CGAPG
バルクデータエントリ 節点-障害物間ギャップ要素を定義します。障害物は、要素面の場合と節点のパッチの場合があります。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CGAPG | EID | PID | GA | TYP | X1/ G0 |
X2 | X3 | CID | |
GB1/ ELIDB |
GB2/ G1 |
GB3/ G3 またはG4 |
GB4 | GB5 | GB6 | GB7 | GB8 |
例1
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CGAPG | 6 | 6 | 233 | ELEM | 3.0 | -1.0 | 1.0 | ||
257 |
例2
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CGAPG | 6 | 6 | 233 | QUAD | |||||
110 | 111 | 114 | 113 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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EID | 固有の要素識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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PID | PGAPエントリの識別番号。
デフォルト = EID(整数 > 0または<文字列>) |
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GA | CGAPGの終端Aとして使用する節点。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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TYP | CGAPGの終端B(節点GAの対角)にある障害物のタイプを示す文字列:
デフォルトなし(実数) |
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X1, X2, X3 | 変位座標系のGAを起点とする方向ベクトルのGA上の成分。 デフォルトは自動的に決定されます。6 (実数) |
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G0 | 節点G0を使用して方向ベクトルを指定するための別の方法。方向ベクトルの方向はGAからG0までです。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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CID | 要素座標系識別番号。CIDを要求した場合、CIDはギャップ軸と方向ベクトルの両方を定義するために使用されます。 このフィールドで使用できる追加キーワード:
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GB# | CGAPG要素の終端B(障害物)にあるグリッドサーフェスパッチのグリッド識別番号。GB1からGB3は必須です。 デフォルトなし(整数 > 0) 7 |
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ELIDB | CGAPG要素の終端B(障害物)上にある要素の要素識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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G1 | ソリッド要素ELIDBの場合は、CGAPG要素の2つ目の終端を定義する面のコーナーに結合されている節点の識別番号です。PYRA要素の場合、このグリッドは四角形面のエッジ上に存在する必要があります。 | |
G3 | ソリッド要素ELIDBの場合は、HEXAまたはPENTA要素の同じ面上にあるG1の対角線上のコーナーに結合されている節点の識別番号です。G1を指定した場合にのみ必要です。また、HEXAおよびPENTA要素の四角形面に限り、必須のデータです(整数または空白)。PENTA要素の三角形面およびPYRA要素の四角形面では、G3を指定しないでください。PYRA要素の三角形面の場合は、このグリッドが四角形面に隣接するエッジ上に存在する必要があります。この要素に向かう正の方向は、右手系の法則を使用してG1およびG3で定義してください。 | |
G4 | ソリッド要素ELIDBの場合は、読み出す面上ではなくコーナーにあるTETRA節点の識別番号です。TETRA要素でのみ使用します。G1を指定した場合は、必須のデータです。 デフォルト = 空白(整数 ≥ 0、または空白) |
コメント
- CGAPGは、点と障害物の間に接触要素を定義します。障害物は、節点のパッチまたは要素面として定義できます。
- ギャップ要素座標系は、下記のいずれかの方法で定義します。
- : 座標系のCIDを指定した場合、要素座標系は、その座標系を使用して設定されます。この場合、要素のx軸は座標系の方向1の方向にあり、y軸は座標系の方向2の方向にあります(直交座標系の場合、方向1はx方向、方向2はy方向です)。この場合、方向ベクトルは無視されます。
- フィールドを空白にする: CIDフィールドが空白で節点GAが要素面または節点パッチ上にない(GAとサーフェス間の距離 ≥ 10-4)場合、x軸はGAから要素面または節点パッチまでの最短距離に沿って定義されます。ギャップx軸点の方向は、GAからパッチまたは要素面に向かう方向です(図 1をご参照ください)。方向ベクトルは、ギャップ座標系のx-y平面を定義します(CGAP要素と同様)。
節点GAが要素面または節点パッチ上にある場合(GAとサーフェス間の距離 < 10-4の場合)、CIDを設定する必要があります。
- FLIPオプション:ギャップ座標系のx軸を上記のデフォルトの方向と反対方向に反転させます。ボディAとボディBのメッシュが重なる場合は、これらの間にギャップを設けるよりも、このオプションの方が便利です。 5
- PUSHOUTオプション: ギャップ座標系のx軸の向きを、GAがボディBの内部まで入り込まないように配置します。これは、ELIDBを使用して3Dソリッド要素として定義されている障害物でのみ使用可能です。
- PUSHNORMオプションを使用すると、ギャップ軸は、障害物(要素面または節点パッチ)に向かうデフォルト法線ベクトルに沿って、障害物BからGAにかけての“押し出し”力を発生させる方向に設定されます注: (この押し出し力の方向は、GAから障害物を指すギャップ軸と反対方向です)。
GAが障害物Bへの直接的な法線投影を持たず、“最短距離”の投影が使用される場合(GAPPRMカードでGAPGPRJにSHORTを設定した場合)、押し出し力の方向は最短距離の線分の方向になりますが、同時に法線ベクトルとも一致します。
- PUSHREVNは、PUSHNORMオプションと反対方向の押し出し力を発生させます。注: ソリッド要素上の面の場合、デフォルト法線は内側を向いているため、貫通を避けるにはPUSHREVNオプションを使用します(ソリッド面で使用する場合はPUSHOUTオプションの方が簡単です)。
- 一般的な用途では、節点GAと障害物が最初から離れている場合(つまり、上図のようにボディAとボディBの間にギャップがある場合)、CIDフィールドは空白のままにするのが適切です(図 1)。ボディAとボディBのメッシュが重なる場合は、座標系のCIDを指定します。4 より直感的な別の方法として、FLIP、PUSHOUT、PUSHNORM、またはPUSHREVNオプションのいずれかを使用することもできます。
- ギャップ座標系のCIDを設定する場合は、作成されるギャップx軸点が大まかにボディA(節点GAに関連付け)からボディB(要素ELIDBまたはパッチGB#に関連付け)に向かう方向を指すようにしてください。これにより、ギャップ要素によって、これらのボディの接触/重なりを確実に回避できます。x軸の方向が正しくないと、ギャップ要素の効果はありません。逆に、ボディ同士の重なりを避けるのではなく“接着”させてしまう可能性もあります。ソルバーはこのような不整列をチェックし、それぞれに対するエラーおよび警告メッセージを出力します。詳細については、GAPPRMバルクデータカードをご参照ください。
- CIDフィールドのFLIPオプションは、ボディAとボディBのメッシュ間にギャップがなく、これらが重なっている場合に役立ちます。このような場合、デフォルトのギャップ軸ベクトルは、ボディAからボディBへの全体方向とは逆になり、接触状態を解決するのではなく“接着”効果を生み出します。FLIPオプションは、このような場合にギャップ軸がボディAのバルクからボディBを正しく指すように、デフォルトのギャップ方向を反転させます。
初期貫通の問題を正しく解くようFLIPオプションを設定することに加え、PGAPカードのU0を負の値に正しく設定する、または、U0フィールドにAUTOオプションを使用する必要があります。
- 座標系のCIDも方向ベクトルも指定されていない場合、方向ベクトルは、ギャップ方向(ギャップのx軸)との間の角度が最大になる基本座標系の軸に一致するベクトルとして自動的に定義されます。
- GB#は、TYPがQUADまたはTRIAの場合、必須です。GB#には、3~8個のグリッドIDを指定することができます。GB#の順番には、三角形および四角形要素の定義順序が適用されます。中間節点はなくても構いません。
- ELIDBがソリッド要素とG1を表し、G3/G4フィールドが空白の場合は、グリッドGAに最も近い要素面が各障害物の面として選択されます。注: メッシュが重なっている場合(初期貫通の場合など)は、このオプションを使用せずに、接触面を明示的に要求してください。接触面を明示的に指定しないと、ボディBの外側のサーフェスではなくソリッドボディ内の内部面がGAに最も近い面になる可能性があります。
- G1およびG3は、シェル要素(TRIA3、QUAD4、TRIA6、およびQUAD8)の場合、無視されます。
- PENTA要素の三角形面の場合、G1は読み出す面上にあるコーナー節点の識別番号です。G3またはG4フィールドは空白のままにします。TETRA要素のフェイスの場合、G1は読み出すフェイス上にあるコーナー節点の識別番号、G4は読み出す面上にないコーナー節点の識別番号です。TETRAのコーナーポイントは4つしかないので、このポイント(G4)は固有になり、TETRA要素の4つの面それぞれで異なります。
- PYRA要素の四角形面の場合、G1は面上のコーナー節点の識別番号であり、G3またはG4フィールドは空白のままになります。三角形面の場合、G1およびG3で四角形面と隣接する面のエッジ上のグリッドを指定します。また、グリッドは右手系の法則を使用して内向きの法線を定義する順番に並べる必要があります。
- 変形の結果、要素座標系が回転することはありません。
- PGAPカードでAUTOオプションを使用する場合を除き、初期ギャップの開口量は、GAとGB間の分離距離から算出されるのではなく、PGAPエントリで指定します。
- ギャップ要素座標系では、入出力オプションまたはサブケース情報セクションの中でFORCEカードを指定して、要求したギャップの力を出力します。Fxは圧縮では正になります。
- 線形サブケースの場合、CGAPG要素は初期剛性に対して直線性を維持する線形剛性マトリックスを生成します。使用される剛性は、初期ギャップの開口量の値(PGAPエントリのU0フィールド)によって異なります。
- 非線形ギャップの使用の詳細については、ユーザーズガイドの微小変位非線形解析をご参照ください。
- 文字列のラベルを使用すると、要素カードで参照する場合にプロパティを視覚的に識別しやすくなります。詳細については、Bulk Data Input File内の文字列ラベルベースの入力ファイルをご参照ください。
- HyperMeshでは、このカードはギャップまたは質量要素として表されます。