PBEAM

バルクデータエントリ CBEAMエントリを通して定義されるビーム要素のプロパティを定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PBEAM PID MID A(A) I1(A) I2(A) I12(A) J(A) NSM(A)  
  C1(A) C2(A) D1(A) D2(A) E1(A) E2(A) F1(A) F2(A)  
次の2つの継続行は最大10回繰り返されます。これらの行は、ビーム要素に沿ってステーションを定義するために使用されます。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  SO X/XB A I1 I2 I12 J NSM  
  C1 C2 D1 D2 E1 E2 F1 F2  
最後の2つの継続行は次のとおりです。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  K1 K2     NSIA NSIB      
  M1A M2A M1B M2B N1A N2A N1B N2B  


図 1. ビーム要素座標系(PBEAM

例1

この例は終端Aのみでの応力リカバリーを伴う直線ビームを表しています。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PBEAM 9 7 9.5 18.073 98.792   0.813    
  0.0 2.0 0.0 -2.0          
  NO 1.0              
          2.1        
          0.5        

例2

この例は、中間断面が長さ方向の半分で定義された可変断面のビームで、両方の終端Aと終端Bでの応力リカバリーを表しています。
注: 終端Bでの応力出力SOに対して、YESの後ろに空白行が入力されます。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PBEAM 9 7 9.5 18.073 98.792   0.813    
  0.0 2.0 0.0 -2.0          
  NO 0.5 6.5 5.385 35.542   0.563    
  YES 1.0 3.5 0.698 7.292   0.313    
                   
          2.1        
          0.5        

定義

フィールド 内容 SI単位の例
PID 固有の単純ビームプロパティ識別。
整数
このプロパティの識別番号を指定します。
<文字列>
このプロパティのユーザー定義の文字列ラベルを指定します。 2

デフォルトなし(整数 > 0、または<文字列>)

 
MID 材料識別。 1 2
整数
材料識別番号を指定します。
<文字列>
ユーザー定義の材料識別文字列を指定します。

デフォルトなし(整数 > 0、または<文字列>)

 
A(A) 終端Aにおけるビームの断面積。

デフォルト無し (実数 > 0.0)

 
I1(A) 終端Aにおける中立軸周りの平面1内の断面二次モーメント。

デフォルト無し (実数 > 0.0)

 
I2(A) 終端Aにおける中立軸周りの平面2内の断面二次モーメント。

デフォルト無し (実数 > 0.0)

 
I12(A) 終端Aにおける断面相乗モーメント(I1 * I2 > I122)。

デフォルト = 0.0(実数)

 
J(A) 終端Aにおけるねじり剛性パラメータ。

デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0.0)

 
NSM(A) 終端Aにおける単位長さあたりの非構造質量。

デフォルト = 0.0(実数)

 
Ci(A), Di(A), Ei(A), Fi(A) 終端Aにおける応力データリカバリー用要素座標系のyおよびzの位置(i=1はy、i=2はz)。

すべてのエントリのデフォルト = 0.0(実数)

 
SO 中間ステーションおよび終端Bの応力出力要求オプション。 6 7 8 9
NO
中間ステーションの次の継続行(フィールドC1F2を含む)を省略する必要があり、その中間ステーションの応力は回復されません。
YESA
中間ステーションの次の継続行(フィールドC1F2を含む)を省略する必要があり、その中間ステーションの応力は終端Aに対して指定された応力リカバリー位置で回復されます。
YES(デフォルト)
次の継続行(フィールドC1F2を含む)に最初の継続行(フィールドC1(A)F2(A)を含む)と同じ応力リカバリー位置が含まれているか、次の継続行のすべてが空白である必要があります。
 
X/XB 終端Aから中間ステーションまでの分数距離。

デフォルト = 1.0 (実数 > 0.0)

 
A 中間ステーションのビーム断面の面積。

デフォルト = A(A)(実数 > 0.0)

 
I1 中間ステーションの中立軸周りの平面1内断面二次モーメント。

デフォルト = I1(A)(実数 > 0.0)

 
I2 中間ステーションの中立軸周りの平面2内断面二次モーメント。

デフォルト = I2(A)(実数 > 0.0)

 
I12 中間ステーションの断面相乗モーメント(I1 * I2 > I122)。

デフォルト = I12(A)(実数)

 
J 中間ステーションのねじり剛性パラメータ。

デフォルト = J(A)(実数 ≥ 0.0)

 
NSM 中間ステーションの単位長さあたりの非構造質量。

デフォルト = NSM(A)(実数)

 
Ci, Di, Ei, Fi 中間ステーションにおける応力データリカバリー用要素座標系のyおよびzの位置。(i=1はy、i=2はz)。69

すべてのエントリのデフォルト = 0.0(実数)

 
K1,K2 平面1と平面2のK*A*Gにおけるせん断剛性係数K。

両方のデフォルト = 1.0 (実数)

 
NSIA 終端Aにおける非構造質量重心周りの単位長さあたりの非構造質量慣性モーメント。

デフォルト = 0.0(実数)

 
NSIB 終端Bにおける非構造質量重心周りの単位長さあたりの非構造質量慣性モーメント。

デフォルト = NSIA(実数)

 
M1A, M2A 終端Aにおける非構造質量の重心の(y,z)座標。

デフォルト = 0.0, 0.0(実数)

 
M1B, M2B 終端Bにおける非構造質量の重心の(y,z)座標。

デフォルト = M1AM2A(実数)

 
N1A, N2A 終端Aにおける中立軸の(y,z)座標。

デフォルト = 0.0, 0.0(実数)

 
N1B, N2B 終端Bにおける中立軸の(y,z)座標。

デフォルト = N1AN2A(実数)

 

コメント

  1. 構造問題で、MIDMAT1材料エントリのみ参照できます。熱伝導問題で、MIDMAT4材料エントリのみ参照できます。
  2. 文字列によるラベルを使用すると、他のカードで参照する際などに、プロパティを識別しやすくなります(たとえば、要素のPIDフィールド)。詳細については、Bulk Data Input File内の文字列ラベルベースの入力ファイルをご参照ください。
  3. K1K2の空白フィールドはデフォルトで1.0に設定されます。K1K2に対して0.0の値が使用されている場合、横せん断柔軟性は0.0に設定されます。
  4. X/XBのどちらかの値を1.0にする必要があります。
  5. 慣性モーメントは次のように定義されます。(1)
    I 1 = I xx = y 2 dA I 2 = I yy = z 2 dA
  6. 応力リカバリーは終端Aおよび終端Bでのみ可能となります。中間ステーションでの応力リカバリーはサポートされていません。
  7. 終端Aにおける応力データのリカバリーをしないものの、終端Bの応力リカバリー位置が定義されている場合は、フィールドC1(A)F2(A)を含む最初の継続エントリを省略できます。
  8. 終端BのC1F2を含む継続行がすべて空白の場合は、終端A用に定義された応力リカバリー位置が使用されます。ただし、この行でいずれかのエントリが定義されている場合、すべての空白のエントリは、終端Aの対応するエントリではなく、デフォルトの0.0に設定されます。
  9. 終端Aと終端Bの応力リカバリー位置を同じにする必要があります。
  10. , 166, 1を入力デックの入出力オプションセクションに入力すると、6および9記載のルールに違反したPBEAM定義に起因するエラー終了を回避できます。このような状況では、次のことが生じます:
    • 違反に関する警告メッセージが.outファイルに出力されます。
    • 中間ステーションで応力が回復されません。
    • 終端Aに対して定義されたリカバリー位置が終端Bに対しても使用されます。
  11. テーパービームの場合、すべてのステーションプロパティの加重平均によって求められたプロパティを使用して、単一の角柱ビームを作成します。
  12. 断面プロパティは、終端Aについてはすべて指定する必要があります。終端Bについては、空白フィールドは、プロパティが終端Aと同じであることを意味します。中間ステーションについては、フィールドが空白だと、使用される終端Aと終端Bにおけるプロパティ値の間の線形補間となります。
  13. 終端Aで指定されているNSMは、終端BでのNSMのデフォルト値となります。他のすべてのステーションのデフォルトは、終端Aと終端Bの間の線形補間となります。そのため、ビームの長さ全体に渡って一定のNSMの場合は、終端AでのNSMのみが必要となります。
    要素の質量は、次のように計算されます。(2)
    Mass = density * beam _ area * beam _ length + NSM * beam _ length

    NSM値がステーションごとに異なる場合は、すべてのステーションの平均が取られ、その平均値が要素計算に使用されます。

  14. このカードは、HyperMesh内のプロパティとして表現されます。