整合性のある単位系

一般的に、OptiStructの実行では、その開始から終了まで整合性のある単位系に基づいて入力データを指定する必要があります。以下では、この重要な単位定義のシナリオをいくつか取り上げます。
  • 基本単位

    メートル法で広く使用されている標準単位系として国際単位系(SI)があります。SI単位系では、7つの基本単位が規定されています。これらの基本単位には相互の依存性はなく、基本単位以外の他の単位への依存性もありません。これら7つの基本単位から他のすべての単位を導くことができます。

    これら7つの基本単位は、7つの基本量である質量、長さ、時間、温度、電流、光度、物質量の単位です。これら7つの量のうち、構造解析で一般的に使用する基本測定量は、質量、長さ、時間、温度です。ここでは、主にこれら4つの基本量の単位を取り上げます

  • ベース単位

    ベース単位は、あらゆる単位系で一群の基本単位として定義されています。多くの場合、この単位群は合意上の標準プロセスまたは自然プロセスに基づいています。単位系にある他の単位は、これらのベース単位から導くことができます。SI単位系のベース単位は、キログラム(質量)、メートル(長さ)、秒(時間)、ケルビン(温度)です。他の3つのSI単位系ベース単位は、このセクションの目的から外れるので、ここでは取り上げません。

  • 誘導単位

    基本量から導かれる測定量は、誘導量と呼ばれます。誘導単位は、誘導量の表現に使用する単位です。その定義上、誘導単位はベース単位に依存しています。例えば、SI単位系で力の量を表す単位であるニュートン(N)は、質量(kg)、長さ(m)、時間(s)の単位から導かれ、1N = 1kg.m/s2と表されます。

  • 整合性のある単位群

    ベース単位およびそのベース単位と単位系で整合している誘導単位の集合として、整合性のある単位群が定義されます。使用している誘導単位群にベース単位との整合性がない場合は、それらの誘導単位を整合性のある単位群に変換したうえで、OptiStructのモデルにデータを取り込む必要があります。

    次の表は、さまざまな単位系のベース単位と整合している誘導単位を基本測定量ごとに示しています。

    SI単位系(メートル法)

    (kg、m、s)

    メートル法

    (トン、mm、s)

    英単位系

    (lbf.s2/インチ、インチ、s)

    英単位系

    (slug、フィート、s)

    ベース単位:        
    質量 kg トン lbf.s2/インチ slug
    長さ m mm in ft
    時間 s s s s
    誘導単位:        
    N N lbf lbf
    応力 Pa MPa psi lbf/ft2
    弾性係数 Pa MPa psi lbf/ft2
    密度 kg/m3 トン/mm3 lbf.s2/インチ4 slug/フィート3
    加速度 m/s2 mm/s2 インチ/s2 フィート/s2
    角加速度。 rad/s2 rad/s2 rad/s2 rad/s2
    速度 m/s mm/s インチ/s フィート/s
    角速度 rad/s rad/s rad/s rad/s
    エネルギー J N.mm lbf.インチ lbf.フィート
    電力 W N.mm/s lbf.インチ/s lbf.フィート/s
    鋼材特性:        
    密度 7.83E+3kg/m3 7.83E-9トン/mm3 7.33E-4lbf.s2/インチ4 1.52E+1slug/フィート3
    ヤング率 2.07E+11Pa 2.07E+5MPa 3.00E+7psi 4.32E+9lbf/フィート2
    重力:        
    重力加速度(g) 9.8m/s2 9.8E+3 mm/s2 386.0インチ/s2 32.17フィート/s2
    水(熱):        
    Conductivity 0.598W/m.K 0.598mW/mm.K    
    密度 1000 kg/m3 1.0E-9トン/mm3    
    比熱容量 4183J/kg.K 4.183E+9mJ/トン.K    
    水(ダルシー):        
    透過率 1.0E-7m2 0.1mm2    
    動的粘度 0.001Pa.s 1.0E-9MPa.s