CONTACT
バルクデータエントリ 接触インターフェースを定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CONTACT | CTID | PID/ TYPE /MU1 |
SSID | MSID | MORIENT | SRCHDIS | ADJUST | CLEARANCE | |
DISCRET | TRACK | CORNER | ROT | SORIENT |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | SMOOTH | SMSIDE | SMREG |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | PSURF | PSID1 | PSID2 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | COHE | MCOHEDID | COHEGSET |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | ACTIVA | IDS1 | IDM1 | ||||||
IDS2 | IDM2 | ||||||||
+ | DEACTIVA | IDS5 | IDM6 | ||||||
IDS7 | IDM7 | ||||||||
+ | PCONT | MSID1 | SSID1 | PID1 | |||||
MSID2 | SSID2 | PID2 | |||||||
etc. | etc. | etc. | |||||||
+ | PSURF | SID1 | PSID1 | ||||||
SID2 | PSID2 |
例1
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CONTACT | 5 | SLIDE | 7 | 8 | |||||
N2S |
例 2
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CONTACT | 5 | SLIDE | 7 | 8 | |||||
S2S | |||||||||
SMOOTH | SECONDARY | 71 | |||||||
SMOOTH | SECONDARY | 72 | |||||||
SMOOTH | MAIN | ALL |
例3(自動接触)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CONTACT | 23 | AUTO | |||||||
ACTIVA | ALL | ||||||||
PSURF | ALL | 11 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
CTID | 接触インターフェース識別番号。 (整数 > 0) |
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PID | PCONTまたはPCONTXエントリのプロパティ識別。
(整数 > 0、または<文字列> (PCONTのみ)) |
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TYPE | 接触プロパティを指示せずに接触の種類を選択します。それぞれのデフォルトプロパティ設定が使用されます。デフォルト設定はCONTPRMを使用して変更できます。 4
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MU1 | 静的摩擦係数(
)。 5 (0.0 ≤ 実数 < 1.0) |
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SSID | セカンダリエンティティの識別番号。 1 2 10
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MSID | メインエンティティの識別番号。 1 2 10
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MORIENT | メインサーフェスからの接触の“押し出し”力の方向。シェル要素またはグリッドパッチで構成されるメインにのみ適用されます。ソリッド要素に対して定義したメインは、このフラグに関係なく常に外向きの反発をかけます。 6 19
デフォルト = OPENGAP(TRACKがFINITE/CONSLIにセットされていない場合)またはNORMAL(TRACK=FINITE/CONSLIの場合)。 |
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SRCHDIS | 接触条件を作成するための検索距離基準。指定すると、メインサーフェスからSRCHDISの距離以内にあるセカンダリ節点でのみ接触条件がチェックされます。 6 デフォルト = メインサーフェスの平均エッジ長の2倍。FREEZE接触の場合は、平均エッジ長の半分。(実数 > 0、または空白) 節点-節点間(N2N)の離散化の場合は、デフォルトは0.0です。 |
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ADJUST | シミュレーションの開始時の、メインサーフェス上でのセカンダリ節点の調整。 6
節点-節点間(N2N)の離散化の場合は、デフォルトはNOであり、他の離散化タイプと同様に、深さ基準に実数値を指定できます。AUTOと整数はN2N離散化には適用されません。 |
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CLEARANCE | ||
DISCRET | 接触要素の構築に対する離散化アプローチのタイプ。 1 | |
TRACK | 有限スライディング接触をアクティブ化します。 10
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ROT | N2S、およびS2S FREEZE接触の回転自由度の拘束。 24
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SORIENT | セカンダリサーフェスにかかる接触力の方向(メインサーフェスからの押し出し力と同じ方向であることが必要です)。このフィールドは、CONSLIを使用したS2S接触のみに適用できます。 19
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CORNER | N2S接触とS2S接触のセカンダリサーフェスのコーナー処理。 12
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SMOOTH | サーフェススムージング定義フラグの継続行。 6 | |
SMSIDE | スムージング対象となる接触インターフェースのメイン側またはセカンダリ側(またはこれらの両方)。 6
デフォルト値はありません。 |
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SMREG | スムージング対象となるメイン / セカンダリサーフェスの領域を指定します。 6
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PSURF | サーフェスプロパティを割り当てる継続行。陽解法解析でのみサポートされています。 | |
PSID1 | セカンダリサーフェスプロパティを定義するために使用するPSURFエントリのID。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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PSID2 | メインサーフェスプロパティを定義するために使用するPSURFエントリのID。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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COHE | 粘着材料用の継続行。 18 | |
MCOHEDID | 現在の接触で参照しているMCOHEDカードの識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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COHEGSET | 接着された節点セット。 14
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ACTIVA | 自動接触がアクティブ化されるサーフェスが後続のフィールドによって示されることを示すフラグ。 20 21 | |
IDSi |
デフォルト値はありません。 |
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IDMi |
デフォルト値はありません。 |
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DEACTIVA | 自動接触が非アクティブ化されるサーフェスが後続のフィールドによって示されることを示すフラグ。 20 22 | |
IDSi |
デフォルト値はありません。 |
|
IDMi |
デフォルト値はありません。 |
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PCONT | 対応するPCONTPIDが適用される接触インターフェースが後続のフィールドによって参照されることを示すフラグ。 | |
MSIDi |
デフォルト値はありません。 |
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SSIDi |
デフォルト値はありません。 |
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PIDi | 単一のPCONTエントリの識別番号を参照します。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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PSURF | 対応するPSURFPIDが適用される接触インターフェースが後続のフィールドによって参照されることを示すフラグ。 | |
SIDi |
デフォルト値はありません。 |
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PSIDi | 複数のPSURFエントリの識別番号を参照します。 |
コメント
- セカンダリ / メインの選択に関する一般的なガイドラインは次のとおりです。
- メッシュがより細かい方のサーフェスをセカンダリとして選択し、他方をメインとして選択します。
- より小さい方のサーフェスをセカンダリとして選択し、他方をメインとして選択します。
- より柔らかい方のサーフェスをセカンダリとして選択し、他方をメインとして選択します。
N2S接触とS2S接触の選択については、ユーザーズガイドの接触の離散化をご参照ください。
- セカンダリエンティティ(SSID)は常に節点で構成されます。これは、下記のように指定できます:
- SET(GRID, ..)コマンドを使用して定義する節点セット。
- SURFコマンドを使用して定義するサーフェス(セカンダリ節点はSURF面のそれぞれの節点の中から選択されます)。
- SET(ELEM, ..)コマンドを使用して定義する要素セット(シェルまたはソリッド)。セカンダリ節点はセット内の要素のそれぞれの節点の中から選択されます。3次元ソリッドの場合は、ソリッドボディのサーフェス上の節点だけが選択され、内部節点は考慮されません。
セカンダリエンティティが節点のセットまたはソリッド要素のセットの場合は、= N2Sが推奨されます。
- メインエンティティ(MSID)は下記のように定義できます。
- SURFコマンドを使用して定義するサーフェス。
- SET(ELEM, ..)コマンドを使用して定義する要素セット(シェルまたはソリッド)。3Dソリッドのセットの場合、サーフェス上の要素面が自動的に検出され、メインサーフェスとして選択されます。
- MSIDを空白のままにするか、SSIDと同じ値に設定することで、自己接触条件をアクティブ化できます。これは、現在、連続スライディング(CONSLI)を使用した節点-サーフェス間(N2S)接触およびサーフェス-サーフェス間(S2S)接触でのみサポートされています。詳細については、ユーザーズガイドの自己接触をご参照ください。
- N2N離散化では、MSIDはSETエントリによって定義された節点セットを参照する必要があります。
- 各種の接触インターフェース(TYPEフィールドのオプション)については、ユーザーズガイドの接触インターフェースのタイプをご参照ください。
- MU1をCONTACTカードで直接指定することで、摩擦接触の単純化された指定ができます。注: CONTPRMカードでMU2が明示的に指定されない限り、これはMU2=MU1を意味します。また、CONTACTカードで割り当てられるMU1の値は1.0より小さくする必要があります。静的摩擦係数より高い値を指定する場合にはPCONTカードを用いる必要があります。
陽解法動解析の/INTERエントリでは、PCONTX/PCNTX#エントリでFRICが明示的に定義されていない場合は、CONTACTまたはPCONTエントリのMU1値がFRICに対して使用されます。定義されている場合は、PCONTX/PCNTX#のFRICにより、CONTACT/PCONTのMU1値が上書きされます。摩擦接触の詳細については、ユーザーズガイドの摩擦をご参照ください。
- 各種の接触パラメータ(ADJUST、CLEARANCE、MORIENT、TRACK、SMOOTH、SRCHDIS、GPAD)については、ユーザーズガイドの接触インターフェースのパラメータ(接触の制御)をご参照ください。
- サーフェス-サーフェス間接触と節点-サーフェス間接触の接触安定化をアクティブ化するには、CNTSTBサブケース情報エントリとCNTSTBバルクデータエントリを使用します。また、PARAM, EXPERTNL,CNTSTBを使用して接触の安定化をアクティブ化できます。CNTSTBバルクデータパラメータは、特定のサブケースのパラメータ値よりも優先されます。
- 接触ステータスにより熱伝導率が変わるため、接触を含む熱構造解析問題は完全に連成されます。詳細については、ユーザーズガイドの接触に基づく熱解析をご参照ください。
- FREEZE接触に属している節点に回転SPCを適用することは避けてください。回転自由度を固定すると、ソリッド要素の場合でもこれらの接触節点の回転が妨げられます。
- 現時点では、有限スライディング(TRACK=FINITE)オプションがサポートされるのは、TYPE=SLIDEである場合、または摩擦(MU1/CONTPRM/PCONTを使用)が定義されている場合のみです。詳細については、ユーザーズガイドの有限スライディング(TRACK)をご参照ください。
- 連続スライディング接触(TRACK=CONSLI=CONSLI)では、接触の反復計算毎に接触の検索が行われます。接触仮想作業の定式化では、現在の反復計算の状態に基づいてすべての項が更新されます。接触の接線剛性マトリックスは一貫した方法で計算されます。連続スライディング接触は、より正確な結果を生み出すことが期待され、特に非常に大きいスライディングおよび / またはひずみが存在する際は、より高い収束のロバスト性が期待されます。
- コーナー処理は、N2S(TRACK=CONSLIのみ)およびS2S(すべてのTRACKオプション)接触でサポートされています。コーナー処理がオンになっている場合に(AUTOまたは実数値)、セカンダリ節点の1つ以上のエッジ上でブレーク角基準が満たされていると、その節点周辺の接触サーフェスはいくつかの連続したサーフェスパッチに分割されることがあります。サーフェスパッチごとに別々の接触要素が要素剛性マトリックス、要素力ベクトル、および要素履歴の変数の計算用に作成されます。コーナー処理により、一部のケースでロバスト性と精度が向上することがあります。
- CONTACTエントリは以下でサポートされています:
- 線形および非線形静解析
- 線形および非線形過渡解析
- 線形動解析
- 熱伝導解析
- 接触に基づく熱解析(HEAT)
- 陽解法動解析(EXPDYN)
- 形状最適化時に、N2Sオプションを使用して大きな形状変化をアクティブ化する必要があります。現在、大きな形状変化は、モデルにN2S接触、またはCGAP/CGAPG/CWELD/CFAST/CSEAM要素が含まれている場合にアクティブ化されます。
- 現在N2N離散化は、微小変位非線形解析でのみサポートされています。
- 以下は、PSURFフィールドを通じたエッジ-エッジ間接触に対するコメントです。
- PSURFフィールドは、陽解法解析でのみサポートされています。
- セカンダリ側はサーフェスベースである必要があります(節点ベースにはできません)。
- PSURFをセカンダリとメインの両方について定義する必要があります。
- シェル境界エッジは現在サポートされていません。
- 軸対称接触と平面ひずみ接触は、軸対称要素(CQAXI/CTAXI/CTRIAX6要素)と平面ひずみソリッド要素(CQPSTN/CTPSTN要素)でサポートされています。SURFエントリを使用して、メインサーフェスとセカンダリサーフェスを定義できます。 現在のところ、軸対称接触と平面ひずみ接触は以下に対してサポートされています:
- N2S離散化とS2S離散化の両方のSMALL(微小スライディング)
- N2S離散化のCONSLI(継続的なスライディング)
軸対称接触と平面ひずみ接触は、以下に対してはサポートされていません:- FINITE(有限スライディング)
- S2S離散化のCONSLI(継続的なスライディング)
- サーフェススムージング
- 接着接触が機能する対象は、微小スライディング(TRACK=SMALL)、無摩擦(TYPE=SLIDEまたはMU1=0.0)のN2S/S2S接触のみです。
- 陰解法解析の場合、シェル接触サーフェスの方向はユーザーが定義する必要があります。
陽解法解析の場合、シェル接触サーフェスの方向は自動的に検出されます。したがって、ユーザーはサーフェス上で一貫した方向を定義する必要はありません。
- 自動接触は、TYPEフィールドをAUTOに設定することでアクティブ化され、陽解法動解析(NLEXPL)にのみ適用できます。ACTIVA継続行を使用すると、自動接触がアクティブになり、DEACTIVA継続行を使用すると、特定の接触インターフェースの自動接触が非アクティブになります。PCONTおよびPSURF継続行を使用して、接触インターフェースおよびサーフェスの接触プロパティとエッジ基準をそれぞれアクティブ化できます。
- ACTIVAで、IDSiとIDMiの両方を定義した場合、OptiStructは、これらのサーフェスに基づいて内部的にコンポーネントを生成し、これらのコンポーネント間で生じ得る接触をすべて検出します。 例えば、次のように定義したとします。
+, ACTIVA, 1, 2 +, , 3, 4
この場合、サーフェス1、2、3、4に基づいて内部的に分離されたコンポーネントが作成されます。 その後、これらのコンポーネント間で接触が自動的に検出されます。 各コンポーネント内の自己接触も検出されます。
各サーフェスは複数のコンポーネントを含むことができます(モデル全体が単一のサーフェスであってもかまいません)。 内部で、定義されたサーフェスに対し、コンポーネントが作成されます。ここでのコンポーネントは、ボルトのようなトポロジー的に結合された形状を意味します。したがって、2つの別々のボルトは、単一のサーフェスとして定義されている場合でも、2つのコンポーネントとして扱われます。
- DEACTIVAは、モデル内の不要な接触を無効にすることを目的としています。 例えば、次のように定義したとします。
+, DEACTIVA, 1, 2 +, , 3, 4
この場合、サーフェス1とサーフェス2のフェイス間の接触が非アクティブ化されます。 同様に、サーフェス3とサーフェス4のフェイス間の接触も非アクティブ化されます。サーフェス1内の自己接触、サーフェス2内の自己接触などは非アクティブ化されません。また、サーフェス1と3の間の接触、サーフェス1と4の間の接触などは非アクティブ化されません。
特定サーフェス(例えばサーフェス1)の自己接触を明示的に非アクティブにするには、以下の行を追加します。+, DEACTIVA, 1, 2 +, , 3, 4 +, ,1,1
標準のCONTACTまたはTIEエントリを通じて定義された接触インターフェースがある場合、それらの接触インターフェースは自動的に自動接触から除外されます。例えば以下の場合、+, ACTIVA, ALL TIE,100,1,2
サーフェス1と2の間の接触は除外されます。例外として、これらは、サーフェス1と2がELFACEフォーマットで定義されている場合にのみ除外されます。サーフェス1が節点のSETである場合、このようなサーフェスは除外されません。
- 文字列ベースのラベルは、他のエンティティにより参照される際などに視認をより迅速にします。詳細については、文字列ラベルベースの入力ファイルをご参照ください。
- メイン側がシェルの陽解法解析では、TIEおよびfreeze CONTACTエントリーのROTフィールドにDRILLオプションを指定すると、以下のようにセカンダリ側のモーメントが(モーメントではなく)力として主節点に伝達されるようになります。メイン側をソリッドとする陽解法解析の場合、デフォルトでアクティブになり、ROTのフィールドは意味を持ちません。
図 1.TIE接触の情報を以下に示します。TIE接触 線形静解析 線形過渡応答解析 非線形静解析 非線形過渡解析 SMDISP LGDISP Implicit (SMDISP) Implicit (LGDISP) Explicit 回転自由度(メイン側がシェルの場合) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES (ROT=YESを介してオプション) YES(デフォルト) YES (ROT=YESを介してオプション) YES (ROT=YESを介してオプション) 回転自由度(メイン側がソリッドの場合) YES(オプション) YES(オプション) YES(オプション) YES (ROT=YESを介してオプション) YES(オプション) YES (ROT=YESを介してオプション) YES(デフォルト) - HyperMeshでは、このカードはグループとして表されます。