RELOC

バルクデータエントリ パート(要素や節点など)をある位置から別の位置へ幾何学的にマップします。このエントリでは、マッピングをMOVE(平行移動)、ROTATEMIRROR、またはMATCH(あるグループの節点を別のグループの同様の節点と一致させる任意の変換)として定義します。

各変換は、GRID(節点)と距離および角度を表す数値(実数)の組み合わせによって定義できます。節点IDフィールドは、数値(正の整数)または完全修飾参照のどちらかとして、モデル内の節点に入力できます。数値参照(パート名なし)は、グローバルパート内の節点を指定します。

フォーマット

このエントリのフォーマットは、TYPEフィールド(フィールド3)の文字列入力の内容に応じて異なります。さまざまなバージョンのリストを以下に示します。
注:dydzang_xang_y、およびang_zフィールドには、実数を指定する必要があります(これらのフィールドに整数または空白は使用できません)。

並進(TYPE = MOVE)フォーマット1

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GID1 GID2          

フォーマット2

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE dx dy dz        

回転(TYPE = ROTATE)フォーマット1

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GID1 ang_x ang_y ang_z GID2    

フォーマット2(軸 + 角度)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GID1 GID2 angle        

フォーマット3(軸 + 節点によって定義された角度)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GID1 GID2 GID3 GID4      

フォーマット4(2D、節点 + 節点によって定義された角度)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GID1 GID2 GID3        

マッチング(TYPE = MATCH)フォーマット1

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GIDA1 GIDA2 GIDA3 GIDB1 GIDB2 GIDB3  

フォーマット2(2D)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GIDA1 GIDA2 GIDB1 GIDB2      

鏡映(TYPE = MIRROR)フォーマット1

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GIDA1 GIDA2 GIDA3        

フォーマット2(マッチング + 鏡映)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GIDA1 GIDA2 GIDA3 GIDB1 GIDB2 GIDB3  

フォーマット3(2D鏡映)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GID1 GID2          

フォーマット4(2D、マッチング + 鏡映)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC ID TYPE GIDA1 GIDA2 GIDB1 GIDB2      

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
RELOC 1 MATCH 1001 1012 3992 123 564 665  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
ID セット識別番号。

(整数 > 0)

 
TYPE このフィールドは、モデル内の節点間のマッチングのタイプを指定します。RELOCカードのフォーマットは、TYPEフィールドの値ごとに異なります。 2
MOVE
ROTATE
MATCH
MIRROR
 
並進(フォーマット1)    
GID1 基準点の位置に平行移動するための節点識別番号。節点GID1は、その元の位置からGID2の位置へ移動されます。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
GID2 並進の基準節点識別番号。GID2は、別の節点(GID1)をその元の位置からGID2の位置に移動するための基準点として使用されます。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
並進(フォーマット2)    
dx, dy, dz 参照したパート(INSTNCEエントリ)を基準座標系で平行移動する必要がある距離を定義します。各エントリは、それぞれX、Y、およびZ軸での対応する移動距離を指定します。 2

デフォルトなし(実数)

 
回転(フォーマット1)    
GID1 後に続くフィールドで指定された角度に基づいて回転中心として使用される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
ang_x, ang_y, ang_z X、Y、およびZ軸を中心とする回転(それぞれが回転中心として節点(GID1)を使用)の角度(度単位)を定義します。2Dモデルでは、ang_zのみを指定します。 2

デフォルトなし(実数)

 
GID2 以下のように使用される節点の識別番号を指定します:

GID2が指定された場合: パーツは、GID1を中心に回転した後に、GID1からGID2に移動されます。

GID2が指定されていない場合: パーツは移動されません。GID1廻りの回転のみが行われます。

(整数 > 0または<PartName.number>)
 
回転(フォーマット2)    
GID1,GID2 回転の軸として使用される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>4

 
angle GID1およびGID2で定義した軸について、回転の角度(単位は度)を定義します。

(実数または空白)

 
回転(フォーマット3)    
GID1,GID2 回転の軸として使用される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>4

 
GID3 回転される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>

 
GID4 GID1およびGID2とともに、GID3を回転させる予定の平面を定義する、節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>

 
回転(フォーマット4)    
GID1 回転の中心として使用される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>4

 
GID2 回転される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>

 
GID3 GID1とともに、GID3を回転させる線を定義する、節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>

 
マッチング(フォーマット1)    
GIDA1, GIDA2, GIDA3 対応する節点GIDB1,2,3(最終位置。以下のフィールドで定義)と一致させるために移動される節点(初期位置)の識別番号を指定します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら3つの節点を同一線上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
GIDB1, GIDB2, GIDB3 GIDA1,2,3フィールドで定義された対応する節点と一致させる節点の識別番号を指定します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら3つの節点を同一線上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
マッチング(フォーマット2)    
GIDA1, GIDA2 対応する節点GIDB1,2(最終位置。以下のフィールドで定義)と一致させるために移動される節点(初期位置)の識別番号を指定します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら2つの節点を同一座標上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>)

 
GIDB1, GIDB2 GIDA1,2フィールドで定義された対応する節点と一致させる節点の識別番号を指定します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら2つの節点を同一座標上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>)

 
鏡映(フォーマット1)    
GIDA1, GIDA2, GIDA3 パート全体(INSTNCEを使用して定義)を180度横方向に鏡映(反転)する際の中心となる節点の識別番号を指定します。節点GIDA1,2,3は、対称反転の絶対平面を定義します。この鏡映処理を完了するために必要などのような回転または並進も、OptiStructによって内部的に実行されます。鏡映のために指定される3つの節点を同一線上に置くことはできません。2Dモデルでは、GIDA1およびGIDA2のみを指定する必要があります。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
鏡映(フォーマット2)    
GIDA1, GIDA2, GIDA3 対応する節点GIDB1,2,3(最終位置。以下のフィールドで定義)と一致させるために移動される節点(初期位置)の識別番号を指定します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら3つの節点を同一線上に置くことはできません。

(整数 < 0または<PartName.number>)

 
GIDB1, GIDB2, GIDB3 GIDA1,2,3フィールドで定義された対応する節点と一致させる節点の識別番号を指定します。マッチング後、パート全体(INSTNCEを使用して定義)が180度横方向に鏡映(反転)されます。節点GIDB1,2,3は、対称反転の絶対平面を定義します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら3つの節点を同一線上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>)

 
鏡映(フォーマット3)    
GID1,GID2 鏡映のための対称軸として使用される節点の識別番号を指定します。

(整数 > 0または<PartName.number>) 4

 
鏡映(フォーマット4)    
GIDA1, GIDA2 対応する節点GIDB1,2(最終位置。以下のフィールドで定義)と一致させるために移動される節点(初期位置)の識別番号を指定します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら2つの節点を同一座標上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>)

 
GIDB1, GIDB2 GIDA1,2フィールドで定義された対応する節点と一致させる節点の識別番号を指定します。マッチング後、パート全体(INSTNCEを使用して定義)が180度横方向に鏡映(反転)されます。節点GIDB1,2は、対称反転の絶対軸を定義します。このマッチング処理を完了するために必要などのような回転、並進、または鏡映も、OptiStructによって内部的に実行されます。これら2つの節点を同一座標上に置くことはできません。

(整数 > 0または<PartName.number>)

 

コメント

  1. RELOCエントリは、フルモデル内のパートの位置を定義するためにINSTNCEエントリによって参照できます。また、PERBCエントリでRELOCエントリを参照して、2つの境界節点セットの間の形状関係を定義します。
  2. 以下の図は、4つの各TYPEフィールドオプションでの、パートの再配置の例を示しています。RELOCエントリで使用されるすべての節点IDは、モデル内のどのパートに属すこともできます。それらの初期位置のみ関連性があります。パートが移動される前には、すべてのRELOCエントリが評価されます。移動の順序が最終的なパート位置に影響するため、これは場合によっては、必ずしも期待した結果にはなりません。例えば、パートAで3つの節点、およびパートBで3つの節点を使用してRELOCMATCHが定義されていても、パートBがこのマッチング処理の後に再度移動された場合は、最終構造が、その2つのパートが結合された構造にならない可能性があります。このような状況にならないようにするために、初期位置を定義する節点を、移動する必要があるパートに割り当て、最終位置を定義する節点を、移動しないパート(例えば、グローバル構造)に割り当てることを強くお勧めします。


    図 1. 並進 - フォーマット1:


    図 2. フォーマット1(特殊なケース。パートBは再配置しないことが前提)


    図 3. 並進 - フォーマット2:
    (1)
    D = ( d x ) 2 + ( d y ) 2 + ( d z ) 2
    ここで、 D MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaamiraaaa@36BF@ INSTNCEエントリで参照されているパートが移動する距離、dxdy、およびdzは、X、Y、Z軸に沿ってそのパートが移動する距離です。


    図 4. 回転 - フォーマット1


    図 5. マッチング - フォーマット1


    図 6. フォーマット1(特殊なケース。パートBは再配置しない)


    図 7. 鏡映 - フォーマット1
  3. 2Dモデルでは、使用可能なTYPEオプションは、ROTATEとMIRRORです。モデル内のすべての節点のZ座標が同じである必要があります。回転および鏡映は、X-Y平面で定義されます。
    表 1. X-Y平面で定義された2Dモデルでの回転
    (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
    RELOC ID ROTATE GID1     ang_z      
    表 2. X-Y平面で定義された2Dモデルでの鏡映
    (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
    RELOC ID MIRROR GIDA1 GIDA2          
  4. モデルがX-Y平面(または、X-Y平面に平行な平面)で定義される特殊なケースでは、2次元移動と同じ方法で同一平面にパートを再配置するため、すべてのRELOCタイプオプション(MOVEMATCHROTATE、およびMIRROR)がサポートされています。そのような場合には、再配置の仕様をより簡単にするために、単純化されたカードフォーマットを実装します。
    注: モデル内のすべての節点のZ座標が同じである必要があります。回転および鏡映は、X-Y平面で定義されます。
  5. 特定のパート内でサポートされているローカルエントリは、モデル内のRELOCエントリの“完全修飾参照”を使用することで参照できます。完全修飾参照(PartName.number)は数値参照のフォーマットと類似しています。PartNameは、参照されるローカルエントリを含むパートの名前です(パート名はモデル内のBEGINバルクデータエントリで定義します)。numberは、パートPartName内で参照されるローカルエントリの識別番号です。完全修飾参照の使用の詳細については、ユーザーズガイドパートとインスタンスをご参照ください。
  6. 再配置は、対応するRELOCエントリで指定されているすべてのGRIDの初期位置を使用して、内部的に計算されます。INSTNCEエントリによるパートの移動には影響されません。たとえば、エントリRELOC, 5, aaa.1, bbb.2は、パートaaaおよびbbbがすべてのINSTNCEカードが処理された後に相互に結合されることを示すのではありません。
  7. GRIDの一致を使用するRELOCエントリ(MATCHフォーマット1、2、およびMIRRORフォーマット2、4)では、開始コンフィギュレーションと終了コンフィギュレーションが一致している必要があります。つまり、一致したGRID間の距離は、位置変更の前後(GIDA1GIDA2からGIDB1GIDB2など)で同じである必要があります。