/MAT/LAW65 (ELASTOMER)

ブロックフォーマットのキーワード この材料則は、ひずみ速度依存載荷挙動および除荷挙動を伴う非線形弾塑性材料を記述します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MAT/LAW65/mat_ID/unit_IDまたは/MAT/ELASTOMER/mat_ID/unit_ID
mat_title
ρ i                
E υ ε p m a x        
Nrate Fsmooth Fcut            
Nrate 時間 (荷重関数と除荷関数の各ペアごとに1行)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
fct_IDld fct_IDul Fscalestress ε ˙        

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
mat_title 材料のタイトル

(文字、最大100文字)

 
ρ i 初期密度

(実数)

[ kg m 3 ]
E ヤング率

(実数)

[ Pa ]
υ ポアソン比

(実数)

 
ε p m a x 破壊塑性ひずみ。

(実数)

 
Nrate 荷重関数と除荷関数のペア数

デフォルト = 50(整数)

 
Fsmooth ひずみ速度平滑化フラグ
= 0(デフォルト)
ひずみ速度フィルタリングなし
= 1
ひずみ速度フィルタリングあり

(整数)

 
Fcut ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。

デフォルト = 1030(実数)

[Hz]
fct_IDld 載荷用の真応力-真ひずみ関数識別子

(整数)

 
fct_IDul 除荷用の真応力-真ひずみ関数識別子

(整数)

 
Fscalestress 応力スケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

[ Pa ]
ε ˙ ひずみ速度。

デフォルト = 1.0(実数)

[ 1 s ]

例(Nitinol)

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat
                  kg                  mm                  ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/LAW65/1/1
nitinol-like material
#              RHO_I
                6E-6                   
#                 E0                  NU             EPS_max
                  50                  .3                   0
#    Nrate   Fsmooth                Fcut
         1         1                   0
#FUNC_IDld FUNC_IDul       FSCALESTRESS             EPS_rate
         3         4                   1                   0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  3. FUNCTIONS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/3
Loading_stress_strain
#                  X                   Y
                   0                   0                                                            
               .0085                 .35                                                            
               .0575                 .55                                                            
                .077               1.262                                                            
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/4
Unloading_stress_strain
#                  X                   Y
                   0                   0                                                            
               .0055                .199                                                            
               .0502                 .25                                                            
                .077               1.245                                                            
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
/END
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. この材料則は、指定されたひずみ速度における載荷用および除荷の真応力-真ひずみ関数のペアによって定義されます。すべての曲線が、点(0,0)から始まり、単調に増加する必要があります。対応するひずみ速度について、すべての除荷曲線が載荷曲線を下回る必要があります。
  2. ひずみ速度の速い載荷 / 除荷曲線( ε ˙ 2 )は、ひずみ速度の遅い曲線( ε ˙ 1 )より上にある必要があります。中間のひずみ速度では、 ε ˙ 2 ε ˙ 1 の間の曲線は、線形に補間されます。指定された最大ひずみ速度より早いひずみ速度では、曲線は外挿されます。ひずみ速度が速い場合の不安定さを回避するために、最後の曲線を2回複製することをお勧めします。
  3. 降伏応力は、載荷曲線と除荷曲線の交点で決定されます。
  4. 載荷曲線と除荷曲線が交差する前に荷重が除去された場合は、除荷がヒステリシスを伴う超弾性経路を辿ります(Fig. 1)。この経路は、除荷曲線と交差するまでは、ヤング率Eの値に基づいて計算されます。その後は、除荷曲線を辿って初期状態(0,0)に戻ります。

    載荷曲線と除荷曲線が交差した後で荷重が除去された場合は、除荷曲線が塑性ひずみの値だけシフトされます(Fig. 2)。

  5. ヤング率は、すべての応力-ひずみ曲線の最大傾斜より大きい必要があります。前述したように、ヤング率は、載荷曲線と除荷曲線間の除荷経路を決定するために使用されます。
  6. ε p が1つの積分点で ε p m a x に到達してから、要素タイプに基づく場合:
    • シェル要素:

      対応するシェル要素が削除されます。

    • ソリッド要素:

      対応する積分点の偏差応力には永久に0が設定されますが、ソリッド要素は削除されません。


    mat_law65_strain-stress
    図 1. 一定のひずみ速度における載荷および除荷の関数セット - 超弾性載荷 / 除荷

    mat_law65_plasticstrain
    図 2. 塑性ケースでは、除荷曲線が実際の塑性ひずみの値だけシフトされる