EIGRL

バルクデータエントリ Lanczos法を使用して実固有値解析(振動または座屈)を行うのに必要なデータを定義します。

フォーマット

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EIGRL SID V1 V2 ND MSGLVL MAXSET SHFSCL NORM  

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EIGRL   0.1 3.2 10          

定義

フィールド 内容 SI単位の例
SID 固有のセット識別番号。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
V1,V2 振動解析の場合: 目的の周波数範囲座屈解析の場合: 目的の固有値範囲 3 4 10

デフォルト = 空白(V1 < V2、実数、または空白)

 
ND 希望する固有値の数。 3 4

デフォルト無し(整数 > 0または空白)

 
MSGLVL 診断レベル。

デフォルト = 0(整数0~4、または空)

 
MAXSET ブロック内またはセット内にあるベクトルの数。

デフォルト = 8(整数1~16、または空白)

 
SHFSCL 振動解析の場合:最初の弾性モードの推定周波数。

座屈解析の場合: 最初の推定固有値。 9

デフォルト = 空白(実数または空白)

 
NORM 固有ベクトル正規化の際に使用する手法。 2
MASS
固有ベクトルは、一般化質量の単位の値に正規化されます。線形座屈解析の場合、これは有効なオプションではありません。
MAX
固有ベクトルは、解析セット内の最大変位の単位の値に正規化されます。ノーマルモード解析、および線形座屈解析の両方に対応しています。
MAXT
固有ベクトルは解析セット内の最大並進変位の単位の値に正規化されます。ノーマルモード解析、および線形座屈解析の両方に対応しています。
ALL
利用可能なすべての正規化手法(MASSMAXおよびMAXT)を使用した出力が提供されます。

ノーマルモード解析では、デフォルト = MASS です。

線形座屈解析ではデフォルト = MAX

 

コメント

  1. 振動解析の場合、V1およびV2の単位は単位時間毎のサイクル数です。座屈解析の場合、V1V2は固有値です。それぞれの座屈固有値は、応力の座屈前状態に乗算される係数であり、これによって対応する固有値が定義する形状に座屈を作成します。
  2. 振動解析の場合、固有ベクトルはデフォルトで質量マトリックスを基準に正規化されます。座屈解析の場合、固有ベクトルはユニット値を持つように正規化されます。線形座屈解析の場合、NORM = MASSは有効なオプションではありません。線形座屈解析でNORMMASSに設定した場合、OptiStructが自動的にMAX正規化に切り替えます。
  3. 固有値は大きさの順序(昇順)で求めます。つまり、ゼロに一番近いものが最初に求められます。発見される固有値の数とタイプは、以下の表のように決定されます。振動解析でV1が空白の場合は、デフォルトで-10が設定されます。
    V1 V2 ND 発見される固有値の数とタイプ
    V1 V2 ND 最小の固有値からND個または範囲内のすべてのうち、小さい方。
    V1 V2 空白 範囲内のすべて
    V1 空白 ND 範囲[V1, + ∞]の低いほうからND個の固有値
    V1 空白 空白 範囲[V1, + ∞]内で最小の固有値
    空白 空白 ND 範囲[-∞,+∞]の低いほうからND個の固有値
    空白 空白 空白 最小の固有値。
    空白 V2 ND V2未満で最小の固有値からND個。
    空白 V2 空白 V2未満のすべての固有値。
    注: Lanczosを使用した初期荷重ノーマルモード解析の場合、生じる可能性のある負の固有値を捕捉するため、対象の周波数の下限(V1)は自動的に負の無限大に移動されます。ユーザーには、.outファイル内のINFORMATION 3448によってこの調整が通知されます。
  4. Lanczos法による固有値ソルバーは、問題を解くための2つの異なる方法を提供します。固有値の範囲が上限なし(V2が空白)、および50モード未満(ND < 50)と定義されている場合、速度の速い方法が適用されます。
  5. 固有値は、大きさの順にソートされて出力されます。それぞれの固有値に関する固有ベクトルが発見されます。
  6. 振動解析では、小さい負の固有値は通常は計算上のゼロであり、剛体モードを示します。有限の負の固有値は、モデルに問題があることを示します。V1を明示的にゼロに設定した場合、V1は無視されます。剛体モードの抽出では、V1にゼロを設定しないことが推奨されます。
  7. MSGLVLは、固有値の抽出中に得られる診断出力の量を制御します。デフォルト値のゼロでは診断出力がすべて抑制されます。値が1の場合、各シフトで適用されている固有値が出力されます。この値が大きくなるほど、診断出力のレベルも増えます。
  8. MAXSETは、Lanczosソルバーの最大ブロックサイズを制限するために使用します。十分なメモリがない場合、この値を減らすことができます。デフォルト値の使用を推奨します。
  9. SHFSCLを指定することによって、振動解析のパフォーマンスが向上する場合があります。また、SHFSCLを使用することによって、座屈解析のパフォーマンスが向上する場合もあります。特に、適用される荷重が最初の座屈荷重と大幅に異なる場合に有効です。
  10. AMLSとAMSES固有値ソルバーではV2の指定が必須です。
  11. HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。