陽解法の例題

浅い円筒型ルーフの中央点に強制速度が与えられます。この例題では陽解法アプローチを用います。

この例題の目的は、1つの不安定性を持つスナップスルー問題を検討することにあります。したがって、構造は荷重の下で曲げられます。結果は参考文献の解と比較されます。 1

使用されるオプションとキーワード

  • 陽解法ソルバー
  • T3シェル
  • 弾性および擬似静解析
  • 安定性、スナップスルー問題、および限界荷重
  • 境界条件(/BCS
  • 強制速度(/IMPVEL
  • 剛体(/RBODY

節点時刻歴は、圧力の出力を示しません。このような出力を点Cで得るためには、この点に剛体を生成する必要があります。点Cには一定の強制速度-0.01 ms-1 がZ方向に与えられます。その変位は時間に比例します。

境界条件は:
  • 辺BCはX方向並進とYとZ軸周りの回転が拘束されます(対称条件)。
  • 辺CDはY方向並進とXとZ軸周りの回転が拘束されます(対称条件)。
  • 辺DAはX、Y、Z方向並進とXとZ軸周りの回転が拘束されます。
  • 点CはX、Y方向並進と、X、Y、Z軸周りの回転が拘束されます。

rad_ex_fig_2-3
図 1. 境界条件

入力ファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

本例題で使用されるモデルファイルは下記のとおり:

SNAP_EXP*.rad

モデル概要

真っ直ぐな辺がピン拘束された浅い円筒ルーフがその中央点に強制速度を受けます。

単位: mm、ms、g、N、 MPa

形状データの寸法は図 2のとおりです:
l
254 mm
R
2540 mm
シェル厚
t = 12.7 mm
θ
0.1 rad

rad-ex-fig_2-6
図 2. 問題の形状データ
用いられた材料は線形弾性則に従い、以下の特性を持ちます:
材料特性
初期密度
7.85x10-3 [ g m m 3 ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaWaamWaaeaada WcaaqaaiaadEgaaeaacaWGTbGaamyBamaaCaaaleqabaGaaG4maaaa aaaakiaawUfacaGLDbaaaaa@3BBC@
ヤング率
3102.75 [ MPa ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaadaWadaqaai Gac2eacaGGqbGaaiyyaaGaay5waiaaw2faaaaa@3BE6@
ポアソン比
0.3

モデリング手法

構造は完全で、欠陥はありません。対称性を考慮して、シェルの1/4のみがモデル化されます(面 ABCD)。

規則的なメッシュで、全部で72個の3節点シェルで構成されます (図 3)。

rad_ex_fig_2-2
図 3. T3メッシュ
シェルプロパティ
厚さ
12.7 mm
BT弾塑性アワグラス定式化
Ishell= 3

結果

曲線とアニメーション

対称性のため全荷重の1/4のみが与えられます。このため、時刻歴として示される剛体の力Fzは力Pを得るために4倍される必要があります。

図 4 はスナップスルーの荷重辺曲線の特性を表します。この図はシェルの点Cにおける反力を鉛直変位の関数としてプロットしたものです。

rad_ex_fig_2-4
図 4. 点Cでの荷重P vs 変位: スナップスルーの不安定性

点Cの変位はその絶対値で示しています。曲線はスナップスルーの不安定性の特性を示しています。限界荷重を超えた後、シェルの崩壊のため、無限への荷重増加 Δ F z で大きな変位の増加 Δ q を引き起こすことになります。

最初の極値が限界荷重=2208.5 N(点Cの変位 = 10.5 mm)を定義します。

スナップスルー後の曲線の勾配の増加は、変形形状がより剛になることを示しています。

rad_ex_fig_2-5
図 5. 参考文献の曲線とRadiossを用いて得られた曲線の比較

2つの曲線の違いは変位の少ない領域(5 mmまで)では約10%で、曲線の高い非線形の領域(5mmと20 mmの間)ではもう少し大きく(15%)なっています。変位が20 mmを超えた領域では、曲線はより近くなっていることが確認できます。

参考文献から得られた結果との比較において、Radioss結果の精度は陽解法アプローチを用いた場合としては理想的です。
変形メッシュ(輪郭表示) – 変位ノルム
rad_ex_initial_config

初期形状

rad_ex_start_of_snap-thru

スナップスルーの開始

rad_ex_lg_motion

大移動フェーズ

rad_ex_stable_config

安定形状

rad_ex_struct_rigidity

新しい剛な構造での載荷