NLPARM
バルクデータエントリ 非線形静解析、非線形過渡解析、および非線形熱伝導解析のソリューションコントロール用のパラメータを定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NLPARM | ID | NINC | DT | MAXITER | CONV | ||||
EPSU | EPSP | EPSW | MAXLS | LSTOL | |||||
TTERM |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NLPARM | 99 | 5 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
ID | それぞれのNLPARMバルクデータカードには固有のIDが必要です。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
NINC | 陰解法荷重のサブ増分の回数。 2 デフォルト = 1(ANALYSISがNLSTATの場合とNLHEATの場合、増分なし) (整数 > 0) |
|
DT | 初期荷重増分。 4 デフォルトなし(実数 ≥ 0.0) |
|
MAXITER | それぞれの荷重増分における陰解法の反復計算回数の制限。(ANALYSISがNLSTATの場合とNLHEATの場合)。 6 デフォルト = 25 (整数 > 0) |
|
CONV | 陰解法収束基準フラグ。 3 デフォルト = UPW(ANALYSIS = NLSTATの場合) (U、P、Wの任意の組み合わせ) |
|
EPSU | 変位(U)の基準に関する許容誤差。 3 デフォルト = 1.0E-3 (実数 > 0.0) |
|
EPSP | 荷重(P)の基準に関する許容誤差。 3 デフォルト = 1.0E-3 (実数 > 0.0) |
|
EPSW | 仕事(W)の基準に関する許容誤差。 3 デフォルト = 1.0E-7 (実数 > 0.0) |
|
MAXLS | MAXLSを正の整数値に設定すると、ライン検索の手法がアクティブになります。MAXLSは、微小変位非線形静解析(NLSTAT)での反復ごとに許可されるライン探索の最大数を指定します。 7 デフォルト = 0(整数 > 0) |
|
LSTOL | ライン検索のトレランス。 デフォルト = 1.0E-3(実数 > 0.0) |
|
TTERM | 終了時間。 4 5 デフォルト = 1.0 (実数 > 0.0) |
コメント
- NLPARMバルクデータエントリは、サブケース情報コマンドNLPARM=optionによって選択されます。非線形解析を実行したいサブケースごとにNLPARMコマンドが必要です。
- 非線形静解析(ANALYSIS = NLSTAT)の解法は完全ニュートン法です。剛性マトリックスは、反復計算ごとに更新されます。NINC > 0は、指定されたサブケース内の全荷重を等しく分割する分割数を表します。NINCが空白の場合、指定されたサブケースの全荷重が一度に適用されます。最後の荷重に到達するまで、連続する荷重レベルに対してニュートン法が適用されます。
- 精度を上げるために、3つすべての収束基準がデフォルトとして設定されます。いずれかの収束基準が除外された場合は、結果の精度が変わる可能性があります。収束基準の詳細については、非線形収束基準をご参照ください。
- DTフィールドとTTERMフィールドは、非線形静解析用の荷重曲線を定義するための代替手段(NINCの代わり)を許可します。とTTERMをともに指定した場合は、これがNINCフィールドで定義された値より優先されます。DLOADサブケース情報エントリは、NLSTATサブケースでTLOAD1バルクデータエントリを参照するために使用できます。これにより、TLOAD1エントリ上のTIDフィールドを使用した、ユーザー定義の荷重曲線の指定が可能になります。TIDフィールドは、EXCITEIDフィールドで指定されている荷重をスケーリングする、時間(X)と荷重スケールファクター(Y)の関係を参照します。DTが指定されていない場合、デフォルトの初期荷重増分はTTERM/NINCと等しくなります。DT、TTERM、およびNINCが指定されていない場合、デフォルトの初期荷重増分は0.1(つまり、1.0/10)と等しくなります。
- NLPARMのTTERMは、サブケース時間(総時間ではなく)に基づいて入力されます。例えば、複数のサブケースセットアップで、サブケース3が2.0から始まり、これを3.0に終了させたい場合は、サブケース3のTTERMを1.0に設定します(サブケース時間に基づくため)。
- MAXITERは以下でサポートされます:
- 大変位非線形解析(NLSTAT、DTRAN非線形)
- PARAM,EXPERTNL,NOを指定した微小変位非線形解析(NLSTAT、DTRAN非線形)
- 非線形熱伝導解析(NLHEAT、定常状態と過渡状態の両方)
上記の(b)と(c)では、反復回数がMAXITERに達すると実行が終了しますが、(a)では終了しません。(a)では、MAXITERが考慮され、特定の荷重増分で反復回数がMAXITERに制限されます。
PARAM,EXPERTNL,AUTO/YESを指定した微小変位非線形解析(NLSTAT, DTRAN非線形)では、反復回数がMAXITERに達してもEXPERTNLによる解析を継続できます。
- MAXLS=0の場合、微小変位非線形静解析(NLSTAT)用の“エキスパートシステム”によってもライン探索をアクティブにできます。詳細については、PARAM, LSNLEXPをご参照ください。
- PARAM,EXPERTNL,AUTO/YESと他の非線形コントロールとの相互作用の詳細については、ユーザーズガイドの非線形静解析をご参照ください。
- その他の収束基準はNLADAPTバルクエントリを介して定義されます。NLPARMバルクデータからの基準に加えて、このような収束基準(NLADAPT,ERRINF,MAXなど)を満たす必要があります。
- HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。