ベントホール

各ベントホールは、CAD形状内と同じ位置にある個別のコンポーネントとして表す必要があります。

ベントホールは、ボイド材料とボイドプロパティを用いてモデル化されます。隙間ベントコンポーネントのすべての節点を繊維コンポーネントに結合する必要があります。密度、ヤング率および板厚は、エアバッグの繊維材料と同じ値を用いてボイドコンポーネントについて定義される必要があります。これらの値は、内部エアバッグ体積を保持するために役立つ、隙間コンポーネント間で定義されている接触で重要となります。

ベント隙間コンポーネントの材料と特性:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/VOID/2
Material void
#                RHO                   E
                8E-7                0.38
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/VOID/2
Property void
#              Thick
                 0.3
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
1つの要素が2つの異なるベントまたは多孔サーフェス定義内で参照されている場合、その要素は最後の定義で使用され、最初の定義からは消去されます(この制限は2017.2.3で削除されました)。


図 1. 青色はエアバッグ繊維、灰色はベントホール、赤色はエアバッグの残りの部分からベントホールを分離するコンポーネント
等エンタルピーのベントホール、およびベントホールをアクティブにするしきい値関数の定義(kg、mm、ms)
/MONVOL/FVMBAG1
……….
# Sid_vent     Ivent               Avent               Bvent
 666000015         1                   1                   0
#             Tstart               Tstop               dPdef              dtPdef             Idtpdef
                1E30                   0               1E-06                   0                   0
#  fct_IDt   fct_IDP   fct_IDA                       Fscalet             FscaleP             FscaleA
         0       123         0                             0                   0                   0
# fct_IDt'  fct_IDP'  fct_IDA'                      Fscalet'            FscaleP'            FscaleA'
         0         0         0                             0                   0                   0
………


/FUNCT/123
1 vent area scaling function
#                  X                   Y
                  -1                   0
                   0                   0
               1e-06                   0
               2e-06                   1
                   1                   1

ベントホールはTstartにおいて、もしくは Δ P d e f によって定義された超過圧力に達した際にアクティブ化されることが可能です。Tstartのみを使用するには、大きな Δ P d e f の値を定義します。Tstartのみを使用するには、大きな Δ P d e f の値を定義します。 Δ P d e f を使用する場合、1e-06GPa(1%の大気圧)を用いることが推奨されます。

Starterにより、各ベントホールに属する要素のリストが出力されます。
ELEM:    46991 <-> SH3N :   55089506 - VENT HOLE:        1
ELEM:    46992 <-> SH3N :   55089507 - VENT HOLE:        1
ELEM:    46993 <-> SH3N :   55089508 - VENT HOLE:        1
ELEM:    46994 <-> SH3N :   55089509 - VENT HOLE:        1
ELEM:    46995 <-> SH3N :   55089510 - VENT HOLE:        1
ELEM:    46996 <-> SH3N :   55089511 - VENT HOLE:        1
ELEM:    46997 <-> SH3N :   55089512 - VENT HOLE:        1
設計プロセス中、ベントホールの直径のバリエーションは、ベントホール領域を満たすためにいくつかの環状コンポーネントを生成することで簡略化できます。ベントホールの直径は、ベントホールサーフェスを定義するパートを変更することによって簡単に修正することが可能です。この手法を用いる際、ベントホールはVOIDプロパティを使ってモデル化することができません。これは、ベントホール要素のすべてがエアバッグの繊維に付加されているわけではないためです。簡略化された直交異方性LAW19もまた、円形ベントの繊維材料を表すために用いることができますが、低減された剛性のもののみです。


図 2. 可変直径のベントホール
スリットベントのエッジは、スリットベント近くの領域でエアバッグが正しく折りたたまれるよう、硬いスプリング/PROP/TYPE4に結合される必要があります。それらのスプリングは、スリットベントの長さを変化させるためにも使用できます。ベントの閉じたエッジは、開くことがないよう硬いスプリングを使用してモデル化する必要があります。




図 3. スリットベントのモデリング