TIE

バルクデータエントリ タイド接触を定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
TIE TID PID SSID MSID DOF SRCHDIS ADJUST    
  DISCRET     GSETID ROT        

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
TIE 5   7 8   0.01      
  N25     2          

定義

フィールド 内容 SI単位の例
TID タイドインターフェース識別番号。 1

(整数 > 0)

 
PID 幾何学的非線形解析(Radiossインテグレーション)で定義されているプロパティエントリの識別番号。このフィールドは、幾何学的非線形解析(ANALYSIS=EXPDYN)でのみ有効です。

(整数 > 0)

 
SSID セカンダリエンティティの識別番号。 2 3
整数
このエンティティの識別番号を指定します。
<文字列>
このエンティティのユーザー定義の文字列ラベルを指定します。 12
(整数 > 0または<文字列>)
 
MSID メインエンティティの識別番号。 2 3
整数
このエンティティの識別番号を指定します。
<文字列>
このエンティティのユーザー定義の文字列ラベルを指定します。 12
(整数 > 0または<文字列>)
 
DOF MPCベースのTIE接触で結合される自由度を定義します。

デフォルト = 123 (整数、節点の場合は間に空白を挟まない最大6桁の各桁が一意な数字(0 < 数字 ≤ 6)を指定できます。これらの成分はセカンダリ節点が参照する出力座標系の成分です。

 
SRCHDIS 接触条件を作成するための検索距離基準。指定すると、メインサーフェスからSRCHDISの距離以内にあるセカンダリ節点でのみ接触条件がチェックされます。

デフォルト = メイン要素サイズの半分(実数 > 0または空白)

節点-節点間(N2N)の離散化の場合は、デフォルトは0.0です。

 
ADJUST シミュレーションの開始時の、メインサーフェス上でのセカンダリ節点の調整。 5
NO(デフォルト)
調整なし。
AUTO
メインサーフェス上の平均エッジ長の5%に等しい実数値が深さ基準として内部的に割り当てられます。
実数 ≥ 0.0
(接触要素が作成された)セカンダリ節点に対する検索が実行されるゾーンを定義する深さ基準の値。その後、これらのセカンダリ節点(接触要素が作成されている)がメインサーフェス上で調整されます。割り当てられた深さ基準は、押し出し方向の検索ゾーンを定義するために使用されます。
整数 > 0
TYPE=GRIDSETエントリの識別番号。このSETにも属するセカンダリエンティティ上の節点のみが、調整用に選択されます。

節点-節点間(N2N)の離散化の場合は、デフォルトはNOであり、他の離散化タイプと同様に、深さ基準に実数値を指定できます。AUTOと整数はN2N離散化には適用されません。

 
DISCRET 接触要素の構築に対する離散化アプローチのタイプ。 2 3
N2S
節点-サーフェス間の離散化。
S2S
サーフェス-サーフェス間の離散化。
N2N
節点-節点間の離散化。 3 11
空白(デフォルト)
セカンダリが節点セットではなく、熱伝導解析がない場合は、サーフェス-サーフェス間の離散化。その他の場合は、節点-サーフェス間の離散化。
 
GSETID 検索距離に関係なくTIE接触に含まれるセカンダリエンティティの節点を参照するSETエントリを識別します。したがって、GSETIDを介して識別される節点については、対応するメインサーフェスが使用できる場合、SRCHDISフィールドの値に関係なく、対応するTIE接触が生成されます。

この節点セットは常にセカンダリエンティティ内の節点のサブセットでなければなりません(SSIDフィールドで識別される)。

GSETIDフィールドはN2Nの離散化ではサポートされていません。
整数
このエンティティの識別番号を指定します。
<文字列>
このエンティティのユーザー定義の文字列ラベルを指定します。 12
空白(デフォルト)

(整数 > 0 または <文字列> または空白)

 
ROT TIE接触の回転自由度の拘束。 13
YES(デフォルト)
回転自由度は拘束されます。
NO
回転自由度は拘束されません。
DRILL
回転自由度は拘束され、メイン側がシェルの場合、セカンダリ節点のモーメントは力としてメイン側に伝達されます。
陽解法解析のみ。
 

コメント - 微小変位非線形解析

  1. TIEバルクデータエントリには、すべてのCONTACTバルクデータエントリに対して一意のIDが必要となります。TIEバルクデータエントリは、内部的にはFREEZEオプションが設定されたCONTACTバルクデータに変換されます。
  2. セカンダリエンティティ(SSID)は常に節点で構成されます。これは、下記のように指定できます:
    • SETカードを使用して定義された節点のセット。
    • SURFカードを使用して定義されたサーフェス(セカンダリ節点はSURF面の個別の節点から選択されます)。
    • SETカードを使用して定義された要素(シェルまたはソリッド)のセット。セカンダリ節点はセット内の要素のそれぞれの節点の中から選択されます。3次元ソリッドの場合は、ソリッドボディのサーフェス上の節点だけが選択され、内部節点は考慮されません。
    • 流体-構造連成モデルのMPCベースのTIE接触で構造側がセカンダリとして設定されている場合、OptiStructはエラーとなります。
    • セカンダリエンティティが節点のセットまたはソリッド要素のセットの場合は、= N2Sが推奨されます。詳細については、ユーザーズガイドの接触の離散化をご参照ください。
  3. メインエンティティ(MSID)は下記のように定義できます。
    • SURFカードを使用して定義されたサーフェス。
    • SETカードを使用して定義された要素(シェルまたはソリッド)のセット。3次元ソリッドのセットの場合、サーフェス上の要素面が自動的に検出され、メインサーフェスとして選択されます。
    • N2N離散化では、MSIDSETエントリによって定義された節点セットを参照する必要があります。
  4. TIE要素は、TYPE=FREEZECONTACT要素と同じ構造から作成されています。TIE要素は、接触面で相対運動を強制的にゼロにします。接触ギャップ開口量は元の値に固定され、スライディング距離は強制的に0となります。また、セカンダリ節点での回転はメインパッチの回転に合わせられます。詳細については、ユーザーズガイドの接触の離散化をご参照ください。
  5. SRCHDISおよびADJUSTの詳細については、ユーザーズガイドの接触インターフェースのパラメータ(接触の制御)をご参照ください。
  6. サーフェス-サーフェス間接触と節点-サーフェス間接触の接触安定化をアクティブ化するには、CNTSTBサブケース情報エントリとCNTSTBバルクデータエントリを使用します。また、PARAM, EXPERTNLバルクデータエントリを使用して接触の安定化をアクティブにできます。CNTSTBバルクデータエントリパラメータは、特定のサブケースのパラメータ値よりも優先されます。
  7. PENALTYベースおよびMPCベースという2つのタイプのTIE接触を利用可能です。それら2つのタイプは、CONTPRM,TIE,PENALTY/MPCを使用して切り替えることができます。MPCベースのTIEは、多点拘束を使用してメインサーフェスとセカンダリサーフェスの間のタイド接触を定義します。また、MPCは、CONTPRM, CONTMPC, YESを使用して<filename>_contmpc.femに出力できます。CONTPRM,TIE,MPCが指定されている場合、モデル内のすべてのTIE接触は、MPCベースの手法を使用して定義されます。SRCHDISおよびADJUSTの詳細については、ユーザーズガイドのラグランジュ乗数(MPCベース)をご参照ください。
  8. 形状最適化時に、N2Sオプションを使用して大きな形状変化をアクティブ化する必要があります。現在、大きな形状変化は、モデルにN2S接触、またはCGAP/CGAPG/CWELD/CFAST/CSEAM要素が含まれている場合にアクティブ化されます。
  9. TIE接触のサポート情報を以下の表に示します。
    TIE接触 線形静解析 線形過渡応答解析 非線形静解析 非線形過渡解析
    SMDISP LGDISP Implicit (SMDISP) Implicit (LGDISP) Explicit
    ペナルティベースのTIE YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES(デフォルト) Yes (自動)
    MPCベースのTIE YES(オプション) YES(オプション) YES(オプション) YES(オプション) YES(オプション) YES(オプション) YES(デフォルト)

    現在、小変位非線形解析および大変位非線形解析におけるMODCHGはは、MPCベースのTIEをサポートしません。

  10. 陰解法解析では、PENALTYベースのTIEがデフォルトです。一方、陽解法解析では、MPCベースのTIEがデフォルトです。陽解法解析では、OptiStructによってモデルに過剰な拘束条件が検出されると、関連するTIEが、PENALTYベースのTIEに自動的に切り替わります。
  11. 現時点では、N2N離散化は、微小変位非線形解析でのみサポートされています。
  12. 文字列ベースのラベルは、他のエンティティにより参照される際などに視認をより迅速にします。詳細については、文字列ラベルベースの入力ファイルをご参照ください。
  13. メイン側がシェルの陽解法解析では、TIEおよびfreeze CONTACTエントリーのROTフィールドにDRILLオプションを指定すると、以下のようにセカンダリ側のモーメントが(モーメントではなく)力として主節点に伝達されるようになります。メイン側をソリッドとする陽解法解析の場合、デフォルトでアクティブになり、ROTのフィールドは意味を持ちません。


    図 1.
    TIE接触の情報を以下に示します。
    TIE接触 線形静解析 線形過渡応答解析 非線形静解析 非線形過渡解析
    SMDISP LGDISP Implicit (SMDISP) Implicit (LGDISP) Explicit
    回転自由度(メイン側がシェルの場合) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES(デフォルト) YES (ROT=YESを介してオプション) YES(デフォルト) YES (ROT=YESを介してオプション) YES (ROT=YESを介してオプション)
    回転自由度(メイン側がソリッドの場合) YES(オプション) YES(オプション) YES(オプション) YES (ROT=YESを介してオプション) YES(オプション) YES (ROT=YESを介してオプション) YES(デフォルト)
  14. HyperMeshでは、このカードはグループとして表されます。