RD-E:5102 ソリッドのトポロジー最適化

この例では、ソリッド要素のパートについてトポロジー最適化を設定する方法を示します。集中荷重が、剛体を用いてパートの上部全体に付与されます。フックの下部パートがトポロジー最適化の設計空間です。



図 1.
トポロジー最適化は、Altair Radioss/DTPLオプションを用いてシミュレーションできます。以下の典型的なトポロジー最適化セットアップオプションが使用されます。
  • 目的関数(この例の構造の体積を最小化)
  • 制約条件(この例で最大変位が5mm未満)
  • 設計変数(フックの例での設計のトポロジー最適化)

最適化セットアップには、最適化の目的関数、制約条件、設計変数および応答を定義する最適化入力ファイル<name>.radoptが必要です。

Radioss最適化の詳細については、ユーザーズガイド設計最適化をご参照ください。

使用されるオプションとキーワード

  • 最適化目的(/DESOBJ
  • 最適化の設計変数(/DTPL
  • 最適化設計応答(/DRESP1
  • 最適化設計制約(/DCONSTR

入力ファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

モデル概要

単位: mm、s、ton、N、MPa

  • 目的:フックの体積の最小化(材料節減のため)
  • 制約: 節点グループ120内の全変位の最大値を5.0 [mm]未満とする


図 2. 問題の詳細

詳細な最適化セットアップ



図 3. Radioss最適化のセットアップ

最適化目的

/DESOBJは、最適化の目的を定義するために使用します。この例では、目的は応答#10を最小にすることです。

応答#10は、定義済み最適化パートの体積である最適化の応答を定義します。

最適化ランRTYPE=3の応答タイプはVolume(体積)です。PTYPE=3およびgrpart=4は、最適化が行われる設計空間であるグループパートID4を定義しています。


図 4. Radioss最適化での最適化目的のセットアップ

最適化制約

この例題では、集中荷重下の全変位は、トポロジー最適化後のフックの品質を保証するために、5.0 mm未満に制限されます。<name>.radoptファイルで、選択された節点グループ(ID)の全変位を応答#11と設定し、応答#11の最大値を5.0に制限します。最適化の基準設定次第で、cmaxの値が異なる場合があります。



図 5. Radioss最適化での最適化制約条件のセットアップ

トポロジー最適化

トポロジー設計変数のいくつかのパラメータは/DTPLで定義できます。
TMIN
最小板厚
STRESS
応力の制約
MEMBSIZ
部材寸法制御
MESH
メッシュタイプ
DRAW
型抜き方向制約条件
EXTR
押し出し制約条件
PATRN
パターングルーピング
PATREP
パターン繰り返し


図 6. Radioss最適化での設計変数のセットアップ

部材寸法制御関数は、トポロジー下げの品質を向上させるためにMEMBSIZ=1を使って有効化されます。この例では、部材の最小直径がMINDIM=2.5に設定されます。MINDIM/DTPLで参照されるすべての要素の平均要素サイズの少なくとも3倍、最高で12倍までとすることが推奨されます。

トポロジー最適化での型抜き方向は、DRAW=1を用いてアクティブ化されます。これにより、設計がより簡単に製造できるようになります。DTYPは、型抜き方向の制約タイプを定義するために使用されます。この例題では、“single die”タイプ(DTYP=1)を使用します。

結果

  1. 最適化結果ファイルで最適化された設計が制約条件と目的を満たしているかを確認します。この情報は.outファイル(hook_opt.out)に出力されます。
    設計は良好
    FEASIBLE DESIGN (ALL CONSTRAINTS SATISFIED)
    設計は、定義された制約条件を満たしていない
    INFEASIBLE DESIGN (AT LEAST ONE CONSTRAINT VIOLATED)

    設計毎のRadiossシミュレーションが、解析中に生成された外部ディレクトリに含まれます。アニメーション結果はすべて、HyperView内のhook_opt.mvw セッションファイルを開くことによって読み込まれます。

  2. *.outファイル(hook_opt.out)で、最適化定義をチェック/確認します。Objective Function: Minimize VOLUMRun Type: Topology Optimizationなど。最適化結果は、hook_opt.hgdataファイルを使ってHyperGraphでプロットできます。
  3. Radiossで最適化を実行すると、同等のOptiStructモデルも自動的に作成され、*.femhook_opt.fem)という名前が付けられます。
各反復計算における最適化された目的の値を含んだhook_opt.esloutテキストファイルで、結果を確認します。


図 7. *esloutファイル内の各反復での最適化結果
設計空間の体積変化:
  • 元のモデルでは、体積は324.7 mm3
  • トポロジー最適化後、体積は251.0 mm3

トポロジー最適化後、異なる設計反復計算の要素密度をHyperViewhook_opt_des.h3d ファイルを使ってプロットできます。



図 8. フックの最適結果