CONTPRM
バルクデータエントリ すべての接触のデフォルトプロパティを定義し、すべての接触に影響するパラメータを設定します。
フォーマット
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CONTPRM | PARAM1 | VALUE1 | PARAM2 | VALUE2 | PARAM3 | VALUE3 | PARAM4 | VALUE4 | |
PARAM5 | VALUE5 |
例
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CONTPRM | GPAD | 0.5 | STIFF | AUTO | MU1 | 0.3 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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PARAMi | パラメータ名。 | |
VALi | パラメータ値。 |
OptiStruct解析のパラメータ
名称 | 値 | SI単位の例 |
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GPAD | シェルの厚みなど追加の層を考慮するためのメインまたはセカンダリオブジェクトの“パディング”。この値が、節点の位置から計算された接触ギャップ開口量から減算されます。 1
(実数) |
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STIFF | 接触インターフェースの相対的な剛性。 2 正の値(STIFF = 実数 > 0.0)は直接指定された剛性です。 負の値(STIFF = 実数 < 0.0)は、剛性のスケールファクターを定義します。剛性のスケールファクターは|実数 < 0.0|に等しい値です。このスケーリングは自動剛性値(STIFF = AUTOの場合の剛性値)に適用されます。 デフォルト = AUTO(AUTO、SOFT、HARD、実数 > 0.0、または実数 < 0.0) |
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MU1 | 静的摩擦係数(
s) 3 4 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0.0、STICKまたはFREEZE) |
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MU2 | 動的摩擦係数(
k)。 デフォルト = MU1(0.0 < 実数 < MU1) |
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PREPRT | 初期接触条件(MPCベースのTIEを除く)をASCIIデータファイルに出力します。ファイル名:<filename>.cpr詳細については、.cprファイルをご参照ください。
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CONTGAP | バルクデータファイルを作成します。このファイルには内部的に作成された節点-サーフェス接触要素(CGAPG要素として表されます)が含まれます。ファイル名:filename_root.contgap.fem 5
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CONTGRID | サーフェス-サーフェス間接触要素に関連する節点のSETが含まれたバルクデータファイルを作成します。ファイル名:filename.root.contgrid.fem
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CONTOUT | 接触離散化のタイプに応じて、次のファイルが作成されます。 S2S離散化: 内部的に作成されたサーフェス-サーフェス間接触要素(可視化用のPLOTEL要素およびRBE3要素として表されます)が含まれたバルクデータファイルを作成します。ファイル名:<filename>.contout.fem N2N離散化: 内部的に作成された節点-節点間接触要素(可視化用のRBEAM JOINTG要素として表されます)が含まれたバルクデータファイルを作成します。ファイル名:<filename>.n2s.fem
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CONTMPC | TIE接触の生成に使用される内部的に作成されたMPCを出力します。これらのMPCの出力ファイル:<filename>_contmpc.fem
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NONTIED | TIEまたはCONTACT(TYPE=FREEZE)インターフェース内で結合されていない節点の出力を制御します。
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TIE | TIEバルクデータエントリがモデル内に存在する場合に使用される接触定式化のタイプを示します。
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CORIENT | CONTACTカードのメイン方向フィールドMORIENTをすべてのサーフェスに適用するか、それともソリッド要素を除外するかを示します。
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SFPRPEN | 初期貫通が認識され自己接触エリアで解決されるかどうかを示します。(これはメインとセカンダリが同じセットまたはサーフェスにある自己接触エリアにのみ有効です)。
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FRICESL | 摩擦弾性すべり - すべり距離に達するまで摩擦横方向力は線形に増加します。物理的な距離の単位で指定します(U0とGPADと同様)。ユーザーズガイドの摩擦をご参照ください。
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ADJGRID | 接触節点SETが含まれたバルクデータファイルを作成します。これらの節点の座標は調整(ADJUST)され、これらの接触節点の調整後の新たな座標が含まれたバルクデータファイルも作成されます。ファイル名:filename_root.adjgset.femおよびfilename_root.adjgcrd.fem. N2N接触の場合、ファイル名はfilename_root.n2n.adjgset.femとfilename_root.n2n.adjgcrd.femです。また、最大調整済み距離は.outファイルに用意されています。
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DISCRET | 明示的なDISCRET指定が含まれていないすべてのCONTACT/TIEエントリ向けの接触離散化アプローチです。
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LSLDCLR | 大変位解析で有限 / 継続スライディング(TRACK=FINITE/CONSLI)接触に対してCLEARANCEを指定できるかどうかを示します。
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TUNESTF | アダプティブ接触ペナルティのアクティブ化を制御します。陰解法非線形解析の接触ペナルティの自動調整。 6
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STABILIZ | アダプティブ接触ペナルティのアクティブ化を制御します。
CONTPRM,STABILIZ,ADAPTIVEパラメータが存在しない場合は、アダプティブ接触の安定化がアクティブになりません。 デフォルト値はありません。 |
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MAXPNTR | アダプティブ接触ペナルティの最大許容貫通量を決定するための係数。 7 デフォルト = 0.001(実数 > 0.0) |
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KA0TUNE | アダプティブ接触ペナルティの初期試行ペナルティを決定するための係数。 8 デフォルト = 1.0 (実数 > 0.0) |
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KTLIN | 接触によって参照されるPCONT上のSTIFFが0.0より大きい実数、かつMU1が0.0より大きい実数の場合に、線形解析で閉じた接触の接線剛性KTを制御します。
(整数) |
Radioss統合を通じた陽解法動解析のパラメータ(ANALYSIS = EXPDYN)
名称 | 値 | SI単位の例 |
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STFAC | インターフェース剛性スケールファクター。 デフォルト = 陰解法解析では1.0 デフォルト = 陽解法解析では0.1 (実数 ≥ 0) |
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FRIC | Coulomb摩擦。 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0) |
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GAP | 衝撃アクティブ化のギャップ。 10 11 (実数 ≥ 0) |
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IDEL | 節点およびセグメントの削除フラグ。
(整数) |
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INACTI | 初期貫通の処理対象フラグ。 13 CONTPRMで定義されているデフォルト(整数 = 0、…、5)
陽解法解析で有効な値:0, 1, 2, 3および5。 陰解法解析で有効な値:0, 3および4. 無効なエントリは無視されます。 |
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CORIENT | CONTACTカードのメイン方向フィールドMORIENTをすべてのサーフェスに適用するか、ソリッド要素を除外するかを示します。
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IFRIC | 摩擦定式化フラグ。 15
陰解法で実装されているのは、IFRIC = COULのみです。 (文字) |
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IFILTR | 摩擦フィルタリングフラグ。 14
(文字) |
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FFAC | フィルタリング係数(IFILT ≠ NOの場合のみ)。 (0.0 < 実数 < 1.0) |
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IFORM | 摩擦ペナルティ定式化のタイプ。 16 17
(文字) |
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C1、C2、C3、C4、C5、C6 | 摩擦則係数。 (実数 > 0) |
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IGNORE | TIE接触でメインセグメントが見つからなかった場合にセカンダリ節点を無視するフラグ。 18
(整数) |
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MTET10 | 2次CTETRA接触メインサーフェスのフラグ。
(整数) |
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ISYM | 対称的な接触のフラグ。
SSIDで節点セットを定義している場合、接触は常にメイン-セカンダリ間接触になります。 (文字) |
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IEDGE | セカンダリサーフェスおよびメインサーフェスからのエッジ生成対象フラグ。
(文字) |
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FANG | エッジ生成用のフィーチャー角度(°)(IEDGE = FEATの場合のみ)。 デフォルト = 91.0(実数 ≥ 0) |
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IGAP | ギャップ定義フラグ。
(文字) |
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ISTF | 剛性定義フラグ。 9
(整数) |
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STIF1 | インターフェース剛性(ISTF = 1の場合のみ)。 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0) |
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STMIN | 最小インターフェース剛性(ISTF > 1の場合のみ)。 (実数 ≥ 0) |
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STMAX | 最大インターフェース剛性(ISTF > 1の場合のみ)。 デフォルト = 1030(実数 ≥ 0) |
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IBC | 衝撃時の境界条件の非アクティブ化用フラグ。 (文字 = X、Y、Z、XY、XZ、YZ、またはXYZ) |
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VISS | インターフェース剛性の臨界減衰係数。 デフォルト = 0.05(実数 ≥ 0) |
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VISF | 接触インターフェース摩擦の臨界減衰係数。 デフォルト = 1.0(実数 ≥ 0) |
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BMULT | ソート係数。 デフォルト = 0.20(実数 ≥ 0) |
コメント
- 初期ギャップ開口量は、セカンダリおよびメイン節点の相対的な場所に基づいて自動的に計算されます(変形前のメッシュ内)。メインオブジェクトまたはセカンダリオブジェクトをカバーする他の材料層(シェル厚の半分など)を考慮する場合、GPADエントリを使用できます。GPADオプションのTHICKを指定すると、自動的に接触インターフェースの両側のシェル厚が考慮されます(シェル要素オフセットZOFFSまたは複合材オフセットZ0の影響も含まれます)。
- オプションSTIFF=AUTOを指定すると、各接触要素の垂直剛性の値は、その周辺要素の剛性を使用して決定されます。追加オプションSOFTおよびHARDを使用すると、それぞれ、より穏やかなペナルティ、より厳しいペナルティを生成できます。SOFTは収束が困難な場合に使用し、HARDは望ましくない貫通が解に検出された場合に使用します。STIFFに負の値を指定すると、|実数 < 0.0|に等しい剛性スケールファクターが定義されます。このスケーリングは、STIFF = AUTOを通じて剛性値に適用されます。
- MU1=STICKを指定すると、OptiStructでは強制的な固着条件と解釈されます。このような接触インターフェースはスライディングフェーズに入りません。もちろん、強制固着は閉じている接触にしか適用されません。
- MU1=FREEZEを指定すると、接触面での相対変位はゼロとなります。接触ギャップ開口量は元の値に固定され、スライディング距離は0です。FREEZE条件は、初期ギャップが開いているか閉じているかに関係なく、すべてのセカンダリ節点に適用されます。
- CONTGAPパラメータを使用して生成されたファイルfilename_root.contgap.femをHyperMeshにインポートすると、内部的に作成された節点-サーフェス接触要素を可視化できます(接触要素はGAPGエンティティに変換されます)。注: 最適化時、このファイルは最新の最適化反復計算の節点-サーフェス接触要素を示します。形状最適化問題用にHyperMeshでこの構成を正しく可視化するには、“形状の変更”結果を適用してFEAメッシュ形状を更新する必要があります。
さらに、GAPPRM,HMGAPST,YESをCONTPRM,CONTGAP,YESと共にアクティブ化すると、ギャップ状態のコマンドファイルfilename_root.HM.gapstat.cmfに、節点-サーフェス接触要素を表すこれらの追加GAPGの開 / 閉状態も含まれます。HyperMeshでこれらの状態を正しく可視化するには、ギャップ状態のコマンドファイルを実行する前にファイルfilename_root.contgap.femをインポートしておく必要があります。
- アダプティブ接触ペナルティを以下のケースに適用することはできません:
- TIE接触やFREEZE接触
- 非線形ペナルティが適用された接触
- 分離なしの接触
- アダプティブ接触ペナルティの最大許容貫通量はMAXPNTR×Lで選択されます。
ここで、Lは接触の特性エッジ長(メインサーフェス上の平均エッジ長)です。
- アダプティブ接触ペナルティの初期試行ペナルティは次のように選択されます:
- *K
ここでKは、接触インターフェースがSTIFF=AUTOの場合、自動的に選択される未加工剛性値です。
- 上記以外の場合は、STIFFオプションの接触ペナルティ剛性値です。
- *K
- ISTF ≠ 1の場合、インターフェース剛性Kはメインセグメント剛性Kmやセカンダリセグメント剛性Ksから算出されます。
メイン剛性は、ソリッドでは 、シェルの場合、およびシェルとソリッドでメインセグメントが共有されている場合は からそれぞれ計算されます。
セカンダリ剛性は、計算式で計算される等価節点剛性です。ソリッドの場合は次の式を使用します。(1) シェルの場合は次の式を使用します。(2) ここで、- 体積弾性率
- セグメント面積
- 弾性係数
- シェル厚み
- ソリッドの体積
剛性係数の値に対する制限はありません(ただし、値が1.0より大きいと、初期時間ステップが短くなる場合があります)。
ISTF = 0の場合、インターフェース剛性は
ISTF > 1の場合、インターフェース剛性は であり、次のような式になります:- ISTF = 2の場合:
- ISTF = 3の場合:
- ISTF = 4の場合:
- ISTF = 5の場合:
- 陰解法解析では、接触剛性が収束で非常に重要な役割を果たします。ISTF = 4(接触にメインとセカンダリの剛性のうち小さい方を採用)を推奨します。理由は、ペナルティ接触力と衝撃を受ける可変部分の内力が釣り合うからです。これは、実効剛性に近い剛性の方が高い剛性よりも収束しやすいことを意味します。
陰解法解析で初期ギャップが小さい場合、初期ギャップより大きいGAPを定義すると、収束の安定度が増します。
陰解法解析では、スケーリングファクターが縮小される(例:STFAC = 0.01など)または衝撃を受ける厚さが縮小される(剛体など)剛性を使用すると、力の不均衡を低減し、収束が向上する場合があります。これは特に、実効剛性が膜剛性よりはるかに小さい構造や、曲げられているシェル構造などで顕著です。ただし、値が小さ過ぎても発散につながる可能性があるので注意してください。
- 一定のギャップ(IGAP = CONST)のデフォルトは、下記の中で最も小さい値になります。
- t
- メインシェル要素の平均板厚
- l/10(l
- メインソリッド要素の辺の平均長
- lmin/2(lmin
- すべてのメインセグメント(シェルまたはソリッド)の最も短い辺の長さ
- 可変ギャップ(IGAP = VAR)は、gs + gmで計算します。
- gm - 下記のようなメイン要素のギャップ:
- gm = t/2(t: メイン要素の厚さ)(シェル要素の場合)
- gm = 0(ソリッド要素の場合)
- gs - 下記のようなセカンダリ節点のギャップ:
- gs = 0(セカンダリ節点がどの要素にも結合されていないか、ソリッドまたはスプリング要素にのみ結合されている場合)
- gs = t/2(tは、セカンダリ節点に結合されているシェル要素の最大厚)
- gs = 1/2√S(トラスおよびビーム要素の場合)。Sは要素の断面です。
セカンダリ節点が複数のシェルおよび / またはビームまたはトラスに結合されている場合は、計算された中で最も大きいセカンダリギャップが使用されます。
可変ギャップは、常にGAPMIN以上になります。
- gm - 下記のようなメイン要素のギャップ:
- INACTI = 3または4の使用は、初期貫通が小規模な場合にのみ推奨します。下記のような理由から、その使用には注意が必要です。
- 変更した座標を元に戻すことはできません。
- 接触インターフェースに複数のサーフェス層を定義すると、他の初期貫通が発生する可能性があります。
- 節点がスプリング要素に属している場合、初期エネルギーが発生することがあります。
INACTI = 5の場合は、下記のようになります。 - IFILTは、摩擦フィルタリング係数を算出する方法を定義します。 ≠ NOの場合、接線摩擦力はフィルターを使用して下記のようにスムージングされます。IFILT ≠ NOの場合、接線摩擦力はフィルターを使用して下記のようにスムージングされます。
(3) ここで、- 接線力
- 右記の時間における接線力;
- 右記の時間における接線力;
- α
- フィルタリング係数
- IFILT = SIMP
- α = FFAC
- IFILT = PER
- 、ここでdt/T = FFAC、 はフィルタリング時間
- IFILT = CUTF
- 、ここでFFACはカットオフ周波数
- IFRICは摩擦モデルを定義します。
IFRIC = COUL - としたクーロン摩擦。ここで、
IFRICがCOULでない場合は、摩擦係数は関数 で設定されます。
ここで、- メインセグメントの垂直抗力の圧力
- セカンダリ節点の接線速度
以下の定式化を使用できます:
IFRIC = GEN - 汎用の粘性摩擦則(4) IFRIC = DARM - Darmstad則(5) IFRIC = REN - Renard則(6) (7) (8) where,
- 最初の臨界速度 を0に設定しないようにします(C5 ≠ 0)。また、2番目の臨界速度 未満にする必要もあります(C5 < C6)。
- 静摩擦係数のC1と動摩擦係数のC2は、最大摩擦のC3より小さくする必要があります(C1 ≤ C3およびC2 ≤ C3)。
- 最小摩擦係数C4は静摩擦係数のC1と動摩擦係数のC2より小さくする必要があります(C4 ≤ C1かつC4 ≤ C2)。
- IFORMは、2種類の接触摩擦ペナルティ定式化を選択します。粘性(合計)の定式化(IFORM = VISC)では、接着力は下記のように算出されます。
(9) 剛性(増分)の定式化(IFORM = STIFF)では、接着力は下記のように算出されます。(10) (11) (12) - 摩擦を伴う非線形陰解法接触の場合は、剛性の定式化(IFORM = STIFF)を推奨します。
- IGNORE = 1または2の場合、メインセグメントが見つからなかったセカンダリ節点をインターフェースから削除します。
IGNORE = 1でSRCHDISが空白の場合、最も近いメインセグメントを検索する距離のデフォルト値はメインセグメントの平均サイズです。
IGNORE = 2でSRCHDISが空白の場合、各セカンダリ節点について最も近いメインセグメントを検索する距離は下記のように算出されます。
ここで、- セカンダリ節点に結合されている要素の板厚で、ソリッドに対しては = 0.0です。
- メインセグメントの板厚で、ソリッドに対しては = 要素体積 / セグメント面積です。
- メインセグメントの対角線距離
- HyperMeshでは、このカードはコントロールカードとして表されます。