RD-E:0901 ビリヤード(プール)

プールゲームがモデル化され、1個のボールが15個のボールに衝突する間の運動量の伝達が示されます。

この例題の目的は、複数のボール間の運動量の伝達について調査することにあります。ペナルティ法とLagrange乗数法を用いた様々なインターフェースでの接触が解析されます。

使用されるオプションとキーワード

  • 16節点厚肉シェルと球形メッシュ(/PROP/TYPE20 (TSHELL)
  • Lagrange乗数法とペナルティ法を用いたTYPE7インターフェース(/INTER/TYPE7
  • TYPE16スライディングとライドインタオーフェース、2次曲面接触(/INTER/LAGMUL/TYPE16
  • 弾性衝撃
  • 運動量伝達と衝撃波
  • 初速度(/INIVEL
白い(キュー)ボールの全ての節点にX方向の初速度1.5 ms-1が与えられます。

rad_ex_fig_9-7
図 1. 衝突するボールの初期並進速度

テーブルの下側の面の全ての節点は完全に拘束されます(並進と回転)。

全てのボールの節点に重力が考慮されます。関数がZ方向の時間に対する重力加速度を定義します。重力は/GRAVでアクティブになります。

ex9_fig8
図 2. 重力関数(-0.00981 mm.ms-2

入力ファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

本例題で使用されるモデルファイルは下記のとおり:

BILLIARD_*.rad

モデル概要

プールはそれぞれが50.8 mmの直径の16のボールからなるゲームです。それは1800 mm x 900 mmの小さなビリヤードテーブル上で行われます。15のボールが隙間のないグループとして3角形上に配置されます。シューティング(キュー)ボールの初速度は1.5 ms-1に等しいと仮定されます。弾性反発が観察されます。

rad_ex_fig_9-1
図 3. プールゲーム

単位: mm、g、N、MPa。

材料は弾性(/MAT/LAW1)のままで以下の特性を持ちます:
材料プロパティ:ボール(フェノール樹脂)
初期密度
0.00137 g.mm-3
ヤング率
10500 [ MPa ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaadaWadaqaai Gac2eacaGGqbGaaiyyaaGaay5waiaaw2faaaaa@3BE6@
ポアソン比
0.3
材料プロパティ:フレーム(ポリマー)
初期密度
0.001 g.mm-3
ヤング率
1000 [ MPa ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaadaWadaqaai Gac2eacaGGqbGaaiyyaaGaay5waiaaw2faaaaa@3BE6@
ポアソン比
0.49
材料プロパティ:板(スレート)
初期密度
0.0028 g.mm-3
ヤング率
62000 [ MPa ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaadaWadaqaai Gac2eacaGGqbGaaiyyaaGaay5waiaaw2faaaaa@3BE6@
ポアソン比
0

モデリング手法

ボールは曲率を考慮して接触条件を改良するために16節点ソリッドシェル(2次要素)でメッシュ化されます。テーブルのフレームも用いられるインターフェースに適合するように16節点ソリッドシェルからなります。プレートは1要素のソリッド要素のみでモデル化されます。16節点厚肉シェルは、ソリッド要素として考えることができます。それらはTYPE20シェルプロパティ(2次16節点厚肉シェルのための番号16のソリッド定式化、2x2x2積分点の完全積分)で定義されます。

rad_ex_fig_9-2
図 4. プールゲームメッシュ

rad_ex_fig_9-3
図 5. ボールのメッシュ

rad_ex_fig_9-4
図 6. 16節点厚肉シェル要素
Lagrange乗数法のTYPE16インターフェースが ボール / ボール と ボール / テーブル の接触のモデル化に用いられます。インターフェースはそれぞれのボールに対して定義される必要があります(16のインターフェース)。追加のインターフェースがボールとテーブル(プレートとフレーム)の間の接触の定義のために用いられます。

rad_ex_fig_9-5
図 7. TYPE16インターフェース: セカンダリのSHEL16がボールでメインのSHEL16がテーブル

rad_ex_fig_9-6
図 8. ボール間の接触のために定義されるTYPE16インターフェースの例

セカンダリ節点(赤)はパートのサーフェスから取り出されます。

結果

曲線とアニメーション

ボールの多面体により、衝突するボールと衝突されボールの間の接触は完全には対称ではなく、運動量はボール間で一様には伝わりません。明らかに物理的に正確な一撃がこのような結果となります。

rad_ex_fig_9-8B
図 9.

rad_ex_fig_9-9
図 10. ボールの衝突
rad_ex_fig_9-10A rad_ex_fig_9-10B
rad_ex_fig_9-10C rad_ex_fig_9-10D
rad_ex_fig_9-10E rad_ex_fig_9-10F
図 11. ボールの移動の履歴(接触コントロール:TYPE16インターフェース)