/MAT/LAW60 (PLAS_T3)

ブロックフォーマットのキーワードこの材料則は、多様なひずみ速度の応力-ひずみ曲線（塑性ひずみと応力の関係の曲線）の加工硬化部について、ユーザー定義関数を使用して等方性弾塑性材料をモデル化します。

降伏応力が関数からの非線形補間であることを除き、LAW36と同様です。

フォーマット

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(7)	(9)
/MAT/LAW60/`mat_ID`/`unit_ID`または/MAT/PLAS_T3/`mat_ID`/`unit_ID`
`mat_title`
$ρ_{i}$
`E`		$ν$		$ε_{p}^{m a x}$	$ε_{t}$	$ε_{m}$
`N`_funct	`F`_smooth	`C`_hard		`F`_cut
`fct_ID`_p	`Fscale`		`fct_ID`_E	`E`_inf	`C`_E
`fct_ID`₁	`fct_ID`₂	`fct_ID`₃	`fct_ID`₄	`fct_ID`₅

6 ≤ N_funct ≤ 10の場合のみ読み込み

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(6)	(7)	(8)	(9)	(10)
`fct_ID`₆	`fct_ID`₇	`fct_ID`₈	`fct_ID`₉	`fct_ID`₁₀

常に読み込み

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(6)	(7)	(8)	(9)	(10)
`Fscale`₁		`Fscale`₂		`Fscale`₃		`Fscale`₄		`Fscale`₅

6 < N_funct < 10の場合のみ読み込み

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(6)	(7)	(8)	(9)	(10)
`Fscale`₆		`Fscale`₇		`Fscale`₈		`Fscale`₉		`Fscale`₁₀

常に読み込み

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(6)	(7)	(8)	(9)	(10)
${\dot{ε}}_{1}$		${\dot{ε}}_{2}$		${\dot{ε}}_{3}$		${\dot{ε}}_{4}$		${\dot{ε}}_{5}$

6 ≤ N_funct ≤ 10の場合のみ読み込み

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(6)	(7)	(8)	(9)	(10)
${\dot{ε}}_{6}$		${\dot{ε}}_{7}$		${\dot{ε}}_{8}$		${\dot{ε}}_{9}$		${\dot{ε}}_{10}$

定義

フィールド	内容	SI単位の例
`mat_ID`	材料識別子（整数、最大10桁）
`unit_ID`	単位識別子。（整数、最大10桁）
`mat_title`	材料のタイトル（文字、最大100文字）
$ρ_{i}$	初期密度（実数）	$[\frac{kg}{m^{3}}]$
`E`	ヤング率（実数）	$[Pa]$
$ν$	ポアソン比（実数）
$ε_{p}^{m a x}$	破壊塑性ひずみ。デフォルト = 1.0 × 10³⁰（実数）
$ε_{t}$	応力が減少し始める引張破壊ひずみ。デフォルト = 1.0 x 10³⁰（実数）
$ε_{m}$	要素が削除される最大引張破壊ひずみデフォルト = 2.0 x 10³⁰（実数）
`N`_funct	関数の数4 <`N`_funct < 10であることが必要デフォルト ≤ 10（整数）
`F`_smooth	ひずみ速度スムージングオプションフラグ。 = 0（デフォルト）ひずみ速度を平滑化しません。 = 1 ひずみ速度スムージングはアクティブ。（整数）
`C`_hard	硬化係数。 = 0 硬化は完全等方性モデルです。 = 1 硬化はPrager-Ziegler運動モデル = 0～1の値硬化は2つのモデル間で補間されます（実数）
`F`_cut	ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。 7 デフォルト = 1.0 × 10³⁰（実数）	$[Hz]$
`fct_ID`_p	圧力対降伏係数の関数。 9 デフォルト = 0（整数）
`Fscale`	`fct_ID`_pの降伏係数のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`fct_ID`_E	ヤング率のスケールファクターの関数ID（ヤング率が塑性ひずみの関数である場合） 6 デフォルト = 0：この場合はヤング率の進展は`E`_infおよび`C`_Eに応じて決まります。（整数）
`E`_inf	無限の塑性ひずみに対する飽和ヤング率（実数）	$[Pa]$
`C`_E	ヤング率進展のパラメータ（実数）
`fct_ID`₁	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{1}$ に対応する降伏応力関数1の識別子（整数）
`fct_ID`₂	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{2}$ に対応する降伏応力関数2の識別子（整数）
`fct_ID`₃	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{3}$ に対応する降伏応力関数3の識別子（整数）
`fct_ID`₄	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{4}$ に対応する降伏応力関数4の識別子（整数）
`fct_ID`₅	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{5}$ に対応する降伏応力関数5の識別子（整数）
`fct_ID`₆	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{6}$ に対応する降伏応力関数6の識別子（整数）
`fct_ID`₇	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{7}$ に対応する降伏応力関数7の識別子（整数）
`fct_ID`₈	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{8}$ に対応する降伏応力関数8の識別子（整数）
`fct_ID`₉	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{9}$ に対応する降伏応力関数9の識別子（整数）
`fct_ID`₁₀	ひずみ速度 ${\dot{ε}}_{10}$ に対応する降伏応力関数10の識別子（整数）
`Fscale`₁	`fct_ID`₁の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₂	`fct_ID`₂の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₃	`fct_ID`₃の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₄	`fct_ID`₄の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₅	`fct_ID`₅の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₆	`fct_ID`₆の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₇	`fct_ID`₇の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₈	`fct_ID`₈の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₉	`fct_ID`₉の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
`Fscale`₁₀	`fct_ID`₁₀の縦軸（応力）のスケールファクターデフォルト = 1.0（実数）	$[Pa]$
${\dot{ε}}_{1}$	ひずみ速度1 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{2}$	ひずみ速度2 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{3}$	ひずみ速度3 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{4}$	ひずみ速度4 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{5}$	ひずみ速度5 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{6}$	ひずみ速度6 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{7}$	ひずみ速度7 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{8}$	ひずみ速度8 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{9}$	ひずみ速度9 （実数）	$[\frac{1}{s}]$
${\dot{ε}}_{10}$	ひずみ速度10 （実数）	$[\frac{1}{s}]$

例（アルミニウム）

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat
                   g                  mm                  ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/LAW60/1/1
Aluminium_example
#              RHO_I
               .0027 
#                  E                  Nu           Eps_p_max               Eps_t               Eps_m
               60400                 .33                   0                   0                   0
#  N_funct  F_smooth              C_hard               F_cut                
         4         0                   0                   0                    
#  fct_IDp              Fscale   Fct_IDE                EInf                  CE
         0                   0         0                   0                   0
# Funtions
         1         2         3         4
# Scale factors          Fscale_5
                   1                 1.2                 1.4                 1.6
# Strain rates          Eps_dot_5
                   0                  20                  30                  40
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  3. FUNCTIONS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/1
function_36
#                  X                   Y
                   0                  90                                                            
              2.5E-4                 100                                                           
                .001                 104                                                           
                .009                 121                                                            
                .017                 136                                                            
                .021                 143                                                           
                .036                 156                                                           
                .045                 162                                                         
                .055                 165                                                           
                .072                 170                                                           
                .075                 170                                                             
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/2
function_36
#                  X                   Y
                   0                  90                                                            
              2.5E-4                 100                                                           
                .001                 104                                                           
                .009                 121                                                            
                .017                 136                                                            
                .021                 143                                                           
                .036                 156                                                           
                .045                 162                                                         
                .055                 165                                                           
                .072                 170                                                           
                .075                 170                                                             
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/3
function_36
#                  X                   Y
                   0                  90                                                            
              2.5E-4                 100                                                           
                .001                 104                                                           
                .009                 121                                                            
                .017                 136                                                            
                .021                 143                                                           
                .036                 156                                                           
                .045                 162                                                         
                .055                 165                                                           
                .072                 170                                                           
                .075                 170                                                             
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/4
function_36
#                  X                   Y
                   0                  90                                                            
              2.5E-4                 100                                                           
                .001                 104                                                           
                .009                 121                                                            
                .017                 136                                                            
                .021                 143                                                           
                .036                 156                                                           
                .045                 162                                                         
                .055                 165                                                           
                .072                 170                                                           
                .075                 170                                                             
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

降伏応力関数（塑性ひずみと応力の関係）の最初のポイントでは、塑性ひずみの値はゼロである必要があります。最初の（静的）関数の最後のポイントの応力が0に等しい場合、 $ε_{p}^{m a x}$ のデフォルト値は $ε_{p}$ の対応値に設定されます。
$ε_{p}$ （塑性ひずみ）が1つの積分点で $ε_{p}^{m a x}$ に到達すると要素が削除されます。
最大主ひずみが $ε_{1} > ε_{t}$ の場合、応力は次の関係式に従って減少します：(1)
$σ = σ (\frac{ε_{m} - ε_{1}}{ε_{m} - ε_{t}})$
$ε_{1} > ε_{m}$ の場合、要素は削除されます。
全体定式化では移動硬化モデルを使用できません（硬化は完全に等方性です）。
移動硬化およびひずみ速度依存の場合、降伏応力はひずみ速度に依存します。
ひずみ速度フィルタリング入力（F_cut）は、シェル要素およびソリッド要素のみで使用できます。
ひずみ速度のフィルタリングは、ひずみ速度のスムージングに使用されます。
fct_ID_pは、特定の材料の引張力および圧縮力の挙動（すなわち圧力依存降伏）を見分けるために使用されます。これは、ソリッド要素でのみ使用できます。したがって、有効降伏応力は公称降伏応力に実際の圧力に対応する降伏係数を乗じることによって得られます。

図 1.
${\dot{ε}}_{n} \leq \dot{ε} \leq {\dot{ε}}_{n + 1}$ の場合、降伏応力は、f_n-1、f_n、f_n+1、f_n+2の各関数間での3次補間になります。
$\dot{ε} \leq {\dot{ε}}_{1}$ の場合、降伏応力は関数 $f_{1}$ 、 $f_{2}$ および $f_{3}$ の間で補間されます。
${\dot{ε}}_{Nfunc - 1} \leq \dot{ε} \leq {\dot{ε}}_{Nfunc}$ の場合、降伏応力は、f_Nfunc-3、f_Nfunc-2、f_Nfunc-1およびf_Nfuncの各関数間で外挿されます。
$\dot{ε} > {\dot{ε}}_{Nfunc}$ の場合、降伏応力は、関数f_Nfunc-2、f_Nfunc-1およびf_Nfuncの間で外挿されます。

図 2.
ひずみ依存を記述する関数は、ひずみ速度値別に定義する必要があります。
ひずみ速度の値は、厳密に昇順で指定する必要があります。
ヤング率の進展：
- fct_ID_E > 0であれば、この曲線は等価な塑性ひずみによるヤング率の進展に対するスケールファクターを定義します。これは、関数 $f ({\bar{ε}}_{p})$ によって以下のようにヤング率がスケーリングされることを意味します：
  - $E (t) = E \cdot f ({\bar{ε}}_{p})$
    このスケールファクターの初期値は1で、この値から減少していきます。
  - fct_ID_E = 0の場合、ヤング率は次のように計算されます：(2)
    $E (t) = E - (E - E_{\inf}) [1 - exp (- C_{E} {\bar{ε}}_{p})]$
ここで、

EとE_infはそれぞれ初期と漸近するヤング率の値で、 ${\bar{ε}}_{p}$ は累積の相当塑性ひずみです。
注:
fct_ID_E = 0でC_E = 0の場合、ヤング率Eが一定になります。

/MAT/LAW60 (PLAS_T3)

フォーマット

定義

例（アルミニウム）

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