCRITERIAフィールド、またはPCOMP/PCOMPP/PCOMPGのFTフィールドをPUCKに設定する必要があります。
Puck破壊基準は、2D平面応力に基づいた2つの基本的な破壊モードである繊維内破壊モードと繊維間破壊モードについて計算されます。破壊指数は、これらすべての破壊モードについて別々に出力されます。
許可され得る材料データは、MATFバルクデータエントリでPuck破壊基準について指定されます。これに対応する破壊指数は、次のように計算されます:
- 繊維引張力()
(21) - 繊維圧縮力()
(22)
- Mode A()
(23) - Mode B()
(24) - Mode C()
(25)
- 許容縦方向引張強度。
- 許容縦方向圧縮強度。
- 許容横方向引張強度。
- 許容横方向圧縮強度。
- 許容せん断強度。
- 1-方向の応力。
- 2-方向の応力。
- 1-2プレーンのせん断応力。
- 破壊エンベロープ係数12 (+)。
- 破壊エンベロープ係数12 (-)。
- 破壊エンベロープ係数22 (-)。
MATFエントリで、、、、、、、、
HashinとPuckの破壊基準の破壊モードの出力結果は、相互に排他的です。たとえば、ある指定されたプライが、同時に引張と圧縮を受けて破壊されることは不可能です。このような場合は、そのプライの他の破壊モードの結果プロットは無効になり、この状況は結果プロットではN/Aという表記で表されます。
複合材要素の最終的な破壊指数

図 28. PCOMPとPCOMPGでモデル化された積層材の比較
複合材の異方性ソリッド要素と連続体シェル要素の破壊基準
- HILL3D
- PUCK3D
- HOFF3D
- TSAI3D
- HASH3D
- STRN3D
- STRS3D
- CNTZ3D
- HILL3D
- HOFF3D
- TSAI3D
- STRN3D
- STRS3D
各破壊基準の詳細は、本セクションで述べられています。
法線応力およびせん断応力は、材料座標系(MAT9/MAT9ORを擁すソリッド要素)または繊維座標系(PCOMPLS)で示されます。
Hill基準
MATFで、CRITERIAをHILL3Dに設定します。
または(引張または圧縮でのに依存)
または(引張または圧縮でのに依存)
または(引張または圧縮でのに依存)
、、.
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
Hoffman基準
MATFで、CRITERIAをHOFF3Dに設定します。
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
Tsai-Wu基準
MATFで、CRITERIAをTSAI3Dに設定します。
- 、、
- MATFカードではそれぞれV10、V11、V12として定義されています。
ここで、およびは、等二軸応力試験における引張応力限界です。
- W1
- W2
- W3
W1は、2つの引張荷重が方向1と2にかけられる等-二軸試験での引張応力限界です。W1は必須であり、W2とW3はオプションです。W2とW3を指定していない場合、これらはW1と同じ値に設定されます。W2とW3の定義はW1に似ています。W2は、2つの引張荷重が方向2と3にかけられる等-二軸引張試験での引張応力限界です。W3は、2つの引張荷重が方向1と3にかけられる等-二軸引張試験での引張応力限界です。
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
- W1
- W2
- W3
V10、V11、V12、W1、W2およびW3がすべて空白である場合、連成係数、およびは0.0です。
最大ひずみ基準
MATFで、CRITERIAをSTRN3Dに設定します。
- 方向のひずみ限界。これは、対応する法線ひずみの符合に応じて、引張ひずみ限界または圧縮ひずみ限界となります( = または、 = または、および = または)。
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
連続体シェル要素(PCOMPLS)では、上記の4つの基準、が使用できます。Hashin、PuckおよびCuntze基準を使用することも可能です。
最大応力基準
MATFのCRITERIAフィールドは、STRS3Dに設定される必要があります。
、
- 方向の応力限界。これは、対応する法線応力の符合に応じて、引張ひずみ限界または圧縮応力限界となります( = または、 = または、および = または)。
MATFバルクデータエントリでは、V1 = 、V2 = 、V3 = 、V4 = 、V5 = 、V6 = 、V7 = 、V8 = およびV9 = 。
連続体シェル要素(PCOMPLS)では、上記の5つの基準が使用できます。その上、PCOMPLSでのみ利用可能な3つの追加基準、Hashin、PuckおよびCuntzeを使用することができます。
Hashin基準
MATFで、CRITERIAをHASH3Dに設定します。
- 繊維引張力
- 繊維圧縮力
- 母材引張力
- 母材圧縮力
- 繊維引張力()
(33) ここで、αはユーザー定義の経験的パラメータです。これは、繊維引張力モードで考慮される横せん断応力の寄与を定義するために使用されます。W1がMATFカードで空白のままとされている場合、係数αは自動的に1.0に設定されます。
- 繊維圧縮力()
(34) - 母材引張力()
(35) - 母材圧縮力()
(36)
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
- W1
- (繊維引張力破壊チェックで使用されます)
Puck基準
MATFで、CRITERIAをPUCK3Dに設定します。
- 繊維引張力モード()
(37) - 繊維圧縮力モード()
(38) - 繊維間チェック1()
(39) - 繊維間チェック2()
(40) ここで、
- 、、、および
- 破壊曲線のエンベロープの係数。これらはMATFカードでそれぞれW1、W2、W3、W4,としてユーザーから与えられなければなりません。
基準破壊プレーンでの検索は、各1°で-90°から90° まで自動的に行われます。
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
- W1
- W2
- W3
- W4
Cuntze基準
MATFで、CRITERIAをCNTZ3Dに設定します。
- FF1
(41) - FF2
(42) - IFF1
(43) - IFF2
(44) - IFF3
(45)
ここで、です。
ここで、は相互作用指数です。
- V1
- V2
- V3
- V4
- V5
- V6
- V7
- V8
- V9
- W1
- (デフォルト = 0.15)
- W2
- (デフォルト = 1.0)
- W3
- (デフォルト = 2.6)
層間せん断破壊指数
ここで、は、PCOMPLSカードのSBフィールドでユーザーによって定義されます。