Reference: Flexible Body Data
Model ElementReference_FlexDataには、弾性体の弾性についての圧縮表現が含まれています。弾性データは、有限要素ソルバーを使用して計算されます。ここでは完全な有限要素モデルが使用可能です。
フォーマット
<Reference_FlexData
!-- General Data
id = "integer"
num_nodes = "integer"
num_sel_modes = "integer"
num_sel_nodes = "integer"
!-- Frequency and damping data for each selected mode:
<ModeData>
!ID Frequency Eigenvalue Damping
integer real real real
... ... ... ...
... ... ... ...
integer real real real
integer real real real
</ModeData>
!-- Coordinates for nodes in the FE model that are attachment points in MMBS model:
<NodeData>
!ID X Y Z
integer real real real
... ... ... ...
... ... ... ...
integer real real real
!-- Mode participation at each node:
!-- Mode Shape Date
real real real real real real
... ... ... ... ... ...
... ... ... ... ... ...
real real real real real real
</NodeData>
!-- Mode load data
<ModeLoad
loadcase_id = "integer">
real real real real real real
... ... ... ... ... ...
... ... ... ... ... ...
real real real real real real
</ModeLoad>
</Reference_FlexData>
属性
- id
- 要素識別番号(整数 > 0)。この番号は、すべてのReference_FlexData要素の中で一意です。
- num_nodes
- 有限要素モデル内の節点の総数。これはアニメーションH3Dファイルの生成にのみ使用され、解析時にソルバーによって使用されることはありません。
- num_sel_modes
- 構造変形を近似するために選択されたモードの数。
- num_sel_nodes
- 弾性体内で選択された取り付け節点の数。これらは、マルチボディシステムの残りの部分を結合できる位置のみです。
- ModeData
- 各モードの周波数、固有値、減衰の内容を含むブロック。各行には、1つのモードのデータが含まれます。したがってブロック内の行の総数は、近似のために選択されたモードの数(num_sel_modes)と等しくなります。
- NodeData
-
このブロックには2つのタイプのデータが含まれます。
- 結合または取り付けごとに、最初のセクションに節点IDが含まれ、x、y、およびz座標が指定されます。したがってこのセクションブロックの行の総数は、弾性体で選択された取り付け節点の数と等しくなります。
- 2つ目のセクションには、選択した取り付け節点に対応するモードマトリクス(固有ベクトルのマトリクス)のサブマトリクスが含まれます。固有ベクトルは、それぞれの節点に6つの数を使用して、モード形状を表します。6つの数は、x-y-z-rx-ry-rzの方向に沿った、3つの並進と3つの回転を表します。書き出されるデータの総数は、m x 6 x nの実数になります。mはモードの数、nは取り付け節点の数です。
- ModeLoad
- このブロックは、弾性体に作用する分布荷重を定義します。このブロックには、以下が含まれます:
- 各荷重ケースを一意に識別する荷重ケースID。
- 各取り付け節点に対し、モード領域内で表現される荷重形状。取り付け節点ごとに6つの数が必要です。これらはx-y-z-rx-ry-rzの方向に沿った、3つの並進と3つの回転の荷重形状を表します。書き出されるデータの総数は、m x 6 x nの実数になります。mはモードの数、nは取り付け節点の数です。
- これらのモード荷重の適用の詳細については、Force_FlexModalをご参照ください。
例
次の例では、有限要素パッケージでモデル化された弾性ビームのサンプルのReference_FlexDataブロックを定義する方法を定義します。
この例では、システムを表すために5つのモードが選択されます。注目するのは2つの節点のみです。したがって、ModeDataブロックには、モードごとに1つで、合計5つの行のみが含まれます。各モードについて周波数、固有値、および減衰が指定されます。
NodeDataブロックの最初のセクションには、取り付け節点ごとに1つで、合計2つの行のみが含まれます。各行には、有限要素座標系での取り付け節点のx、y、およびz座標が含まれます。
NodeDataブロックの2つ目のセクションの冒頭は、コメント行< ! -- Mode Shape -- >で強調されています。このセクションには、選択した取り付け節点に対応するモードマトリクス(固有ベクトルのマトリクス)のサブマトリクスが含まれます。固有ベクトルは、それぞれの節点に6つの数を使用して、モード形状を表します。6つの数は、x-y-z-rx-ry-rzの6方向に沿った、3つの並進と3つの回転を表します。したがってこの例では、このブロックに合計で2(節点)x 6(方向)x 5(モード)= 60個の実数が含まれます。
<Reference_FlexData
id = "30102"
num_nodes = "1022"
num_sel_modes = "5"
num_sel_nodes = "2"
<ModeData>
<!-- ID Frequency Eigenvalue Damping -->
7 6.4452575E+01 1.6399900E+05 1.0000000E-02
8 1.0338486E+02 4.2196318E+05 1.0000000E-01
9 2.1686170E+02 1.8566343E+06 1.0000000E-01
10 2.6774032E+02 2.8300116E+06 1.0000000E-01
11 3.1573500E+02 3.9355563E+06 1.0000000E-01
</Modedata>
<NodeData>
<!-- ID X Y Z -->
1 0.0000000E+00 4.5000000E+02 1.0000000E+02
2 2.0000000E+03 4.5000000E+02 1.0000000E+02
< ! -– Mode Shape -- >
-2.0016610E-12 -3.1146127E-11 -1.0463994E-12 -7.8818224E-02 9.9948183E-16 -5.0132529E-14
-2.0316470E-12 1.3624248E-11 -4.6190430E-12 7.8818224E-02 2.2976755E-15 1.0490459E-13
-8.4480757E-13 -9.5041924E+00 -5.7284218E-13 -3.7457561E-13 -4.8099391E-16 2.1921467E-02
-8.6558880E-13 -9.5041924E+00 -4.6474500E-13 2.9942899E-13 2.7965653E-16 -2.1921467E-02
-1.4047549E-12 3.7081165E-11 -1.0573571E-12 7.8937836E-02 -4.0407423E-15 -1.8104730E-13
-1.4437841E-12 -5.3658567E-11 -2.5281771E-11 7.8937836E-02 2.3966120E-14 -2.2441784E-13
1.8954132E-11 -8.8077688E+00 -2.0888794E-11 6.8721417E-13 -8.4458821E-14 3.2114021E-02
1.9762763E-11 8.8077688E+00 -2.9536124E-11 1.4556200E-12 9.5128353E-14 3.2114021E-02
-9.9804008E-14 1.7957006E-01 1.5757001E-10 -9.6734036E-14 3.7112091E-13 -4.5129815E-03
1.0267903E-13 1.7957006E-01 2.0778279E-10 -1.0701907E-13 -4.0733611E-13 4.5129815E-03
</NodeData>
<ModeData>
<ModeLoad
<!-- Modal load case data -->
loadcase_id = "1">
1.6243920E+02 2.8073610E+02 3.6285810E+01 -1.3069250E+01 6.5632910E+00 1.3598110E+01 -1.5307840E-11 -4.9815570E-10
3.6324160E-12 -4.7501320E-10 3.7660410E-11 -9.9559950E+00 1.8458920E-10 2.0054970E-11 4.5258490E-09 1.1509760E-09
-1.7201510E-11 -4.4843990E-10 1.0502730E-11 -2.2920620E-09 -1.0390600E-09 5.6987730E-10 2.3400710E-09 -3.8906670E-08
-6.2068710E-08 -1.8886070E-10 5.1388250E-05 1.6765650E+01 -1.3354440E+01 6.2365120E-09 -3.6475840E+01 -1.9832710E-10
-3.1167670E+02 -1.9295680E-04 -8.7259110E+01
</ModeLoad>
</Reference_FlexData>
コメント
- MotionSolveは、区分モード合成法(CMS)を使用して3種類の圧縮をサポートしています。
- Craig-Bampton(CB):このアプローチは、インターフェース点を拘束した場合の固有モードとインターフェース点を拘束した場合の静的モードの2つのモードセットを使用します。
- Craig-Chang(CC):このアプローチは、インターフェース点をフリーとした場合の固有モードと慣性リリーフ解析による静的モードの2つのモードセットを使用します。
- Guyan縮約:これはCraig-Bamptonアプローチの特殊なケースで、ノーマルモードを計算しない場合です。拘束静的モードのみが計算され、すべてのモードが選択されます。質量マトリクスは集中質量で近似されます。
- Reference_FlexDataのデータは、次の4つの異なる情報ブロックに編成されます:
- 全般データブロック:選択されたモードの数、剛体プロパティ、インターフェースモードの数などに関する全般的な情報が含まれます。
- モードデータブロック:各モードの周波数、固有値、および減衰が含まれます。
- 節点データブロック:選択した取り付け節点の座標、および選択したそれぞれの取り付け節点に対応するモード形状が含まれます。
- モード荷重データブロック:弾性体に作用する分布荷重のモード説明が含まれます。このブロックは、弾性体に作用する分布力がある場合にのみ表示されます。
- CMSデータは、弾性体マルチボディモデルの作成にMotionViewとHyperMeshのどちらを使用しているかに関係なく、自動的に生成されます。どちらの場合も、データは自動的に生成され、一般的にはそれを変更する必要はありません。
- MotionViewは、弾性体に対して提供されるH3DファイルからReference_FlexData情報を計算し、これをMotionSolve XML入力ファイルに書き込みます。
- HyperMeshでは、モデルはまず、バルクデータファイルフォーマットでOptiStructにサブミットされます。OptiStructはバルクデータファイルでCMSMETHカードを調べ、見つかった場合は、区分モード合成解析が実行され、H3Dファイルが取得されます。その後、Reference_FlexDataを含むMotionSolve XML入力ファイルが生成され、MotionSolveにサブミットされます。
- 区分モード合成解析の実行方法の詳細については、OptiStructユーザーズガイドのFinite Element Analysisのトピックをご参照ください。
- 弾性情報は線形です。これは、弾性体は大きな剛体モーションを受けることができるが、線形の状態では小さな変形しか受けることができないことを意味します。物理的な変形は、数学的にはモード変形とモード状態の積の線形組み合わせとして表されます。この仮定に反すると、結果は正確ではなくなります。
- 線形表現は、エンジンの動作時のコネクティングロッドの変形、車両シミュレーション時のロアーコントロールアームの曲げ、通常動作時の翼のたわみなど、多くの物理現象に適しています。
- 座屈、遠心力による剛性向上、大変形接触などの現象では、追加データが必要となり、この実装を使用して正確にモデル化することはできません。
- 弾性体に対するすべての結合は、NodeDataブロックに含める必要があります。拘束および適用される力(およびトルク)は、必ず取り付け節点を介して作用する必要があります。MotionSolveにより、別の節点でコネクターを定義することはできますが、そのコネクターが取り付け節点にない場合、その節点での変形は無視されます。
- ModeDataブロックでのすべての周波数は、ゼロ以外である必要があります。言い換えれば、ModeDataブロックに剛体モードを含めることはできません。
- 高周波モードを臨界減衰、または過減衰させることをお勧めします。これらが臨界減衰または過減衰されない場合、これらのモードが励起されると、シミュレーションは大幅に遅くなる可能性があります。
- プリロードはサポートされていません。
- 現在、比例モード減衰のみがサポートされています。
- Craig-BamptonとCraig-ChangのCMS手法の比較を次の表に示します。
表 1. 表1:Craig-BamptonモードとCraig-Changモードの比較 アイテム Craig-Bampton CMS Craig-Chang CMS 説明 固定インターフェース固有モードと固定インターフェース拘束静的モード。 自由-自由固有モードと慣性リリーフ結合静的モード。 剛体モードの扱い フルセットの静的モード内に組み込み済み。 自由-自由固有モードの必須部分。 ノーマルモード フルノーマルモードのサブセットを選択できます。 すべてのノーマルモードが保持される場合、Craig-Bamptonにより正確な解が得られます。
フルノーマルモードのサブセットを選択できます。 すべてのノーマルモードが保持される場合でも、Craig-Changでは正確な解が得られません。
静的モード フルセットの拘束モードを必ず含める必要があります。 フル結合静的モードのサブセットを選択できます。 慣性リリーフ Craig-Bamptonには慣性リリーフモードを使用するための用意はありません。 Craig-Changは、慣性リリーフモードを使用して、破棄されたノーマルモードの弾性を考慮します。これにより収束が向上する効果が得られる場合があります。 慣性リリーフモードは、拘束モードより計算コストがかかります。
使用法 Craig-Bamptonは、高周波が対象外の解析に特に適しています。 - Craig-Bampton手法には次のような利点があります:
- シンプルな定式化であり、実装が容易です。例えば、明示的な境界条件を処理でき、剛性マトリクスの直接アセンブリが可能です。
- 精度が高く、特に取り付け節点においては、すべてのノーマルモードが保持されていれば正確な解が得られます。
- Craig-Bamptonプロセスは、数値的に堅牢で、マトリクス反転を必要としません。
- Craig-Bampton手法には次のような欠点があります:
- 取り付け節点の数が非常に多い場合(取り付け節点の数 >> ノーマルモードの数の場合など)、この手法は、弾性体の挙動を説明するためのノーマルモードに悪影響が出るほどに、静的モードを好みます。
- 取り付け節点の数が非常に多い場合、弾性体のモード表現は大きくなる可能性があります。
- この手法は、固定境界の管理が困難で繊細なため、実験的なテストおよび検証が困難です。
- Craig-Chang手法には次のような利点があります:
- 精度が高く、特に取り付け節点においては、正確な解が得られます。
- 解析プロセスから結合自由度が除かれるため、取り付け節点の数に影響を受けません。
- 実験による検証との相性が抜群です。自由結合は固定境界より管理が容易です。
- Craig-Chang手法は、非常に効率的に実装できるため、大規模システムに適しています。
- 以下の参考文献では、区分モード合成に関するさらに有用な情報を提供しています:
- R.R.CraigおよびM.C.Bampton、Coupling of substructures for dynamic analyses、AIAAJournal、6:1313-1319、1968年。
- R.R.CraigおよびC. Chang、Free-interface methods of substructure coupling for dynamic analysis、AIAA Journal、14:1633-1635、1976年。
- A.A.Shabana、Substructure synthesis methods for dynamic analysis of multi-body systems、Computers & Structures、20:737-744、1985年。
- R.H.MacNeal、A hybrid method of component mode synthesis、Computers & Structures、1(4):581-601、1971年。