CSEAM
バルクデータエントリ 2つのシェルサーフェスを結合するシーム溶接を定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CSEAM | EID | PID | SMLN | CTYPE | IDAS | IDBS | IDAE | IDBE | |
GS | GE |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CSEAM | 22 | 3 | SEAM1 | PSHELL | 1 | 2 | |||
7 | 8 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CSEAM | 22 | 3 | ELEM | 11 | 12 | 21 | 22 | ||
7 | 8 |
別フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CSEAM | EID | PID | SMLN | CTYPE | IDAS | IDBS | IDAE | IDBE | |
XS | YS | ZS | XE | YE | ZE |
別フォーマットの例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CSEAM | 22 | 3 | SEAM1 | PSHELL | 1 | 2 | |||
0.3 | 0.4 | 0.25 | 0.6 | 0.4 | 0.25 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CSEAM | 22 | 3 | ELEM | 11 | 12 | 21 | 22 | ||
0.3 | 0.4 | 0.25 | 0.6 | 0.4 | 0.25 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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EID | 固有の要素識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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PID | PSEAMエントリの識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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SMLN | シームラインの識別番号。 2 デフォルト無し (最大8文字) |
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CTYPE | 結合の定義方法を指定する文字列。どちらのフォーマットも、パッチあたり最大3×3の四角形シェル要素を結合します(三角形要素の場合は、さらに多くの要素を結合できます)。
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IDAS, IDBS | 2つの結合するパッチまたはパッチAとパッチBの開始部分の指定に用いられます。 CTYPE=PSHELLの場合、IDASとIDBSはパッチAとパッチBのプロパティ識別番号を参照します。 CTYPE=ELEMの場合、IDASとIDBSはパッチAとパッチBの要素識別番号を参照します。 整数 > 0、IDAS ≠ IDBS。 |
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IDAE, IDBE | パッチAとパッチBの最終部分の定義に用いられます。 CTYPE=PSHELLの場合、IDAEとIDBEにゼロを指定できます。ゼロを指定しない場合、IDAEとIDBEはパッチAとパッチBの最終部分のプロパティ識別番号を参照します。これらを使用して、調整した空モデルを定義できます。 PSHELLタイプでは、整数 ≥ 0、IDAE ≠ IDBE。 CTYPE=ELEMの場合、IDASとIDBSはパッチAとパッチBの最終部分の要素識別番号を参照します。ELEMタイプでは、整数 > 0、IDAE ≠ IDBE。 |
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GS | コネクターの開始位置を定義する節点の識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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GE | コネクターの終了位置を定義する節点の識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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XS, YS, ZS | 基準座標系でシーム溶接の開始位置(GS)を定義するポイントの座標。 (実数) |
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XE, YE, ZE | 基準座標系でシーム溶接の終了位置(GE)を定義するポイントの座標。 (実数) |
コメント
- CSEAMは2つのサーフェスパッチ間のフレキシブルな結合を定義します。与えられた全ての情報で、CSEAMに対する仮想的な8節点CHEXAが内部的に生成され、8つのコーナー節点は全て対応するシェル要素の節点に拘束されます。次に、この仮想的なCHEXAの剛性が対応するシェルの節点に伝達されます。CSEAM要素自身はいかなる独立自由度も保持しません(図 1)。
図 1. - SMLNエントリで、CSEAM要素の名前を与えることができます。1つのCSEAMのGSまたはGEが他のCSEAMのGSまたはGEと共通で、それらが同じSMLNの場合、2つのCSEAM要素は隣接していると見なされます。2つの隣接するCSEAM要素では、内部的に生成されるCHEXAsの面が、1つの共通面を形作るように調節されます。
シームラインは同じ名前のSMLNの枝を持ちません。
- GSとGEの間の距離が要素の長さです。シームの幅はPSEAMカードでWとして定義されています。長さ方向に直角に測られ、シェルAまたはBの面に位置します。
- CSEAMの結合の構築
正しい投影を見つけるための形状は種々で複雑なため、チェックに関連する多くの形状が以下の手続きの中で実装されます。デフォルトの投影とチェックの規則は、SWLDPRMカードで定義されるデフォルト値の変更を通して、いくつかの拡張に修正できます。
結合を構築するため、最初にGSをシェルAとBに投影し、投影された点はそれぞれSAとSBとして認識されます。これはGEに対しての規則でもあり、投影された点はEAとEBとして記されます。SA、SB、EAとEBは穴あけ点とも呼ばれます。その間、これらの穴あけ点を支持するシェル要素はEIDSA、EIDSB、EIDEA、およびEIDEBとして記されます。
SAを例として取り上げます。ELEMタイプでは、プログラムはGSのユーザー指定の要素上への投影を試み、穴あけ点が要素内部にある場合、プログラムはこれを受け入れ、次の穴あけ点の発見に移ります。穴あけ点が要素の外側に落ちた場合でも、SWLDPRMカードのPROJTOLで定義されたトレランス内にある場合には、プログラムはなお受け入れます。そうでない場合、このCSEAM要素に対してエラーが発せられ、プログラムは他のCSEAM要素の処理を続けます。PSHELLタイプでは、このケースはずっと複雑になり得ます。最初に、GSに最も近く、ユーザー指定のシェルプロパティを持つ一群のシェル要素が候補として選択されます。次に、それぞれの候補上にGSを投影します。穴あけ点が候補の1つの内部に落ちた場合は、プログラムはこれを受け入れ次の点の発見に移動します。全ての候補のループの後、穴あけ点を支持する適当なものが無かった場合、PROJTOLで定義されたトレランスが用いられ、全ての候補で再検索されます。最後に、それでも穴あけ点を支持する要素が見つからなかった場合、このCSEAM要素に対してエラーが発せられ、プログラムは他のCSEAM要素の処理を続けます。このようにして、4つの穴あけ点とそれらを支持する要素の全てが見つかるか、エラーが発せられます。
GMCHK > 0 の場合(SWLDPRM, GMCHKカードで定義されます)、特定のステップにおいて、様々な形状チェックが実行されます。
GMCHK > 0 かつGSPROJ ≥ 0.0の場合(SWLDPRMカードで定義されます)、プログラムはEIDSAとEIDSBの法線ベクトルの間の角度とEIDEAとEIDEBの法線ベクトルの間の角度をチェックします。角度がGSPROJより大きい場合、このCSEAMに対してエラーが発せられます。GSTOL > 0.0(SWLDPRMカードで定義されます)でGS-SA、GS-SB、GE-EAとGE-EBの距離の1つがGSTOLより大きい場合、エラーが発せられます。これらの基本的なチェックと共に、GMCHK > 0の場合、切り取りのグループと距離のチェックが行われます。
4つの穴あけ点が見つかった後、補助点の位置がシームの幅と共に必要になります。SAを例としてとると、穴あき点の座標、支持する要素EIDSAと溶接の幅Wで、以下のベクトルn × GS-GEが定義可能で、ここでnはEIDSAの法線ベクトルです。SAを通して、2つの点SA1'とSA2'をこのベクトルに沿って定義でき、|SA1'-SA2'| = Wとなります。SA1'とSA2'は最初の補助点と呼ばれます。曲面または折りたたまれたシェルパッチの場合、最初の点はシェルサーフェスにのっていないかも知れません。それ故、第二の投影が最終の補助点を見つけるために必要になります。SA1'を例として取り上げます。最初に、候補の要素のグループが集められる必要があります。これらはEIDSAの周りのシェル要素からなります。SA1'が、投影点を支える最良の候補を見つけるために、各候補に投影されます。ユーザー指定のシェルプロパティで要素がトレランスの有り/無しで見つからなかった場合、異なるシェルプロパティの要素が候補のリストに加えられます。8つ全ての補助点がシェルサーフェス上に投影された後、良い補助点の数がカウントされます。全ての8つの補助点と対応するシェル要素がうまく置かれた場合、このCSEAMの結合の構築は成功です。そうでない場合、GSMOVE > 0であれば、失敗を避けるために、SWLDPRMカードで定義されたGSMOVEが適用されます。
補助点を支持するために用いられる候補のシェル要素を集める際、シェル要素の法線ベクトルと仮想CHEXAの板厚の方向がチェックされます。角度がGSPORJより大きい場合、このシェル要素は候補として考慮されません。EIDSA、EIDSB、EIDEAまたはEIDEBがこのチェックに失敗した場合、警告メッセージが発せられます。曲面または折りたたまれたシェルでは、これに該当するシェル要素がより候補のリストから消去される可能性があり、このため全ての補助点を位置させることに失敗する可能性があります。この問題に対する1つの補償としてGSPORJの値を増加させ、より多くのシェル要素を候補のリストに含ませる方法があります。
図 2.CSEAM要素の結合を構築する多様な投影点。
- CSEAMの結合を構築する際に、8つ全ての補助点は見つからず、GSMOVE > 0の場合、GSまたは / かつGEはW/2まで移動され、失敗を避けるために再投影されます。これらはメッシュ境界付近でしばしば起こります。
図 3.GSとGEの両方がW/2まで正しい投影を見つけるために移動されます。
- PSHELLタイプCSEAMでは、GSまたはGEが折りたたまれているかシェルサーフェスの曲面部分に近い時、複数の選択が可能なために正しく要素を位置させる事に失敗する可能性がより高くなります。このような場合、ELEMタイプを用いて直接投影する要素を指定することが賢い別の方法になり得ます。
- GMCHK > 0の時、CSEAMが切り取りをまたがるか、それぞれのシェルサーフェス上の3シェル要素以上をまたがるかどうかチェックされます。EIDSAとEIDEAを例として取り上げます。
- EIDSA = EIDEAの場合、シームはこのサーフェスの同じ要素上にあります。このケースは受け入れられます。
- EIDSA ≠ EIDEAで、それらが少なくとも1つの共通節点を持つ場合、いくつかのチェックが必要です。
(以下のチェックでは、チェックを支援するためEIDMAと呼ばれる要素が用いられます。EIDMAは、EIDSAとEIDEAが置かれているのと同じシェルサーフェス上に置かれます。これはEIDSAとEIDEAで共有されている共通節点の1つを共有します。複数のEIDMAが可能です。)- EIDSAとEIDEAが1つだけの共通節点を共有し、EIDMAが見つからなかった場合、このケースは拒絶されます。
図 4. - EIDSAとEIDEAが1つだけの共通節点を共有し、少なくとも1つのEIDMAが見つかった場合、フリーエッジの数が数えられます。以下のケースが考慮されます。
図 5.
図 6. 角度のチェック
図 7. 投影のチェック. Mは2つのフリーエッジ端の中間点です。2つのフリーエッジがある場合、フリーエッジ間の角度(α)が計算されます。角度がCNRAGLI(SWLDPRMカードで定義されます)より大きい場合、このケースは受け入れられます。角度がCNRAGLIより小さい場合、中間点MのEIDSA、EIDEA、およびEIDMAへの投影が行われ、投影点が内部にある場合、このケースはなお受け入れられます。そうでなければこれは拒絶されます。
図 8.フリーエッジが無い場合、このケースは受け入れられます。
- EIDSAとEIDEAが2つの共通節点を共有する場合、EIDSAとEIDEAが共通エッジを共有していることを意味します。このケースを受け入れる前に、なお角度または中間点Mの投影をチェックする必要があります。
図 9. 角度のチェック
図 10. 投影のチェック. Mは2つのフリーエッジ端の中間点です。
EIDSAとEIDEAがエッジを共有している場合でも角度(α)をCNRAGLOと比較します。角度がCNRAGLIより大きい場合、このケースは受け入れられます。角度がCNRAGLIより小さい場合、中間点MのEIDSAおよびEIDEAへの投影が行われ、投影点が内部にある場合、このケースはなお受け入れられます。そうでなければこれは拒絶されます。- EIDSA ≠ EIDEAで共通節点が無い場合、それらの周囲の要素のチェックが必要で、これらの要素がEIDSAとEIDEAに結合しているかをチェックする必要があります。
(以下のチェックでは、EIDMAがEIDSAとEIDEAとそれぞれ少なくとも1つの共通節点を持つ要素として再定義されます。)- EIDMAが無い場合、これは現在のシェルサーフェス上でCSEAM要素が3要素以上をまたいでいることを意味し、そしてこのケースは拒絶されます。
図 11.このケースは拒絶されます。
- 3つのEIDMAがあり、EIDSAとEIDEAの両方とエッジを共有する場合、このケースは受け入れられます。
図 12. - 2つのEIDMAがあり、EIDSAとEIDEAの両方とエッジを共有する場合、2つのEIDMAが共通エッジを共有するかどうかチェックする必要があります。2つのEIDMAが共通エッジを持たない場合は切り欠きがあり、このケースは拒絶されます。
図 13.2つのEIDMAが共通エッジを持たない場合は切り欠きがあり、このケースは拒絶されます。
図 14.2つのEIDMAが共通エッジを共有する場合、このケースは受け入れられます。
2つのEIDMAがEIDSAとEIDEAの両方と共有エッジを持つ2つの異なるケース。
- EIDSAとEIDEAの両方と共通エッジを持つ1つのEIDMAだけがある場合。以下の図に示されたチェックが実装される必要があります。
図 15.点Mは2つの穴あけ点、つまりSAとEAの平均です。点MからEIDMAへの投影がこの要素内に落ちる場合、このケースは受け入れられます、そうでない場合は拒絶されます。
- EIDSAとエッジを共有し、EIDEAとコーナーを共有する(またはEIDSAとコーナーを共有し、EIDEAとエッジを共有する)EIDMAが1つだけある場合、最後のケースと同じチェックが実装され提供されます。
図 16. - 点MからEIDMAへの投影がこの要素内に落ちる場合、このケースは受け入れられます、そうでない場合は拒絶されます。
- 2つのEIDMAがあり、それぞれがEIDSAまたはEIDEAと1つのエッジを共有し、1つのコーナーをEIDEAまたはEIDSAと共有する場合、このケースは受け入れられます。
図 17. - 1つのEIDMAのみがあり、EIDSAまたはEIDEAとのコーナーの共通節点のみを持ち共通エッジの無い場合、このケースは拒絶されます。
図 18.これらの2つのケースは拒絶されます。右側のものは、サーフェス上に切り欠きは無いものの、CSEAMによりEIDMAが完全に拘束されていません(2つのコーナーのみが拘束されています)。それ故、このケースはなお拒絶されます。
EIDSBとEIDEBで、同じ切り欠きチェックが適用されます。
ここにある全ての/距離のチェックが導入されても、なお100%のケースをカバーできるわけではありませんが、シーム溶接の非現実的なモデリングを引き起こす悪いケースの大部分にスポットを当てることができます。それ故、最初の回ではシーム溶接モデルをテストするために、切り欠き / 距離チェック(GMCHK > 0)をオンにすること推奨します。全ての可能な問題が解決された後で、最終の実行を開始させます。
- GMCHK > 0の時のCSEAMがそれぞれのシェルサーフェスのコーナーをまたがっていないかどうかのチェック。EIDSAとEIDEAを例として取り上げます。2つの要素の法線ベクトルの間の角度は図 19に示す様にCNRAGLOの値(SWLDPRMカードで定義されます)より大きくするべきではありません。同じチェックがEIDSBとEIDEBに適用されます。これは1つのCSEAMが非常に曲がったシェル形状をまたがって生成されることを防ぎます。
図 19.α > CNRAGLOの場合、このCSEAM要素は拒絶されます。
- 検索および投影パラメータの診断出力、チェックアウト実行、および非デフォルト設定は、SWLDPRMバルクデータエントリで要求します。
- 仮想のCHEXAはSWLDPRMカードのSHOWAUX = 1の設定により可視化できます。仮想のCHEXAと対応する結果出力をH3Dファイルに持つには、SHOWAUX = 1の設定が必要です。
- デフォルトの設定で開始し、GMCHK=1または2の設定により完全な形状チェックをオンにする事を推奨します。完全な形状チェックでは、合理的でない投影を引き起こすほとんどの想定していないケースにスポットを当てることができます。診断出力のスイッチ、つまりPRTSWがオンになった場合、それぞれのCSEAM要素の結合の詳細が.outファイルに出力されます。様々な形状データのまとめもCSEAM 要素がプログラムを通過した後で出力されます。これらはシーム溶接モデルのデバッグに非常に有用です。
- 熱伝導解析において、シーム溶接要素は無視されます。