MATX38

幾何学的非線形解析用の粘弾性発泡体材料(表形式)の追加材料特性を定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
MATX36 MID E0 NUT NUC RNU IFLAG ITOTA    
  BETA H RD KR KD THETA      
  KAIR NP FSCALEP            
  P0 RP PMAX PHI          
  TIDUN   FSCAUN EPSUN A B      
      CUTOFF IINSTA          
  EFINAL EPSFIN LAMBDA VISC TOL        
  TIDL1 TIDU1 FSCA1 EPSR1          
  同様 同様 同様            
  TIDLi TIDUi FSCAi EPSRi          

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
MAT1 102 60.4   0.33 2.70E-06        
MATX38 102                
  1.0-30 1.0 0.5     0.67      
      1.0            
                   
                   
                   
                   
  4   1.0 0.0          

定義

フィールド 内容 SI単位の例
MID 関連付けられているMAT1バルクデータエントリの材料識別子。 1

デフォルトなし(整数 > 0)

 
E0 最小引張弾性率(インターフェースおよび時間ステップの計算に使用されます)。

デフォルトなし(実数 > 0)

 
NUT 張力の最大ポアソン比

デフォルト = 10-30(実数 > 0)

 
NUC 圧縮の最大ポアソン比

デフォルトなし(実数 > 0)

 
RNU ポアソン比計算の指数

デフォルトなし(実数 > 0)

 
IFLAG 解析定式化タイプのフラグ
= 0(デフォルト)
粘弾性発泡体材料に相当します - 粘弾性は主応力方向ごとに計算されます。
= 1
挙動は、Hookの関係式に従って、引張、圧縮共に線形です。 7

(整数)

 
ITOTA 増分定式化フラグ
Total: 0または1
= 0
引張の挙動は線形になります。
= 1
引張の挙動を応力曲線から読み取ります。
Incremental: 2または3
= 2
引張の挙動は線形になります。
= 3
引張の挙動を応力曲線から読み取ります。

デフォルト = 0(整数)

 
BETA 除荷の緩和速度

デフォルト = 10-30(実数)

 
H 除荷のヒステリシス係数

デフォルト = 1.0(実数)

 
RD ひずみ速度の減衰係数

デフォルト = 0.5(実数)

 
KR ヒステリシスのための除荷時リカバリーモデルフラグ。
= 0(デフォルト)
除荷時の応力リカバリーなし
= 1
除荷時の応力リカバリーあり

(整数)

 
KD 減衰モデルフラグ、ヒステリシスタイプ
= 0(デフォルト)
載荷時および除荷時の減衰がアクティブになります。
= 1
減衰は載荷時にのみアクティブになります。
= 2
減衰は除荷時にのみアクティブになります。

(整数)

 
THETA 瞬間モジュール更新の積分係数

デフォルト = 0.67(実数)

 
KAIR 空気量計算フラグ
= 0(デフォルト)
含有空気量はありません。
= 1
含有空気量計算アクティブ。 9
= 2
静水圧曲線を読み取ります(NPによって定義される番号)。純圧縮と静水圧の間が考慮されます。

(整数)

 
NP 圧力曲線番号(圧力と相対体積の関係)。

デフォルト値なし(整数)

 
FSCALEP 圧力曲線スケールファクター

デフォルトなし(実数)

 
P0 大気圧

デフォルトなし(実数)

 
RP 圧力の緩和速度

デフォルト = 10-30(実数 > 0)

 
PMAX 最大気圧

デフォルト = 1030(実数 > 0)

 
PHI 空隙率(フォーム密度 / ポリマー密度)

デフォルトなし(実数)

 
TIDUN 除荷降伏応力と塑性ひずみの関係を表す、EPSRUNに対応する曲線“i”を定義するTABLES1の識別番号。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
FSCAUN 除荷関数スケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

 
EPSUN 除荷ひずみ速度(EPSR1より大きくする必要がある)

(実数)

 
A 応力補間の指数

デフォルト = 1.0(実数)

 
B 応力補間の指数

デフォルト = 1.0(実数)

 
CUTOFF 張力カットオフ応力。

デフォルト = 1030(実数 > 0)

 
IINSTA 材料不安定性制御フラグ
= 0(デフォルト)
材料の不安定性制御なし
= 1
材料の不安定性制御あり

(整数)

 
EFINAL 最大張力率

デフォルト = E0(実数)

 
EPSFIN 最終率におけるひずみの絶対値

デフォルト = 1.0(実数)

 
LAMBDA 率補間係数

デフォルト = 1.0(実数)

 
VISC 最大粘性。 15

デフォルト = 1030(実数)

 
TOL 主方向更新時のトレランス

デフォルト = 1.0(実数)

 
TIDLi 載荷降伏応力と塑性ひずみの関係を表す、EPSRiに対応する曲線“i”を定義するTABLES1バルクデータエントリの識別番号。それぞれのひずみ速度に対して個別の関数を定義する必要があります。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
TIDUi 除荷降伏応力と塑性ひずみの関係を表す、EPSRiに対応する曲線“i”を定義するTABLES1バルクデータエントリの識別番号。それぞれのひずみ速度に対して個別の関数を定義する必要があります。
除荷関数TIDUiは、除荷曲線TIDUNが定義されていない場合にのみ使用されます。
= 0
TIDL1曲線が対応する除荷プロセスに使用されます。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
FSCAi TIDLiTIDUiのスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
EPSRi TIDLiTIDUiのひずみ速度。
注: EPSRiはコメントでは ε ˙ i と呼ばれます。

(実数)

 

コメント

  1. 材料識別番号は、既存のMAT1バルクデータエントリの材料識別番号である必要があります。特定のMAT1には、MATXi材料拡張を1つだけ関連付けることができます。
  2. MATX38は、ANALYSIS=EXPDYNで定義される幾何学的非線形解析サブケースでのみ適用されます。他のすべてのサブケースでは無視されます。
  3. 公称応力は、次の入力関数からの補間によって計算されます: (1)
    σ = f ( ε , ε ˙ )
    は、 ε の場合に、1つ上と1つ下のひずみ速度を取得可能な関数の2つの値を読み取ります。


    図 1. 2つのひずみ速度曲線(最大5つまで入力可能)
    補間関数は次のように定義されます:(2)
    σ = σ 2 + ( σ 1 σ 2 ) ( 1 ( ε ˙ ε ˙ 1 ε ˙ 2 ε ˙ 1 ) A ) B

    ここで、 ε ε 、および σ 入力は圧縮時に正で、 ε ˙ 1 ESPRiひずみ速度データを表します。

    パラメータABは、各インターバルにおける補間関数の形状を定義します。A = B = 1の場合、補間は線形になります。

    この曲線は、常に、公称応力と工学ひずみの関係を表します。

  4. E0が定義されていない場合は、代わりに、MAT1カード上のEが使用されます。NUCが空でない場合は、代わりに、MAT1カード上のNUが使用されます。
  5. ひずみは圧縮時には負です。引張応力は負でも正でもかまいません。この材料則では、絶対応力値が使用されます。
  6. 主公称応力の“連成”セットは、異方性ポアソン比を使って計算されます:(3)
    ν ij = ν c + ( ν t ν c ) ( 1 exp ( R ν | ε ij | ) )
    (引張( ε ij 0 )時)、 υ ij = υ c (圧縮時)。
    ここで、(4)
    ε ij = ( ε i + ε j ) 2

    ここで、 ε ij 0 です。

  7. IFLAG = 1: 圧縮では、ヤング率E0とポアソン比NUCが使用されます。一方、引張では、即時ヤング率ETが使用されます。その他のデータは無視されます(特に、粘性効果は期待できません)。
  8. ヒステリシスは、次の関係式を使用する圧縮時にのみ適用されます:(5)
    σ = σ H min ( 1 , ( 1 e β ε ( t ) ) )
  9. KAIR = 1のとき:
    NP ≠ 0ならば、(6)
    P air = Fscal e p f ( V V 0 )

    ここで、 f は関数番号NPを表します。

    NP = 0ならば、(7)
    P air = P 0 ( 1 V V 0 ) ( V V 0 Φ )
    緩和は次のように適用されます: (8)
    P air = Min ( P air , P max ) exp ( R p t )

    ここで、 R p は圧力の緩和速度、 t は時間です。

  10. 除荷時に除荷曲線が定義されていない(TIDUN=空白)場合は、TIDUiが使用されます。TIDUNTIDUiの両方が定義されていない場合は、 σ が荷重曲線1(TIDL1)から計算されます。
  11. 除荷曲線(TIDUN/TIDUi)が定義されている場合は、 σ が曲線1(TIDUL1)と曲線TIDUNの間で補間されます。この場合、曲線1(TIDUL1)が準静的状態に対応している必要があります。
  12. TIDUN > 0で、除荷ひずみ速度が準静的曲線1(TIDUL1)と一致する場合は、TIDUN曲線が除荷に使用されます。
  13. E0 < E < EFINAL

    EFINALは、最大圧縮率に対応するひずみの絶対値です。

  14. 即時弾性率は引張のみで使用されます。
  15. V I S C が入力の場合は、時間ステップを広げるために、補間される応力がこの値で制限されます: (9)
    σ σ 1 + Visc ( ε ˙ ε ˙ 1 )
  16. この挙動は、参照されるひずみ速度( ε )がEPSR1で指定されたひずみ速度( ε ˙ 1 )を下回ったときに応力関数補間が実行される場合にはひずみ速度に対して独立であり、ひずみ速度独立は ε ˙ 1 < ε ˙ ε ˙ 1 の場合に発生します。
  17. HyperMeshでは、このカードは材料として表されます。