MATX70
バルクデータエントリ 陽解法動解析用に集計された粘弾性発泡体材料の追加材料特性を定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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MATX70 | MID | EMAX | EPSMAX | FSMOOTH | FCUT | NLOAD | NULOAD | IFLAG | |
SHAPE | HYS |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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TIDL | EPSRL | FSCALL |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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TIDU | EPSRU | FSCALU | |||||||
SHAPE | HYS |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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MATX1 | 170 | 0.1 | 0.1 | 9.9E-07 | |||||
MAT70 | 170 | 1.0 | 0.8 | 1 | 4 | ||||
2 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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MID | 関連付けられているMAT1の材料ID。 1 デフォルトなし(整数 > 0) |
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EMAX | 最大ヤング率。 (実数 > 0) |
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EPSMAX | 最大塑性(破壊)ひずみ。 (実数 > 0) |
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FSMOOTH | ひずみ速度スムージングフラグ。
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FCUT | ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。 デフォルト = 1.E30(実数 ≥ 0) |
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NLOAD | 載荷の応力-ひずみ関数の数。 デフォルト = 1(整数 ≥ 1) |
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NULOAD | 除荷の応力-ひずみ関数の数。このカードのIFLAGが1、2、3、または4の場合、NULOADは0にする必要があります。 デフォルト = 1(IFLAG = 0の場合) デフォルト = 0(IFLAG = 1、2、3、4の場合) (整数 > 0) |
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IFLAG | 載荷 / 除荷の挙動を制御するフラグ。 5
(整数) |
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SHAPE | 形状係数。 デフォルト = 1.0(実数) |
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HYS | ヒステリシス除荷係数。 デフォルト = 1.0(実数) |
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TIDL | 載荷関数を定義するTABLES1エントリの識別番号。 (整数 > 0) |
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EPSRL | 載荷関数のひずみ速度。 デフォルト = 0.0(実数) |
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FSCALL | 載荷関数のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
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TIDU | 除荷関数を定義するTABLES1エントリの識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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EPSRU | 除荷関数のひずみ速度。 デフォルト = 0.0(実数) |
|
FSCALU | 除荷関数のスケールファクタ。 デフォルト = 1.0(実数) |
コメント
- 材料識別番号は、既存のMAT1バルクデータエントリの材料識別番号である必要があります。特定のMAT1には、MATXi材料拡張を1つだけ関連付けることができます。
- MATX70は、ANALYSIS=EXPDYNで定義される陽解法動解析サブケースでのみ適用されます。他のすべてのサブケースでは無視されます。
- この材料則は、ソリッド要素と一緒にのみ使用できます。対応するPSOLIDXプロパティでは、ISOLID = 1(Belytschko要素)、ISMSTR = 1(微小ひずみ)、およびIFRAME = OFF(共回転ではない)と定義する必要があります。
- 載荷と除荷の関数は工学応力-ひずみ曲線を用います。
図 1. 載荷と除荷の応力-ひずみ曲線 - 載荷および除荷の挙動はIFLAGによって決定します。
- IFLAG = 0 - 材料挙動は、載荷および除荷の定義曲線に従います。NLOADとNULOADは0より大きい必要があります。
- IFLAG = 1 - 載荷曲線と除荷曲線の両方がそれぞれ使用されます。除荷の場合、次の式によって表される準-静的除荷曲線を使用して、偏差応力が変更されます。
(1) ここで、 は準-静的除荷曲線から計算されます。
は、それぞれ、除荷曲線と準-静的曲線から計算された現在の応力です。
圧力は、次のように計算されます:(2) - IFLAG = 2 - 載荷曲線と除荷曲線の両方がそれぞれ使用されます。除荷に対しては、応力テンソルは準-静的除荷曲線
= (1 - D)
を用いて応力テンソルが修正されます。ここで、 Dは準-静的除荷曲線に関して計算されます。
は、それぞれ、除荷曲線と準-静的曲線から計算された現在の応力です。
- IFLAG = 3 - 載荷および除荷の挙動の両方で、載荷曲線が使用されます。除荷曲線は無視されます。次の式を使用して偏差除荷応力が変更されます:
(3) (4) ここで、WcurおよびWmaxは、それぞれ現在のエネルギーおよび最大エネルギーです。
- IFLAG = 4 - 載荷および除荷の挙動の両方で、載荷曲線が使用されます。除荷曲線は無視されます。除荷応力テンソルは、以下を使用して変更されます。
(5) ここで、WcurおよびWmax は、それぞれ現在のエネルギーおよび最大エネルギーです。
- IFLAG = 3または4の場合、除荷曲線は使用されません。
- 最後の載荷関数を超える応力の場合、その挙動は最後の2つの載荷関数を使用して外挿されます。巨大な応力値を回避するためには、最後の載荷関数を繰り返すことをお勧めします。
- 最大塑性ひずみEPSMAXに達した時、どのような曲線定義でもEMAXが用いられます。
- EMAXが空白の場合、EMAXはMAT1カードのヤング率に等しくなります。
- EPSMAXが空白の場合、EMAXが入力の応力-ひずみ曲線の最大接線勾配より小さければ、自動的に計算されます。
- MAT1カードのヤング率Eが、入力の応力-ひずみ曲線の最初の接線よりも小さい場合には自動的に修正されます。
- HyperMeshでは、このカードは材料として表されます。