PCONTX

バルクデータエントリ 幾何学的非線形解析用のCONTACT面のプロパティを定義します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PCONTX PID STFAC FRIC GAP IDEL INACTI   CTYPE  
  TSTART TEND              
  ISYM IEDGE FANG IGAP ISTF STIF1 STMIN STMAX  
  VISS VISF BMULT IBC MULTIMP        
  IFRIC IFORM IFILTR FFAC          
  C1 C2 C3 C4 C5 C6      

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
PCONT 34                
PCONTX 34                

定義

フィールド 内容 SI単位の例
PID 関連するPCONTのプロパティ識別番号。

デフォルトなし(整数 > 0)

 
STFAC インターフェース剛性スケールファクター。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
FRIC Coulomb摩擦。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
GAP 衝撃アクティブ化のギャップ。 4 9

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
IDEL 節点およびセグメントの削除対象フラグ。
0
削除しません。
1
1つのセグメントに関連付けられているすべての要素(シェル、ソリッド)が削除された場合、インターフェースのメイン側からもそのセグメントを削除します。さらに、結合されていない節点をインターフェースのセカンダリ側から削除します。
2
シェルまたはソリッド要素が削除された場合、対応するセグメントをインターフェースのメイン側から削除します。さらに、結合されていない節点をインターフェースのセカンダリ側から削除します。

CONTPRMで定義されているデフォルト(整数 = 012

 
INACTI 初期貫通の処理対象フラグ。 11
0
処理を実行しません。
1
節点の剛性を非アクティブ化します。
2
要素の剛性を非アクティブ化します。
3
セカンダリ節点の座標を変更し、小規模な初期貫通が発生しないようにします。
4
メイン節点の座標を変更し、小規模な初期貫通が発生しないようにします。
5
ギャップは時間経過と共に変化しますが、初期ギャップは下記のようにわずかに貫通を受けます。 gap 0 = gap - P 0 - 0.05 * ( gap - P 0 )

CONTPRMで定義されているデフォルト(整数 = 0、…、5)

陽解法解析で有効な値:0, 1, 2, 3および5

陰解法解析で有効な値:0, 3および4.

無効なエントリは無視されます。

 
CTYPE 陰解法接触タイプ。

デフォルト = TYPE7(文字 = TYPE5またはTYPE7

 
TSTART 開始時間

デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0)

 
TEND 一時的な非アクティブ化の時間。

デフォルト = 1030(実数 ≥ 0)

 
下記のエントリは、陽解法解析にのみ関係します。  
ISYM 対称的な接触のフラグ。
SYM
対称的な接触。
UNSYM
メイン-セカンダリ間の接触。

SSIDで節点セットを定義している場合、接触は常にメイン-セカンダリ間接触になります。

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = SYMまたはUNSYM

 
IEDGE セカンダリサーフェスおよびメインサーフェスからのエッジ生成対象フラグ。
NO
エッジを生成しません。
ALL
セグメントのエッジをすべて含めます。
BORD
セカンダリサーフェスおよびメインサーフェスの外側の境界を使用します。
FEAT
外側の境界、およびFANGで定義したフィーチャーを使用します。

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = NOALLBORD、またはFEAT

 
FANG エッジ生成用のフィーチャー角度(IEDGE = FEATの場合のみ)。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
IGAP ギャップ定義フラグ。
CONST
ギャップを一定にしてGAPと等しくします。 9
VAR
衝撃を受けるサーフェスと節点の特性に応じて、(時間的ではなく空間的に)ギャップを変化させます。 10

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = CONSTまたはVAR

 
ISTF 剛性定義フラグ。 5
0
メイン側の特性に従って剛性を計算します。
1
STIF1をインターフェース剛性として使用します。
234、および5
メインおよびセカンダリの両方の特性から面剛性を計算します。

CONTPRMで定義されているデフォルト(整数 = 0、…、5)

 
STIF1 インターフェース剛性(ISTF = 1の場合のみ)。

デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0)

 
STMIN 最小剛性(ISTF > 1の場合のみ)。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
STMAX 最大剛性(ISTF > 1の場合のみ)。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
IBC セカンダリグリッドセットに適用された衝撃時点での境界条件を非アクティブ化するフラグ。

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = X、Y、Z、XY、XZ、YZ、またはXYZ

 
MULTIMP セカンダリ節点ごとの衝撃を受けるメインセグメントの最大平均数。

デフォルト = SMPの場合4、SPMDの場合12 (整数> 0)

 
VISS インターフェース剛性の臨界減衰係数。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
VISF 接触インターフェース摩擦の臨界減衰係数。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
BMULT ソート係数。ソートアルゴリズムの高速化に使用できます。マシン依存です。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 
IFRIC 摩擦定式化フラグ。 12
COUL
静的なCoulomb摩擦則。
GEN
汎用の粘性摩擦則。
DARM
Darmstad摩擦則。
REN
Renard摩擦則。

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = COULGENDARM、またはREN

 
IFORM 摩擦ペナルティ定式化のタイプ。 13
VISC
粘性(合計)の定式化。
STIFF
剛性(増分)の定式化。

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = VISCまたはSTIFF

 
IFILTR 摩擦フィルタリングフラグ。 14
NO
フィルターを使用しません。
SIMP
単純な数値フィルター。
PER
フィルタリング時間による標準の-3dBフィルター。
CUTF
カットオフ周波数による標準の-3dBフィルター。

CONTPRMで定義されているデフォルト(文字 = NOSIMPPER、またはCUTF

 
FFAC 摩擦フィルタリングファクター。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 = 0.0 ≤ FFAC < 1.0)

 
C1C2C3C4C5C6 IFRIC = GENDARM、またはRENで可変摩擦係数を定義するための係数。

CONTPRMで定義されているデフォルト(実数 ≥ 0)

 

コメント

  1. プロパティ識別番号は、既存のPCONTバルクデータエントリの番号である必要があります。特定のPCONTに関連付けることができるのは、1つのPCONTXプロパティ拡張のみです。
  2. PCONTXは、ANALYSIS = EXPDYNで定義される幾何学的非線形解析サブケースでのみ適用されます。他のすべてのサブケースでは無視されます。
  3. 幾何学的非線形解析の/INTERエントリでは、PCONTX/PCNTX#エントリでFRICが明示的に定義されていない場合は、CONTACTまたはPCONTエントリのMU1値がFRICに対して使用されます。定義されている場合は、PCONTX/PCNTX#FRICにより、CONTACT/PCONTMU1値が上書きされます。
  4. 陰解法解析では、セカンダリとメインのセットが重なったり(自己接触)、重ならなかったりする接触に対して異なる接触定式化が使用されます。

    自己接触の場合、ギャップのゼロはあり得ないため、一定のギャップが使用されます。小さな初期ギャップの場合、の方が初期ギャップよりも大きければ、収束はより安定し、収束までの時間も短縮されます。小さな初期ギャップの場合、GAPの方が初期ギャップよりも大きければ、収束はより安定し、収束までの時間も短縮されます。

    陰解法解析では、スケーリングファクターが縮小される(STFAC = 0.01など)剛性や衝撃を受ける厚さが縮小される(剛体の場合)剛性を使用すると、力の不均衡を低減し、収束が向上する場合があります。これは特に、実効剛性が膜剛性よりはるかに小さい構造や、曲げられているシェル構造などで顕著です。ただし、値が小さ過ぎても発散につながる可能性があるので注意してください。

  5. ISTF1の場合、インターフェース剛性Kはメインセグメント剛性Kmやセカンダリセグメント剛性Ksから算出されます。

    メイン剛性は、Km = STFAC * B * S * S/V(ソリッドの場合)およびKm = 0.5 * STFAC * E * t(シェルの場合)によって算出されます。

    セカンダリ剛性は、Ks = STFAC * B * V-3(ソリッドの場合)とKs = 0.5 * STFAC * E * t(シェルの場合)から算出される等価節点剛性です。

    これらの等式において、Bは体積弾性率、Sはセグメント面積、そしてVはソリッド体積です。剛性係数の値に対する制限はありません(ただし、値が1.0より大きいと、初期時間ステップが短くなる場合があります)。

    インターフェース剛性は、K = max (STMIN, min (STMAX, K1))と次の式で求められます。
    • ISTF = 0の場合、K1 = Km
    • ISTF = 2の場合、K1 = 0.5 * (Km + Ks)
    • ISTF = 3の場合、K1 = max (Km, Ks)
    • ISTF = 4の場合、K1 = min (Km, Ks)
    • ISTF = 5の場合、K1 = Km * Ks / (Km + Ks)
  6. 一定のギャップ(IGAP = CONST)のデフォルトは、下記の中で最も小さい値になります。
    • t(メインシェル要素の平均板厚)
    • l/10(lはメインソリッド要素の辺の平均長)
    • lmin/2(lminはすべてのメインセグメント(シェルまたはソリッド)の最も短い辺の長さ)
  7. 可変ギャップ(IGAP = VAR)は、gs + gmで計算します。
    ここで:
    • gm - 下記のようなメイン要素

      gm = t/2(t: メイン要素の厚さ)(シェル要素の場合)

      gm = 0(ソリッド要素の場合)

    • gs - 下記のようなセカンダリ節点のギャップ:

      gs = 0(セカンダリ節点がどの要素にも結合されていないか、ソリッドまたはスプリング要素にのみ結合されている場合)

      gs = t/2(tは、セカンダリ節点に結合されているシェル要素の最大厚)

      gs = 1/2✓S(トラスおよびビーム要素の場合)。Sは要素の断面です。

    セカンダリ節点が複数のシェルおよび/またはビームまたはトラスに結合されている場合は、計算された中で最も大きいセカンダリギャップが使用されます。

  8. INACTI= 34の使用は、初期貫通が小規模な場合にのみ推奨します。また、下記のような理由から、その使用には注意が必要です。
    • 変更した座標を元に戻すことはできません。
    • 接触面に複数のサーフェス層を定義すると、他の初期貫通が発生する可能性があります。
    • 節点がスプリング要素に属している場合、初期エネルギーが発生することがあります。
    INACTI = 5の場合は、下記のようになります。


    図 1.
  9. IFRICは摩擦モデルを定義します。

    IFRIC = COUL - FTFRIC * FNを伴うCoulomb摩擦。

    IFRIC > 0の場合、摩擦係数は関数( μ = μ (p, V))によって設定されます。ここで、pはメインセグメント上の垂直抗力の圧力、Vはセカンダリ節点の接線速度です。

    下記の式を使用できます。
    • IFRIC = 1 - 汎用の粘性摩擦則(1)
      m = FRIC + C 1 * p + C 2 * V + C 3 * p * v + C 4 * p 2 + C 5 * v 2
    • IFRIC = 2 - Darmstad則(2)
      m = C 1 e ( C 2 V ) p 2 + C 3 e ( C 4 V ) p + C 5 e ( C 6 V )
    • IFRIC = 3 - Renard則
      μ = C 1 + ( C 3 - C 1 ) V C 5 ( 2 - V C 5 ) 0 ≤ V ≤ C5
      μ = C 3 - ( ( C 3 - C 4 ) ( V - C 5 C 6 - C 5 ) 2 ( 3 - 2 V - C 5 C 6 - C 5 ) ) C5 ≤ V ≤ C6
      μ = C 2 - 1 1 C 2 - C 4 + ( V - C 6 ) 2 C6 ≤ V
      ここで:(3)
      C 1 = C 1 = μ s , C 2 = C 2 = μ d C 3 = C 3 = μ max , C 4 = C 4 = μ min C 5 = C 5 = V c r 1 , C 6 = C 6 = V c r 2
    • 最初の臨界速度のVcr1は0以外にする必要があります(C5 ≠ 0)。また、2番目の臨界速度Vcr2未満にする必要もあります(C5 < C6)。
    • 静止摩擦係数のC1と動摩擦係数のC2は、最大摩擦のC3より小さくする必要があります(C1C3かつC2C3)。
    • 最小摩擦係数C4は静摩擦係数のC1と動摩擦係数のC2より小さくする必要があります(C4C1かつC4C2)。
  10. IFORMは、2種類の接触摩擦ペナルティ定式化を選択します。
    粘性(合計)の定式化(IFORM = VISC)では、接着力は下記のように算出されます。(4)
    F adh = VISF * ( 2 KM ) * V T F T = min ( μ F N , F adh )
    剛性(増分)の定式化(IFORM = STIFF)では、接着力は下記のように算出されます。(5)
    F adh = F Told + Δ F T Δ F T = K * V T * dt F Tnew = min ( μ F N , F adh )
  11. IFILTRは、摩擦フィルタリング係数を算出する方法を定義します。IFILTRNOの場合、接線摩擦力はフィルターを使用して下記のようにスムージングされます。(6)
    F T = α * F T + ( 1 - α ) * F T - 1

    ここで、

    FT は接線力

    F'Tは時間tにおける接線力

    F'T-1は時間t-1における接線力

    αはフィルタリング係数

    IFILTR = SIMP conref="../../bank/solvers_symbols_equations_r_b.dita#reference_xh2_vkk_pw/o2_sym_alpha" /> = FFAC

    IFILTR = PER conref="../../bank/solvers_symbols_equations_r_b.dita#reference_xh2_vkk_pw/o2_sym_alpha" /> = 2πdt/FFAC, ここで、dt/T = FFAC, Tは、フィルタリング時間

    IFILTR = CUTF conref="../../bank/solvers_symbols_equations_r_b.dita#reference_xh2_vkk_pw/o2_sym_alpha" /> = 2π * FFAC * dt、ここで、FFACはカットオフ周波数

  12. このカードは、HyperMesh内のPCONTプロパティの拡張として表現されます。