NLOUT
バルクデータエントリ 非線形陰解法解析(静解析および過渡解析)と非線形陽解法解析の増分結果出力パラメータを定義します。
フォーマット
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NLOUT | ID | PARAM1 | VALUE1 | PARAM2 | VALUE2 |
例
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NLOUT | 3 | NINT | 20 | SVNONCNV | YES |
定義
コメント
- 非線形陰解法解析では、サブケース情報エントリNLOUT=IDまたは特定の結果I/Oエントリ()を使用してNLOUTバルクデータエントリを選択できます。
- 以前の荷重レベルから現在の荷重レベルへの増分と、現在の荷重増分に出力されている荷重増分との差分が1/NINTを上回る場合は、現在の荷重レベルに対応する中間結果が出力に保存されます。それ以外の場合、その中間結果は保存されません。このパラメータはアダプティブ荷重サイズの選択に対する制御は行いません。また、現在の荷重増分と前回出力の荷重増分との差分は、前回“出力”の荷重増分に基づいて計算される点に注意することが重要です。つまり、この変分の計算では、前回の解析に使用された増分ではなく、前回出力された増分が考慮されます。
NINT=10を指定した場合の中間結果の扱い例を以下に示します。
NINT=10なので、1/NINTは0.1です。したがって、現在の荷重増分に出力済みの前回荷重レベルへの荷重増分と、今回の荷重増分との変分が0.1を上回ると、現在の荷重増分が出力として選択されます。NLOUTでは、デフォルトで最初の増分と最後の増分が必ず出力されます。次のケースでは、最初の荷重ステップが0.0で、最後の荷重ステップが1.0です。
図 1.最後の出力フレームが0.0(出力として選択された最後の荷重増分)なので、次の荷重増分が出力として選択されるには、その値と0.0との差分が0.1(1/NINT)を上回る必要があります。図 1の.monitorファイルに示すように、0.0の後のH3D NLOUTの最初の荷重増分は0.142で、0.142から0.0を減算すると0,142なので0.1を上回ります。0.142よりも前のすべての荷重増分を見ると、差分は0.1未満なので、どの荷重増分も出力として選択されません。
- 現在のところ、増分出力では、以下の結果がサポートされています。
- メインのH3Dファイル(メインの*.h3dファイルとOPTIフォーマットファイルへの増分出力)。
NLOUTバルク / サブケースエントリのみを指定した場合、H3D/OPTIフォーマットの増分出力はDISPLACEMENT、STRESS、STRAIN、ELFORCE、CONTF、GPFORCE、SPCFORCE、MPCFORCE(LGDISPのみ)、OLOAD、CSTRESS、CSTRAIN、CFAILURE、およびTHICKNESSに出力されます。
- 実行終了時にのみ出力されるメインのH3Dファイルとは別に、実行中に_impl.h3dが動的に出力されます。以下の2つのオプションがあります。
- 実行中に*_impl.h3dに結果を出力するには、STRAIN、STRESS、SPCFORCE、およびCONTFの各I/O情報エントリの引数NLOUT=IDを指定して、NLOUTバルクデータエントリを選択する必要があります。
- NLOUTサブケース / バルクデータエントリと併せて、PARAM,IMPLOUT,YESエントリを指定する必要があります。
- .pretファイル(実行中に増分を.pretファイルに出力)
NLOUTのサブケースエントリとバルクデータエントリと併せてPRETBOLT(OPTI=YES)を指定すると、実行時に.pretファイルが動的に出力されます。この機能は、現在のところ、OPTIフォーマット出力でのみサポートされています。
- .h5ファイル(階層ツリーフォーマットで実行中に増分出力)
- NLOUTバルクデータエントリが指定され、HDF5が要求された場合、DISPLACEMENT、STRESSおよびSTRAINについては、増分出力が可能です。
- STRESSおよびSTRAIN結果は現時点では、CROD、CELAS1、CBAR、CBEAM、CTRIA3、CTRIA6、CQUAD4、CQUAD8、CHEXA、CPENTA、CTETRA要素でのみ利用できます。
- メインのH3Dファイル(メインの*.h3dファイルとOPTIフォーマットファイルへの増分出力)。
- FREQを“n”に設定すると、n番目ごとに荷重レベルが出力として保存されます。この荷重増分のカウントは、最初に2番目の荷重増分から始まります。
- NINT、FREQ、およびTIMEの各オプションは相互に排他です。NINT、FREQ、およびTIMEを1つ以上指定すると、TIME、FREQ、NINTの優先順位で選択されます。どれも指定しないと、デフォルト値が10のNINTが中間結果出力として使用されます。
- TIMEオプションでは、TYPE=TIMEのSETバルクデータエントリが参照されます。これにより、増分非線形出力を要求する一連の時点を指定できます。TIMEオプションでNLOUTを使用する例を以下に示します。
NLOUT,5,TIME,57 SET,57,TIME,LIST +,0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8 +,0.9,0.95,1.0
上記の入力により、SET #57バルクデータエントリに記述された特定の時点で増分非線形出力が生成されます。
- NLOUTを指定すると、指定したオプション(NINT、FREQ、TIME)に関係なく、特定の非線形サブケースで最初の荷重増分と最後の荷重増分が必ず出力されます。また、FREQオプションを指定すると、最初と最後の荷重増分のほか、2番目の荷重増分も必ず出力されます。FREQオプションでは、荷重増分のカウントは2番目の荷重増分から始まります。
- 現在のフィールドのサポートは:
- 非線形陰解法解析(静解析および過渡解析): すべてのフィールドに対応
- 非線形陽解法解析: NINTのみサポート