MATFVE
バルクデータエントリ 周波数依存性粘弾性材料の材料プロパティを定義します。
フォーマット1(TYPE=FORMULA)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | FORMULA | |||||||
R1 | I1 | a | R1k | I1k | b |
フォーマット2(TYPE=TABLE)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | TABLE | |||||||
TID1 | TID2 | TID3 | TID4 |
フォーマット3(TYPE=PRONY)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | PRONY | gD1 | tD1 | gB1 | tB1 | |||
gD2 | tD2 | gD3 | tD3 | gD4 | tD4 | gD5 | tD5 | ||
gB2 | tB2 | gB3 | tB2 | gB4 | tB4 | gB5 | tB5 |
フォーマット4(TYPE=PRELOAD)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | PRELOAD | |||||||
EUNIAXI | |||||||||
El | Es | f | |||||||
etc. | |||||||||
EVOLUME | |||||||||
Kl | Ks | f | J | ||||||
etc. |
フォーマット5(TYPE=RTEST)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | TYPE | etol | npmax | |||||
SHEAR | slong | ||||||||
gs(t) | t | ||||||||
同様 | |||||||||
BULK | blong | ||||||||
gk(t) | t | ||||||||
同様 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | TYPE | etol | npmax | |||||
COMB | slong | blong | |||||||
gs(t) | gk(t) | t | |||||||
同様 |
フォーマット6(TYPE=CTEST)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | TYPE | etol | npmax | |||||
SHEAR | slong | ||||||||
js(t) | t | ||||||||
同様 | |||||||||
BULK | blong | ||||||||
jk(t) | t | ||||||||
同様 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | MID | TYPE | etol | npmax | |||||
COMB | slong | blong | |||||||
js(t) | jk(t) | t | |||||||
同様 |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATFVE | 2 | PRONY | 0.25 | 5e-2 | 0.25 | 5e-2 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
MID | 固有の材料識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
TYPE | 周波数依存性粘弾性材料のモデルタイプ。
デフォルト値はありません。 |
|
R1 | FORMULAタイプの偏差部分の実数部。 デフォルト = 空白(実数) |
|
I1 | FORMULAタイプの偏差部分の虚数部。 デフォルト = 空白(実数) |
|
a | FORMULAタイプの偏差部分の実数。 デフォルト = 空白(実数) |
|
R1k | FORMULAタイプのバルク部分の実数部。 デフォルト = 空白(実数) |
|
I1k | FORMULAタイプのバルク部分の虚数部。 デフォルト = 空白(実数) |
|
b | FORMULAタイプのバルク部分の実数。 デフォルト = 空白(実数) |
|
TID1 | 偏差部分の実数部を指定するための表ID(TABLEDiのみ)。 デフォルト = 空白(整数 > 0) |
|
TID2 | 偏差部分の虚数部を指定するための表ID(TABLEDiのみ)。 デフォルト = 空白(整数 > 0) |
|
TID3 | バルク部分の実数部を指定するための表ID(TABLEDiのみ)。 デフォルト = 空白(整数 > 0) |
|
TID4 | バルク部分の虚数部を指定するための表ID(TABLEDiのみ)。 デフォルト = 空白(整数 > 0) |
|
gDi |
番目の偏差プロニー級数の弾性係数比。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
tDi |
番目の偏差プロニー級数の緩和時間。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
gBi |
番目のバルクプロニー級数の弾性係数比。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
tBi |
番目のバルクプロニー級数の緩和時間。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
EUNIAXI | TYPE = PRELOADの場合に、単軸試験からの貯蔵弾性係数と損失弾性係数を示すための継続行。 | |
EVOLUME | TYPE = PRELOADの場合に、体積試験からの貯蔵弾性係数と損失弾性係数を示すための継続行。 | |
El | 単軸損失弾性係数。 デフォルトなし(実数) |
|
Es | 単軸貯蔵弾性係数。 デフォルトなし(実数) |
|
f | 周波数。 デフォルトなし(実数 ≥ 0.0) |
|
単軸公称ひずみ。 デフォルトなし(実数) |
||
Kl | バルク損失弾性係数。 デフォルトなし(実数) |
|
Ks | バルク貯蔵弾性係数。 デフォルトなし(実数) |
|
J | 現在の体積と元の体積の間の体積比。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
SHEAR | せん断緩和 / クリープ試験からの試験データが次に続くことを示す継続行。 | |
BULK | 体積緩和 / クリープ試験からの試験データが次に続くことを示す継続行。 | |
COMB | せん断および体積の両方の緩和 / クリープ試験からの試験データが次に続くことを示す継続行。 | |
t | 時間。昇順で指定する必要があります。 デフォルトなし(実数 > 0.0) |
|
gs(t) | 正規化されたせん断係数。 デフォルトなし(0.0 ≤ 整数 ≤ 1.0) |
|
gk(t) | 正規化された体積弾性係数。 デフォルトなし(0.0 ≤ 整数 ≤ 1.0) |
|
js(t) | 正規化されたせん断コンプライアンス。 デフォルトなし(1.0 ≤ 実数) |
|
jk(t) | 正規化された体積弾性コンプライアンス。 デフォルトなし(1.0 ≤ 実数) |
|
etol | CTEST/RTEST材料キャリブレーションの許容誤差。
デフォルト = 0.0(0.0 ≤ 実数) |
|
npmax | CTEST/RTEST材料キャリブレーションのプロニー級数の項の最大数。 デフォルト = 5 (1 ≤ 整数 ≤ 5) |
|
slong | RTESTの正規化された長期せん断係数。 デフォルト = 空白(0.0 < 実数 < 1.0) CTESTの正規化された長期せん断コンプライアンス。 デフォルト = 空白(1.0 < 実数) |
|
blong | RTESTの正規化された長期体積弾性係数。 デフォルト = 空白(0.0 < 実数 < 1.0) CTESTの正規化された長期体積弾性コンプライアンス。 デフォルト = 空白(1.0 < 実数) |
コメント
- 長期応答は、弾性材料の記述で指定され、これは同じMIDを持っている必要があります。MATHE/MAT1/MAT9がサポートされています。
- CHEXA、CTETRA、CPENTA、およびCPYRA要素がサポートされています。
- 時間領域の偏差緩和の関数
が考慮されます。
MAT1/MAT9/MATHEエントリのMTIMEフィールドがLONG(デフォルト)に設定されている場合、入力された材料プロパティは、長期材料偏差入力係数( )と見なされ、式 1を使用して緩和を組み込んだ材料プロパティが計算されます。
(1) サブスクリプト は、プロニー級数の 番目の項を示します。
この方程式は、MATVEエントリの方程式と等価です。MATVEの方程式は以下を使用して書き直されます:(2) MAT1/MAT9/MATHEエントリのMTIMEフィールドがINSTANTに設定されている場合、入力された材料プロパティは、瞬時材料入力( )と見なされ、 の式 2は、緩和を組み込んだ材料プロパティの計算用に を置き換えることによって書き換えることができます。- 長期偏差弾性係数。
- プロニー級数偏差パラメータ。
- 緩和時間。
ここで、- 正規化された係数を示します。
- 緩和の弾性係数を示します。
- 正規化されたコンプライアンスを示します。
- クリープのコンプライアンスを示します。
このコメント内の方程式の例は、せん断緩和の計算を示しています。これらは、バルク緩和と似た方法で記述できます。
この 関数のフーリエ変換は次のとおりです:(3) フーリエ変換の後で、実数部と虚数部 、 および 、 は周波数依存となり、4とおりの方法(FORMULA、TABLE、PRONY、またはPRELOAD)で入力できます。
- TYPE=FORMULAの場合:
(5) (6) (7) (8) ここで、- 周波数。
- 、
- 偏差緩和関数のフーリエ変換の実数部と虚数部。
- 、
- バルク緩和関数のフーリエ変換の実数部と虚数部。
- TYPE=TABLEの場合:
- TID1
- を周波数 の関数として指定します。
- TID2
- を周波数 の関数として指定します。
- TID3
- を周波数 の関数として指定します。
- TID4
- を周波数 の関数として指定します。
ここで、- 角周波数。
- 、
- 偏差緩和関数のフーリエ変換の実数部と虚数部。
- 、
- バルク緩和関数のフーリエ変換の実数部と虚数部。
- TYPE=PRONYの場合、データ入力はMATVEカードと同じ意味を持ちます。貯蔵弾性係数と損失弾性係数は、時間領域プロニー級数のフーリエ変換の後で、以下のように算定されます。
(9) (10) (11) (12) ここで、- 、
- 偏差貯蔵弾性係数および偏差損失弾性係数。
- 、
- バルク貯蔵弾性係数およびバルク損失弾性係数。
- 、
- 長期材料弾性係数。
- 、
- ここで、 と は、それぞれ、せん断係数と体積弾性係数のプロニー級数パラメータです。
- 緩和時間。
- 角周波数。
(13) (14) (15) (16) ここで、- 角周波数。
- 、
- 偏差緩和関数のフーリエ変換の実数部と虚数部。
- 、
- バルク緩和関数のフーリエ変換の実数部と虚数部。
- TYPE= PRELOADの場合:
- EUNIAXI
- 単軸損失弾性係数、単軸貯蔵弾性係数、周波数 、単軸公称ひずみを指定するための試験データ。
- EVOLUME
- バルク損失弾性係数、バルク貯蔵弾性係数、周波数 、体積比(現行体積 / 初期体積)を指定するための試験データ。
- MODEL=RTEST/CTESTの場合:
緩和(RTEST)またはクリープ(CTEST)試験データはこの2つのタイプを使用して入力できます。この試験データは、内部的に、プロニー級数をキャリブレートするために使用されます。
クリープ試験データを使用すると、まず、重畳積分を使用してクリープ試験が緩和試験に変換されます。(17) ラプラス変換 は、次のように記述されます:(18) 関数 と のラプラス変換が を満たしている場合、プロニー級数のキャリブレーションが緩和試験に基づいて実行されます。- 正規化された弾性係数
- 正規化されたコンプライアンス
せん断試験データまたは体積試験データは、それぞれ、継続行SHEARまたはBULKを使用して入力できます。継続行COMBは、せん断試験データと体積試験データの両方を許可します。
- すべてのタイプについて、偏差成分とバルク成分の指定を同時に空白にすることはできません。
- 直接法による周波数応答解析のみがサポートされています。
- 直接法による周波数応答解析の前に、直接法による周波数解析のベース状態を確立する非線形LGDISP解析を行う必要があります。直接法による周波数解析のサブケース情報セクション内のSTATSUB(PRELOAD)は、この非線形LGDISP解析を指している必要があります。荷重なしのダミーの非線形LGDISP解析は、ベース状態が初期コンフィギュレーションであることを意味します。
- 時間領域と周波数領域の粘弾性挙動を共に指定することはできません。すなわち、MATVEとMATFVEを共に使用することはできません。