RD-E:5502 回転するファンブレードと氷の衝突と破壊
2つの雹(ひょう)の球氷が『RD-E: 5501 ファンブレードの回転の初期設定』からのモデルに追加され、衝突した際のブレードの変形と破壊を検証します。
回転によるブレード内の応力が、Radioss状態ファイル/STATEの使用により説明されます。材料の破壊を考慮するために、Johnson-Cook破壊モデル/FAIL/JOHNSONがブレードの要素に適用されます。
使用されるオプションとキーワード
- 回転する構造内の遠心力プレロード
- 新規シミュレーション内にプレロード応力を適用するために用いられる状態ファイル(/STATE)
- 陰解法シミュレーションオプション(陰解法)
- 遠心力場(/LOAD/CENTRI)
- 軸周りの回転速度(/INIV/AXIS/Z/1)
- Engineファイルでの境界条件削除(/BCSR)
- Johnson-Cook破壊モデル(/FAIL/JOHNSON)
# To save the full stress use these 3 STATE SHELL options
/STATE/SHELL/STRESS/FULL
/STATE/SHELL/AUX/FULL
/STATE/SHELL/STRAIN/FULL
# time to write state file and which part
/STATE/DT
0.1 0.1
1
これで、雹の球氷のモデルと陰解法シミュレーションからの応力状態ファイルがフルシミュレーションに含まれました。ブレードの初期回転速度はEngineファイル(/INIV/AXIS/Z/1)に含まれますが、/INIVEL/AXISを使ってStarterにも追加できます。氷の衝突のシミュレーションは、0.08秒で実行されます。
入力ファイル
必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。
モデル概要
単位: mm、s、Mg、N、 MPa
- ブレードのチタン材料のプロパティ:
- 密度
- ヤング率
- 113400
- ポアソン比
- 0.342
- 降伏応力
- 1098
- 塑性硬化パラメータ
- 1092
- 塑性硬化指数
- 0.93
- 破壊材料特性
- D1
- -0.09
- D2
- 0.25
- D3
- -0.05
- D4
- 0.014
- Ifail_sh
- 1
- ケースのスチール材料のプロパティ
- 密度
- ヤング率
- 210000
- ポアソン比
- 0.3
- 降伏応力
- 200
- 塑性硬化パラメータ
- 450
- 塑性硬化指数
- 0.5
- 最大応力
- 425
- 球氷の材料のプロパティ
- 密度
- ヤング率
- 8304
- ポアソン比
- 0.2
- 降伏応力
- 10.3
- 球氷の材料のプロパティ
- 塑性硬化パラメータ
- 2500
- 塑性硬化指数
- ブレードの中央は、Rzを除いて全方向で拘束
- 強制回転速度 = 1000 = 104.72
- ケースのエッジは、X、Y、Z方向で完全に拘束されている
モデリング手法
本シミュレーションは、RD-E:5501 ファンブレードの回転の初期設定の結果をベースとしています。ブレードは、半径85 mm以下、重さ3.07 kgである2つの雹(ひょう)の衝撃を受けます。ブレード材料にJohnson-Cook破壊モデルが追加され、材料の破壊がどのようにモデル化されるかが示されます。Johnson-Cook破壊モデルは、応力の3軸性(正規化された平均応力)の関数として塑性破壊ひずみに関連します。詳細については、Radiossユーザーズガイド、/FAIL/JOHNSONおよび/FAIL/TAB1の材料をご参照ください。
結果
まとめ
定常状態の回転からのブレード内の応力は、別のシミュレーションからの状態ファイルを含めることで正しく考慮されます。このため、ケースに設計変更が行われる度にプレロードシミュレーションを実行する必要がなくなり、時間が節減されます。Johnson-Cook破壊モデルは、雹の球氷との衝突に由来したブレードの材料破壊を説明します。