MAT9OR

バルクデータエントリ ソリッド要素用の、線形で温度非依存な直交異方性材料の材料特性を工学定数で定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
MAT9OR MID E1 E2 E3 NU12 NU23 NU31 RHO  
  G12 G23 G31 A1 A2 A3 TREF GE  
  RAYL ALPHA BETA            

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
MAT9OR 21 1e6 1e3 1e3 0.1 0.1   1e5  
  1e3 1e3   1e-6 1e-6 1e-6      

定義

フィールド 内容 SI単位の例
MID 材料識別番号。他のMAT1MAT2MAT8MAT9MAT9OR定義に対して固有である必要があります。

デフォルト無し(整数 > 0)

 
E1 1-方向の弾性定数。

デフォルトなし(実数)。

 
E2 2-方向の弾性定数。

デフォルトなし(実数)。

 
E3 3-方向の弾性定数。

デフォルトなし(実数)。

 
NU12 ポアソン比。これは、1方向の単位ひずみによる2方向のひずみです。 3

デフォルトなし(実数)。

 
NU23 ポアソン比。これは、2方向の単位ひずみによる3方向のひずみです。 3

デフォルトなし(実数)。

 
NU31 ポアソン比。これは、3方向の単位ひずみによる1方向のひずみです。このフィールドは、オプションのSYSSETTING(MAT9ORT)に基づいて、NU31(デフォルト)またはNU13のいずれかとして解釈されます。NU13の場合、このポアソン比は、3方向の単位ひずみによる1方向のひずみです。 3

デフォルト = NU23フィールドの値(実数)

 
RHO 質量密度。

デフォルトなし(実数)。

 
G12 平面1-2のせん断係数。  
G23 平面2-3のせん断係数。  
G31 平面3-1のせん断係数。  
Ai i-方向の線膨張係数

デフォルト = 0.0(実数)

 
TREF 熱荷重の計算における参照温度。

デフォルト = 空白(実数または空白)

 
GE 構造要素の減衰係数。 5

デフォルト = 0.0(実数)

 
RAYL 材料依存のレイリー減衰のための継続行フラグ。  
ALPHA 質量マトリックスのための材料依存のレイリー減衰係数。

デフォルト = 空白(実数 ≥ 0.0)

 
BETA 剛性マトリックスのための材料依存のレイリー減衰係数。

デフォルト = 空白(実数 ≥ 0.0)

 

コメント

  1. この入力定義は読み込み時に内部的に等価なMAT9定義に変換されます(コメント6)。これはエコー(ECHO / ECHOON / ECHOOFF)入力データに反映され全て伝達されます。
  2. 材料識別番号は、MAT1MAT2MAT8MAT9、およびMAT9ORのすべてのエントリの中で固有である必要があります。
  3. 一般的に、 v 12 v 21と同じではありませんが、それらは ν ij E i = ν ji E j で関連します。
    加えて、材料の安定化のためには以下の条件を満たす必要があります:(1)
    E i > ν ij 2 E j and 1 ν 12 ν 21 ν 23 ν 32 ν 31 ν 13 2 ν 21 ν 32 ν 13 > 0
  4. 9つの直交異方性定数全てを見つけるのは困難かもしれません。いくつかの特定の問題では、材料は平面内では等方性で(例えば平面1-2)、材料特性は法線方向のみの異方性に減少し、この平面の法線方向に異なる特性を持ちます。
    平面内の等方性では、特性値は以下の様に減少します:(2)
    E 1 = E 2 = E p ν 31 = ν 32 = ν np ν 13 = ν 23 = ν pn G 13 = G 23 = G n
    ここで、 ν np E n = ν pn E p および G p = E p 2 ( 1 + ν p )

    直交異方性用の5つの独立材料定数( E p MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGfbWaaSbaaSqaaiaadchaaeqaaaaa@3AC2@ E n MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGfbWaaSbaaSqaaiaadchaaeqaaaaa@3AC2@ v pn v npGn)があります。

    材料が平面内でのみ直交する面内異方性を持っている場合は、弾性定数が7つ(E1E2E3 v 12G12G23、およびG31)に削減されます。

  5. 減衰係数GEを取得するには、臨界減衰率の C / C 0 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaam4qaiaac+ cacaWGdbWaaSbaaSqaaiaaicdaaeqaaaaa@391F@ に2.0を掛けます。
  6. MAT9ORからMAT9への内部変換。MAT9エントリの材料特性フィールドは、次の式を使用してMAT9ORから内部的に計算されます:(3)
    G 11 = 1 ν 23 ν 32 E 2 E 3 Δ
    (4)
    G 22 = 1 ν 31 ν 13 E 3 E 1 Δ
    (5)
    G 33 = 1 ν 12 ν 21 E 1 E 2 Δ
    (6)
    G 44 = G 12
    (7)
    G 55 = G 23
    (8)
    G 66 = G 31
    (9)
    G 12 = G 21 = ν 21 + ν 31 ν 23 E 2 E 3 Δ = ν 12 + ν 13 ν 32 E 1 E 3 Δ
    (10)
    G 13 = G 31 = ν 31 + ν 21 ν 32 E 2 E 3 Δ = ν 13 + ν 12 ν 23 E 1 E 2 Δ
    (11)
    G 23 = G 32 = ν 32 + ν 31 ν 12 E 3 E 1 Δ = ν 23 + ν 13 ν 21 E 1 E 2 Δ

    ここで、

    Δ = 1 E 1 E 2 E 3 | 1 ν 21 ν 31 ν 12 1 ν 32 ν 13 ν 23 1 |

    上記の方程式に含まれる式の v E、およびGの値は、それぞれ、このMAT9ORエントリのNUijEi、およびGijフィールドから取得されます。ここで、i, j € {1,2,3}とG11、G22、G33、G44、G55、G66、G12、G13、およびG23(上記方程式を参照)の値を使用して、MAT9エントリのG11、G22、G33、G44、G55、G66、G12、G13、およびG23フィールドの値が設定されます(対称性により、G12=G21G13=G31、およびG23=G32)。MAT9エントリの残りの要素(つまりG14G15G24など)はゼロになります。