PCONTHT
バルクデータエントリ 熱伝導解析でのCONTACT要素の熱伝導率を定義します。
フォーマット
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PCONTHT | PID | KCHTC | KOHTC | TPID | TCID |
例
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PCONTHT | 2 | 200.0 |
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PCONTHT | 2 | AUTO |
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PCONTHT | 2 | 10 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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PID | プロパティ識別番号。PCONTバルクデータエントリのPIDと一致する必要があります。 1 デフォルトなし(整数 > 0) |
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KCHTC | 閉じられた接触の接触熱伝達係数(HTC)。 2 デフォルトなし(実数 ≥ 0.0またはAUTO)。 |
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KOHTC | 開かれた接触の接触熱伝達係数(HTC)。 2 デフォルト = 10-14 * KCHTC(実数 ≥ 0.0)このデフォルトはKOHTC=0のときにも設定されます。 |
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TPID | TABLED番号エントリの識別番号。この表では、接触圧力に基づいた単位接触面積あたりの熱伝導率(接触HTC)を指定します。 3 4 デフォルト = 0(整数 > 0) |
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TCID | TABLED番号エントリの識別番号。この表では、接触クリアランスに基づいた単位接触面積あたりの熱伝導率(接触HTC)を指定します。 3 4 5 デフォルト = 0(整数 > 0) |
コメント
- PCONTHTは、CONTACT要素の単位面積あたりの熱伝導率を指定します。PCONTHTバルクデータエントリのPIDは、既存のPCONTバルクデータエントリのPIDと一致する必要があります。
単位面積あたりの熱伝導率は、熱伝達係数(接触HTC)と同じ単位で表されます。熱伝導の合計は、接触HTCと接触面積の積によって計算されます。
- KCHTCとKOHTCは、閉じた接触と開いた接触の接触HTC値を表します。理論的に、高い値の接触HTCにより強制的に完全な伝導体となりますが、極端に高い値は伝導マトリックスの条件を悪化させます。このような状況が見られた場合は、接触HTCの値を減少させるか、またはTCIDとTPIDを介してクリアランスと圧力に基づいた接触HTCを用いるのが有効です。 KCHTCの合理的な値の設定を簡単にするため、自動計算の指定がサポートされています:
- オプションKCHTC=AUTOでは、周囲にある要素の接触HTC値を使用して、各接触要素のKCHTCの値を決定します。
- TPIDは接触圧力に基づいた単位接触面積あたりの熱伝導率(接触HTC)を指定するTABLED#エントリを指します。熱伝導の合計は、テーブル値と実際の接触面積の積となります。TPIDが使用されるのは、熱接触解析においてSTATSUB(STRUCTURE)を使用して静的サブケースから接触状態を参照する場合です。TPIDは熱接触連成解析ではKCHTCより優先されます。
- TCIDは接触クリアランスに基づいた単位接触面積あたりの熱伝導率を指定するTABLED#エントリを指します。TCIDは熱接触連成解析ではKOHTCより優先されます。この場合には、非線形静的サブケースによって熱接触の接触状態が提供されます。TPIDはTCIDと共に指定する事ができます。TPIDがTCIDと共に指定された場合、接触HTCは開いた接触(KOHTCより優先される)ではTCIDの表で決められ、閉じた接触ではTPIDの表で決められます。TPIDが存在しない場合、閉じた接触では、TCIDはKCHTCより優先されます。
- クリアランスに基づいた接触HTC表参照の場合、接触HTCは、表の範囲内(クリアランス0から開始する必要がある)で線形補間され、表の範囲外に外挿される場合は0になります。
- PCONTHTはサーフェス間接触ではサポートされていません(CONTACT/TIEでのDISCRET=S2S)。
- PCONTがない接触インターフェースでは、PCONTHTは必要ありません。このような場合は、KCHTC=AUTOに基づいた熱接触HTC値が使用されます。
- 接触 / ギャップのステータスにより熱伝導率が変わるため、接触を含む熱構造解析問題は完全に連成されます。詳細についてはユーザーズガイド内の接触に基づく熱解析をご参照ください。
- FREEZE状態の熱接触の場合、形状に基づく実際の接触状態(開いている、もしくは、閉じている)が使用されます。開いた接触では、TCIDがKOHTCより優先されます。TPIDが指定されていない閉じた接触では、クリアランス0のTCIDがKCHTCより優先されます。TPIDとの完全に連成された熱接触では、TPIDがKCHTCより優先されます。
- PCONTHTとPGAPHTを介した熱接触解析は、線形定常熱伝動解析、線形非定常熱伝動解析、非線形定常熱伝動解析および非線形非定常熱伝動解析にサポートされています。Thermal Contactは、ワンステップ非定常熱応力解析(One-Step Thermal Transient Stress Analysis: OSTTS)にもサポートされています。
- このカードは、HyperMesh内のプロパティとして表現されます。