MATTHE
バルクデータエントリ 温度依存の非線形超弾性材料の材料特性を定義します。
多項式形式が使用可能で、各項に対応する係数を指定することでさまざまな材料タイプ(3)を定義できます。
フォーマットA1
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | NA | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
C10 | C01 | C20 | C11 | C02 | C30 | C21 | C12 | ||
C03 | C40 | C31 | C22 | C13 | C04 | C50 | C41 | ||
C32 | C23 | C14 | C05 | D1 | D2 | D3 | D4 | ||
D5 | T |
フォーマットA2
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | NA | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
C10 | C20 | C30 | C40 | C50 | D1 | D2 | D3 | ||
D4 | D5 | T |
フォーマットA3
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | 2 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
C10 | C01 | D1 | T |
フォーマットA4
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | 1 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
C10 | D1 | T |
フォーマットA5
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | 3 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
C10 | C20 | C30 | D1 | D2 | D3 | T |
フォーマットB
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | 2 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
C1 | D1 | T |
フォーマットC
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | NA | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ||||||||
MU1 | ALPHA1 | MU2 | ALPHA2 | MU3 | ALPHA3 | MU4 | ALPHA4 | ||
MU5 | ALPHA5 | D1 | D2 | D3 | D4 | D5 | T |
フォーマットD
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | NA | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | 0 | ||||||||
MU1 | ALPHA1 | BETA1 | MU2 | ALPHA2 | BETA2 | MU3 | ALPHA3 | ||
BETA3 | MU4 | ALPHA4 | BETA4 | MU5 | ALPHA5 | BETA5 | T |
フォーマットE
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | MID | Model | 2 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | ND | ETYPE | D1 | ||||||
SIGNOM | LAMBDA | D1/T | T |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | 2 | NEOH | 1 | 0.495 | |||||
LONG | 0 | ||||||||
5.2 (C10) | 10.0 (T) | ||||||||
5.1 (C10) | 20.0 (T) |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | 2 | MOONEY | 5 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | 1 | ||||||||
C10 | C01 | C20 | C11 | C02 | C30 | C21 | C12 | ||
C03 | C40 | C31 | C22 | C13 | C04 | C50 | C41 | ||
C32 | C23 | C14 | C05 | D1 | T |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | 2 | MOONEY | 3 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | 1 | ||||||||
C10 | C01 | C20 | C11 | C02 | C30 | C21 | C12 | ||
C03 | D1 | T |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATTHE | 2 | FOAM | 2 | NU | RHO | TEXP | TREF | ||
MTIME | 0 | ||||||||
MU1 | ALPHA1 | BETA1 | MU2 | ALPHA2 | BETA2 | T |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
MID | 固有の材料識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
Model | 超弾性材料モデルタイプ材料モデルごとに入力フォーマットが異なることがあります。上の表に記載されたフォーマットの詳細をご参照ください。
(文字) |
|
NU | ポアソン比。 FOAMを除くすべてのモデルでデフォルト = 0.495 FOAMモデルではデフォルト = 0.0(実数) |
|
RHO | 材料密度。 デフォルトなし(実数) |
|
TEXP | 熱膨張係数。 デフォルトなし(実数) |
|
TREF | 参照温度。 デフォルトなし(実数) |
|
NA | モデルのタイプが一般化多項式(MOONEY)または縮約多項式(RPOLY)の場合、歪みひずみエネルギー多項式関数の次数。 これはOGDEN材料(フォーマットC)のひずみエネルギー関数の偏差部分の次数でもあります。 デフォルト = 2(0 < 整数 ≤ 5) |
|
ND | 体積ひずみエネルギーの多項式関数の次数。 2 デフォルトなし(整数 ≥ 0) |
|
Cpq | 歪み変形に関係する材料定数。 デフォルトなし(実数)。 |
|
Dp | 体積変形に関係する材料定数。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
C1 | 初期せん断係数(Model = ABOYCE)。 4 デフォルトなし(実数) |
|
最大ロッキング伸長比。 (Model = ABOYCE)の値を計算します。 4 デフォルトなし(実数) |
||
MUi、ALPHAi | Ogden材料モデル(Model=OGDEN)5またはHillフォーム材料モデル(Model=FOAM)の材料定数。 6 | |
BETAi | Hillフォーム材料モデル(Model=FOAM)の材料定数。 6 | |
MTIME | 仮の材料特性。このフィールドは、入力された材料特性の粘弾性の解釈を制御します。
|
|
ETYPE | Marlowモデルの実験タイプ。
デフォルト値はありません。 |
|
SIGNOM | Marlowモデルの実験から得られた公称応力。 デフォルトなし(実数)。 |
|
LAMBDA | Marlowモデルの実験から得られた伸長比。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
D1/T | D1は、体積変形に関係する材料定数です。 MARLOW材料モデルの場合、D1が温度依存の場合、それを3行目の第4フィールドで設定する必要があり、温度を3行目の第5フィールドで設定する必要があります。それ以外の場合は、D1を2行目の第5フィールドで設定する必要があり、温度を3行目の第4フィールドで設定できます。 7 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
T | 設定した材料特性の指定温度。材料データと温度の組み合わせを必要な回数繰り返して設定し、超弾性の温度依存材料データを定義できます。 1 デフォルトなし(実数) |
コメント
- MATTHEバルクデータはMATHEバルクデータの拡張であり、温度依存超弾性材料の定義に使用できます。現在のMATTHEでは表に値を直接入力することはできず、パラメータのフィッティングによる定義のみができます。表の入力値は、温度ごとに曲線フィッティングで調整したうえでMATTHEエントリに入力する必要があります。
- 各データブロックを指定するための一般的なルールとして、歪みひずみエネルギーパラメータNAに続いて体積ひずみエネルギーパラメータNDを設定して、その後にこれらのパラメータの温度を設定します。
- それぞれの温度材料データブロックは、複数行にまたがってもかまいません。したがって、NAとNDを正確に指定して、想定している項の数を示す必要があります。
- パラメータの順序は、歪みパラメータと体積パラメータがMATHEエントリで占める順序に従います。
- 複数の温度値は昇順で定義する必要があります。
- 超弾性材料モデルの一般化多項式形式(MOONEY)は、材料の偏差および体積ひずみエネルギーの組み合わせとして記述されます。位置エネルギーまたはひずみエネルギー密度(
)は、多項式形式で次のように記述されます:一般化多項式形式(MOONEY):
(1) ここで、- 歪みひずみエネルギーの多項式関数の次数(NA)
- 体積ひずみエネルギーの多項式関数の次数(ND)現時点では、1次の体積ひずみエネルギー関数のみがサポートされています(ND=1)。
- 歪み変形に関係する材料定数( )
- 、
- OptiStructによって内部的に計算されるひずみ不変量
- 体積変形に関係する材料定数( )。これらの値によって材料の圧縮性が定義されます。
- OptiStructによって内部的に計算される弾性体積ひずみ
- 多項式フォームを使用して、MATHEエントリの対応する係数(
、
)を指定することで、以下の材料タイプをモデル化できます。
物理Mooney-Rivlin材料(MOOR):
N1 = N2 =1(2) 縮約多項式(RPOLY):
q=0、N2 =1(3) Neo-Hooken材料(NEOH):
N1 = N2 =1、q=0(4) Yeoh材料(YEOH):
N1 =3 N2 =1、q=0(5) 一般化Mooney Rivlinモデル以外の材料モデルを以下に示します:
3項のMooney-Rivlin材料:(6) Signiorini材料:(7) 3次の不変材料:(8) 3次の変形材料(James-Green-Simpson):(9) - Arruda-Boyceモデル(ABOYCE)は次のように定義されます:
(10) ここで、
- 制限ロッキング伸長比の指標。
- 最大ロッキング伸長比。
- 体積変形に関係しています。材料の圧縮性を定義します。
- OptiStructによって内部的に計算される1番目のひずみ不変量。
- OptiStructによって内部的に計算される弾性体積ひずみ。
- 初期せん断係数
- Ogden材料モデル(OGDEN)は次のように定義されます:
(11) ここで、- 3つの偏差伸長比(偏差伸長比は によって主伸長比に関連付けられています)
- MUiフィールドで定義されます。
- ALPHAiフィールドで定義されます。
- NAフィールドで定義されるひずみエネルギー関数の偏差部分の次数
- Hillフォームモデル(FOAM)は次のように定義されます:
(12) ここで、- 主伸長比
- MUiフィールドで定義されます。
- ALPHAiフィールドで定義されます。
- BETAiフィールドで定義されます。
- NAフィールドで定義されるひずみエネルギー関数の次数
現在、Hill材料モデルは陽解法解析に対してのみサポートされています。
- Marlowモデルは、実験データに基づいてポテンシャルを直接設定する超弾性材料モデルです。したがって、変形テンソルの不変量に基づいた数式や、ポテンシャルの変形伸長に基づいた数式はありません。等容変形ポテンシャルは、試験データから求めます。指定できる試験は1つのみです。
単軸引張試験は等二軸圧縮試験と、単軸圧縮試験は等二軸引張試験と、平面引張試験は平面圧縮試験とそれぞれ同等です。引張試験データまたは圧縮試験データを指定できますが、両方を同時に指定することはできません。
Marlow材料モデルでは、NAフィールドを必ず2に設定する必要があります。
温度非依存の体積挙動については、D1を2行目の第5フィールドで指定する必要があります。また、NDを0に設定して、温度を3行目の第4フィールドで設定する必要があります。D1が温度によって変化している場合は、NDを1に設定する必要があり、D1を第4フィールド、温度を第5フィールドでそれぞれ指定します。
温度と伸長比はどちらも昇順で指定する必要があります。
Marlowの場合は、D1、TABD、またはポアソン比を設定して体積挙動を指定できます。D1またはTABDを指定できますが、両方を指定することはできません。- D1またはTABDを指定した場合、体積挙動はD1またはTABDで決まります。
- D1とTABDを指定せず、ポアソン比を指定した場合は、ポアソン比に基づいて体積挙動が決まります。
- D1、TABD、ポアソン比のいずれも指定しない場合は、デフォルトのポアソン比である0.495に基づいて体積挙動が決まります。
- ポアソン比と、D1またはTABDのいずれかを指定した場合は、D1またはTABDが優先されます。
- Marlowを除くすべての材料モデルでは、ポアソン比とD1の両方を指定した場合、ポアソン比が優先されます。
- 現在のMATTHEは、陰解法の大変位非線形解析のみでサポートされています。
- MATTHE超弾性材料は、CTETRA(4、10)、CPENTA(6、15)、CHEXA(8、20)の各要素タイプをサポートしています。
- HyperMeshでは、このカードは材料として表されます。