PSOLID

バルクデータエントリ CHEXACPENTACPYRA、およびCTETRAバルクデータエントリによって参照される、ソリッド要素のプロパティを定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PSOLID PID MID CORDM     ISOP FCTN    
  EXPLICIT         ISOPE HGID HGHOR  

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PSOLID 2 100           1  
  EXPLICIT         AURI 2 ENHANCED  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
PID 固有のソリッド要素プロパティ識別。
整数
このプロパティの識別番号を指定します。
<文字列>
このプロパティのユーザー定義の文字列ラベルを指定します。 2

デフォルトなし(整数 > 0、または<文字列>)

 
MID MAT1MAT4MAT5MAT9MAT9ORMAT10MATHEMATUSRMATUSHTまたはMATPE1バルクデータエントリの識別。
整数
材料識別番号を指定します。
<文字列>
ユーザー定義の材料識別文字列を指定します。 2

デフォルトなし(整数 > 0、または<文字列>)

 
CORDM 材料座標系のMID
0(デフォルト)
基準座標系。

(整数 ≥ -1)

 
ISOP 弾塑性陰的非線形静解析(微小変位と大変位の両方)用の特別な定式化 / 積分スキーム。 1 2
FULL
線形アプリケーション用と同じ積分スキームを使用した完全積分。
MODPLAST(デフォルト)
塑性流動の非圧縮性による体積ロッキングを回避するように設計された、圧力近似の特殊な処理を使用します。要素のタイプと順序によって具体的な内容が異なります。
REDPLAST
圧力近似の特殊な処理に加えて、2次六面体および五面体要素と、8節点六面体要素に対して低減積分を使用します(低減積分は、さまざまな誤ったモードを生成する可能性があるため、他の要素タイプでの使用は現実的ではありません)。
INT0
結果の評価を向上させるために、積分点は1次および2次の両方のソリッド要素のサーフェス上に配置されます。
線形および非線形(微小変位および大変位)解析がサポートされています。また、このオプションのモデルでは、STRESS(GAUSS) = YESエントリを指定する必要があります。
空白

(文字)

 
FCTN 流体要素フラグ。
SMECH(デフォルト)
構造要素を示します。
PFLUID
流体要素を示します。MIDMAT10エントリを参照する必要があります。
PORO
多孔質弾性材料を示します。MIDで多孔質弾性材料エントリが参照される必要があります。
 
EXPLICIT 陽解法動解析のパラメータが次に続くことを示すフラグ。  
ISOPE 陽解法動解析の積分スキーム(Integration Scheme)を定義します。
FULL
8節点のCHEXA要素では、完全積分。要素定式化は、固定の2x2x2のガウス積分点とせん断ロッキングフリーの非適合モードに基づきます。
SRI
陽解法解析の8節点のCHEXA要素および6節点のCPENTA要素では選択的低減積分。偏差項に対しては完全積分、バルク項に対しては1点積分。
URI
陽解法解析の8節点のCHEXA要素では均一低減積分。1点積分が使用されます。
AURI
陽解法解析の8節点のCHEXA要素では平均均一低減積分。Bマトリックスは、要素全体にわたる体積平均です。
AVE
節点圧力平均化定式化。 10

デフォルト:

陽解法解析の8節点のCHEXA要素ではAURI

陽解法解析の4節点のCTETRA要素ではAVE

7 8

 
HGID アワグラス制御の識別番号(HOURGLS)のバルクデータエントリ。 9

デフォルト値はありません。

 
HGHOR 陽解析において10節点のCTETRA要素の要素定式化を指定します。
ENHANCED(デフォルト)
安定計算のための時間ステップサイズを大きくして、通常の4節点のCTETRA要素と同様の時間ステップサイズとします。
REGULAR
改良された時間ステップサイズ設定を無効にし、安定計算のための時間ステップサイズは小さくなります。
 

コメント

  1. 特殊な積分フラグのMODPLASTREDPLASTは、非線形準-静的サブケースの弾塑性材料(MATS1が存在するかどうかで識別される)にのみ影響を与えます。線形解析では要素挙動に影響を与えません。
  2. 文字列によるラベルを使用すると、他のカードで参照する際などに、プロパティを識別しやすくなります(たとえば、要素のPIDフィールド)。詳細については、Bulk Data Input File内の文字列ラベルベースの入力ファイルをご参照ください。
  3. ISOPフィールドのFULLオプションは安定した収束結果をもたらしますが、塑性変形が大きい場合は挙動が“固くなり”、収束に時間がかかる場合があります。MODPLASTは体積圧力項に対して特殊な処理を使用し、これによって誤ったモードにつながりかねない過度な柔軟性を回避しながら、塑性流動の解決を可能にします。REDPLASTはロッキング傾向の解除を促進し、通常“最も柔らかい”挙動を追加します。理論上,単一の未結合要素の場合意図しない変形モードを呈すことがありますが、実際にはこのようなモードは要素数が増加することにより消散します。
  4. 応力は材料座標系で計算されます。材料座標系は、基準座標系(CORDM = 0)、定義座標系(CORDM = 整数 > 0)、または要素座標系(CORDM = -1)として定義できます。要素ごとの材料座標系の定義方法については、CHEXACPENTACPYRA、およびCTETRAをご参照ください。
  5. MIDによって参照される材料がMAT9材料定義の場合は、CORDMMAT9エントリ上のGij用の材料座標系を定義します。
  6. MIDMATHEバルクデータエントリが参照されている場合は、PIDおよびMIDフィールドのみが使用されます。残りのフィールドは使用されません。
  7. SRIでは、誤ったゼロエネルギーモードが発生しません。ただし、一般的には剛性が高すぎると見なされ、せん断ロッキングを示すことがあります。ある要素の寸法が他の要素に比べて著しく小さいために縦横比が不十分な場合、特に不利になります。8節点のCHEXA要素の場合、URIAURIに比べ、SRIでは演算負荷が高くなります。したがって、SRIを多用すると実行時間がきわめて長くなることがあります。現在のところ、陽解法解析の6節点のCPENTA要素ではSRIのみを選択できます。
  8. 陽解法解析で8節点のCHEXA要素に対してURIまたはAURIを選択すると、誤ったゼロエネルギーモードを回避するためにアワグラス制御が必要になります。
  9. MAT1/MATS1材料を使用したソリッド要素に対しては、2種類のアワグラス制御が用意されています。Type 1(Flanagan-Belytschko、1981)では、粘性減衰による望ましくないアワグラスモードの発生を防止できます。Type 2(Puso、2000)では、拡張した想定ひずみ物理的安定化を使用し、粗いメッシュ精度を提供して高い演算効率を実現します。1次CHEXA要素のMAT1/MATS1材料に対しては、Type 2がデフォルトのアワグラスタイプとして選択されます。タイプ1とタイプ2のアワグラス制御の実装はよく似ていますが、アワグラス力の計算方法は異なります。タイプ1と比べて、タイプ2は計算量が多い反面、アワグラスモードを排除する性能が優れています。Type 2の唯一の制限事項は、大きな塑性変形を伴う曲げ問題で、剛性が過剰に高い応答が得られることがある点です。MATHEエントリでは、Type 4(Reese、2005)がデフォルトのアワグラス制御です。Type 2もMATHEエントリで使用できます。ソリッド要素(ISOPEURIまたはAURI)の低減積分ではアワグラス制御がデフォルトでオンになりますが、HOURGLSバルクエントリまたはPARAM,HOURGLSを使用すると、このデフォルトを無効にすることができます。
  10. 陽解法解析の場合、節点圧力平均化された4節点のCTETRA要素は、通常の4節点のCTETRA要素ほど剛性が高くありません。これにより、体積ロッキングを回避することができます。
  11. このカードは、HyperMesh内のプロパティとして表現されます。