MATX36

バルクデータエントリ 幾何学的非線形解析用の区分線形弾塑性材料の追加の材料特性を定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
MATX36 MID EPSMAX EPST1 EPST2 EPSF FSMOOTH FCUT ICH  
  TPID PSCA              
  TID1 FSCA1 EPSR1            
  同様 同様 同様            
  TIDi FSCAi EPSRi            

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
MAT1 102 60.4   0.33 2.70E-06        
MATX36 102                
  10 1.0              
  7 1.0 0.0            

定義

フィールド 内容 SI単位の例
MID 関連付けられているMAT1の材料識別子。 1

デフォルトなし(整数 > 0)

 
EPSMAX 破壊塑性ひずみ ε max

デフォルト = 1030(実数 > 0)

 
EPST1 最大引張り破壊ひずみ。 5

デフォルト = 1030(実数 > 0)

 
EPST2 最大引張り破壊損傷。 6

デフォルト = 2.0*1030 (実数 > 0)

 
EPSF 要素が削除される引張ひずみ

デフォルト = 3.0*1030 (実数 > 0)

 
FSMOOTH ひずみ速度スムージングフラグ。
OFF(デフォルト)
ON
 
FCUT ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。シェルおよびソリッド要素用です。

デフォルト = 1030(実数 ≥ 0)

 
ICH 硬化係数。
0.0(デフォルト)
硬化は完全等方性モデルです。
1.0
硬化は運動学的Prager-Zieglerモデルです。
0.01.0
硬化は2つのモデル間で補間されます。

(実数 > 0)

 
TPID 圧力依存降伏応力関数を定義するTABLES1の識別番号。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
PSCA 圧力依存関数における応力のスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
TIDi 降伏応力と塑性ひずみの関係を表すEPSRiに対応する関数を定義するTABLES1の識別番号。それぞれのひずみ速度に対して個別の関数を定義する必要があります。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
FSCAi TIDiのスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
EPSRi ひずみ速度。ひずみ速度の値は、厳密に昇順で指定する必要があります。

(実数)

 

コメント

  1. 材料識別番号は、既存のMAT1バルクデータエントリの材料識別番号である必要があります。特定のMAT1には、MATXi材料拡張を1つだけ関連付けることができます。
  2. MATX36は、ANALYSIS = EXPDYNで定義される幾何学的非線形解析サブケースでのみ適用されます。他のすべてのサブケースでは無視されます。
  3. 降伏応力関数(塑性ひずみと応力の関係)の最初のポイントでは、塑性ひずみの値はゼロである必要があります。最初の(静的)関数における最後のポイントの応力が0に等しい場合、EPSMAXのデフォルト値は対応する塑性ひずみの値に設定されます。
  4. 塑性ひずみがEPSMAXに到達すると、要素は削除されます。
  5. 最初の主ひずみ ε 1 ε t1 = EPST1に到達すると、応力 σ は次のように減少します:(1)
    σ = σ ( ε t 2 ε 1 ε t 2 ε t 1 )
    ただし、 ε t2 = EPST2
  6. 最初の主ひずみ ε 1 ε t2 = EPST2に到達すると、応力は0に減少します(ただし要素は削除されません)。
  7. 最初の主ひずみ ε 1 ε f = EPSFに到達すると、要素は削除されます。
  8. ひずみ速度のフィルタリングは、ひずみ速度のスムージングに使用されます。入力のFCUTは、シェルおよびソリッド要素のみで利用できます。
  9. 硬化はICHによって定義されます。


    図 1.
  10. 運動学的硬化モデルは、全体定式化(PSHELX上のNIP=0)では利用できません。つまり、硬化は完全等方性です。
  11. 運動学的硬化およびひずみ速度依存の場合、降伏応力はひずみ速度に依存します。
  12. TPIDは、特定の材料の引張力および圧縮力の挙動(すなわち圧力依存降伏)を見分けるために使用されます。これは、シェル要素およびソリッド要素の両方に利用可能です。有効降伏応力は、公称降伏応力に、実際の圧力に対応する降伏ファクターPSCAを乗じることによって得られます。
  13. ひずみ速度値0から対応するひずみ速度EPSR1まで、最初の関数TID1が使用されます。ただし、モデルで使用する最後の関数は、最大ひずみ速度まで達しません。より高いひずみ速度では、線形外挿が適用されます。よって、 ε ˙ 0 EPSRiである場合、降伏応力はTIDiTIDi-1の間で補間されます。 ε ˙ 0 EPSR1である場合は、TID1が使用されます。EPSRAXを超えると、降伏応力は外挿されます。
  14. ひずみ速度の値は、厳密に昇順で指定する必要があります。それぞれのひずみ速度に対して個別の関数を定義する必要があります。
  15. 降伏応力対塑性ひずみの関数が定義される少なくとも1つのひずみ速度が必要です。
  16. HyperMeshでは、このカードは材料として表されます。