CNTSTB
バルクデータエントリ 接触(S2SとN2S)およびギャップ要素(CGAP/CGAPG)の安定化制御のためのパラメータを定義します。このエントリは、微小変位ケースと大変位ケースの両方について、非線形静解析と非線形過渡解析のタイプでサポートされています。
CNTSTBバルクデータエントリは、特定のサブケースで適用されるCNTSTBサブケース情報エントリによって参照される必要があります。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CNTSTB | ID | APSTB | LMTGAP | S0 | S1 | ||||
SCALE | TFRAC |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CNTINT | CTID | APSTB | LMTGAP | SO | S1 | ||||
SCALE | TFRAC |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GAPINT | PID | APSTB | LMTGAP | SO | S1 | ||||
SCALE | TFRAC |
CNTINTとGAPINTの継続行は、同一のCNTSTBカード内に共存できます。CTIDとPIDは、同一のCNTSTBカード内でまったく同じであってもかまいません。
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CNTSTB | 99 | NO | |||||||
CNTINT | 51 | YES | |||||||
0.01 | |||||||||
CNTINT | 52 | YES | |||||||
10.0 | 0.01 | ||||||||
GAPINT | 52 | YES | |||||||
1.0E4 | 0.25 | ||||||||
GAPINT | 58 | YES | 1.0 | 0.001 | |||||
1.0E4 | 0.05 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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ID | それぞれのCNTSTBバルクデータエントリには固有の識別番号が必要です。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
APSTB | 接触の安定化がアクティブ化されるかどうかを示すヘッドフラグ。
注: APSTBがNOに設定されている場合は、APSTBの後ろのすべてのフィールドを空白にする必要があります。
|
|
LMTGAP | 安定化に対する接触開口しきい値。接触開口がこの値以上になると、安定化はゼロになります。
GAPINT継続行のデフォルトはありません。GAPINT継続行が指定されている場合は、LMTGAPフィールドの値を指定する必要があります。 (実数 > 0.0 – 指定されたしきい値が使用されます) |
|
S0 | サブケース開始時の安定化係数のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数 ≥ 0.0) |
|
S1 | サブケース終了時の安定化係数のスケールファクター。 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0.0) |
|
SCALE | 安定化係数のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数 ≥ 0.0) |
|
TFRAC | 法線方向の安定度に関して接線方向の安定度をスケーリングするための係数。 デフォルト = 0.1(実数 ≥ 0.0) |
|
CNTINT | 特定の接触インターフェース(CTID)のための別の安定化パラメータセットを指定するために使用される継続行の開始を定義します(このパラメータセットは上記で定義されたパラメータセットより優先されます)。これは必要に応じて反復できます。 | |
CTID | 接触面識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
GAPINT | 特定のCGAP/CGAPG要素(PID)のための別の安定化パラメータセットを指定するために使用される継続行の開始を定義します(このパラメータセットは上記で定義されたパラメータセットより優先されます)。これは必要に応じて反復できます。 | |
PID | ギャッププロパティの識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
コメント
- CNTSTBバルクデータエントリは、CNTSTBサブケース情報エントリによって選択されます。
- APSTBがYESの場合は、法線方向接触安定化剛性
は次のように計算されます。
(1) ここで、- 接触安定化のための基準剛性。
- 時間依存のスケールファクター。
サブケース内の時刻 については、 は次の式で計算されます。(2) ここで、- サブケース開始時の時刻。
- サブケース終了時の時刻。
は、 と を使用して、 という式で計算されます。
- APSTBがYESの場合は、接線方向接触安定化剛性
は次のように計算されます。
(3) - さまざまな接触タイプについてPARAM,EXPERTNL,CNTSTBと組み合わせたデフォルトと優先度情報は次のとおりです。
表 1. 接触の安定化. 安定化はFREEZE接触やTIE接触には適用できません。 LGDISPまたは(LGDISP+SMDISP)g SMDISP N2S b/S2S CGAP/CGAPG N2S c (CGAPGコア)
S2S CGAP/CGAPG PARAM,EXPERTNL,CNTSTB 減衰d 人工スプリングe 人工スプリングe 減衰d 人工スプリングe CNTSTB(優先度a) (サブケースエントリによって参照されるバルクカード)
減衰 (‘CNTINT’またはCNTSTBバルクカードの先頭行)
減衰f (‘GAPINT’)
減衰 (‘CNTINT’またはCNTSTBバルクカードの先頭行)
減衰 (‘CNTINT’またはCNTSTBバルクカードの先頭行)
減衰f (‘GAPINT’)
- CNTSTBサブケース / バルクデータペアとPARAM,EXPERTNL,CNTSTBの両方が同じサブケース内で設定されている場合は、CNTSTBサブケース / バルクデータペアが優先されます。他のサブケースについては、PARAMを使用した安定化が有効です。
- デックファイル内にLGDISPサブケースがある場合、N2S接触は内部生成された接触(CGAPGとは異なる)に変換され、N2S接触の安定化はこのカテゴリで実行されます。
- N2S接触が定義されており、デックファイルでLGDISPサブケースが定義されていない場合は、CGAPGコアN2Sが生成されます。N2S接触の安定化はこのカテゴリで実行されます。
- この場合、PARAMによってアクティブ化された安定化は、CNTSTBバルクデータエントリのデフォルト設定によってアクティブ化された安定化と一致しています。
- 人工スプリング剛性は次の式によって求められます:
(4) ここで、- ギャップ要素を安定化するために使用される人工スプリング剛性。
- 基準ギャップ剛性。通常これは周辺要素の剛性を表します。
- グローバル解析時間。
- このカードの先頭行で定義されたデータは、CGAP/CGAPG要素には適用されません。これらの要素に減衰安定化を適用するには、GAPINTフラグが含まれた継続行を定義し、参照する必要があります。
- SMDISP+LGDISPは、同じモデルにSMDISPサブケースとLGDISPサブケースの両方が含まれるモデルを示します。
- 接触安定化は、開いた状態から閉じた状態へ、および閉じた状態から開いた状態への移行を遅らせる可能性のある人工エネルギーを生じさせるため、注意して使用する必要があります。
- HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。