/MAT/LAW2 (PLAS_JOHNS)

ブロックフォーマットのキーワード この材料則は、Johnson-Cook材料モデルを使用して、等方性弾塑性材料を表します。

このモデルは、材料の応力をひずみ、ひずみ速度、および温度の関数で表します。最大塑性ひずみに基づくビルトインの破壊基準が用意されています。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MAT/LAW2/mat_ID/unit_IDまたは/MAT/PLAS_JOHNS/mat_ID/unit_ID
mat_title
ρ i                
E ν Iflag          
Iflag=0の場合、従来の入力で次の行を挿入
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
a b n ε p m a x σ max 0
Iflag=1の場合、簡易入力で次の行を挿入
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
σ y UTS ε U T S ε p m a x σ max 0
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
c ε ˙ 0 ICC Fsmooth Fcut Chard
m Tmelt ρ C p Tr    

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
mat_title 材料のタイトル

(文字、最大100文字)

 
ρ i 初期密度

(実数)

[ kg m 3 ]
E ヤング率

(実数)

[ Pa ]
ν ポアソン比

(実数)

 
Iflag 入力タイプフラグ 3
= 0(デフォルト)
パラメータabnを用いたJohnson-Cookの従来の入力。
=1
σ y , UTS、および ε U T S を用いた簡易入力タイプ。

(整数)

 
a 降伏応力。 2

(実数)

[ Pa ]
b 塑性硬化パラメータb

(実数)

[ Pa ]
n 塑性硬化指数n 6

デフォルト = 1.0(実数)

 
ε p m a x 破壊塑性ひずみ。

デフォルト = 1030(実数)

 
σ max 0 最大応力

デフォルト = 1030(実数)

[ Pa ]
σ y 降伏応力。

(実数)

[ Pa ]
UTS Ultimate Tensile Stress(工学応力)入力 U T S > σ y MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaamyvaiaads facaWGtbGaeyOpa4Jaeq4Wdm3aaSbaaSqaaiaadMhaaeqaaaaa@3C76@

(実数)

[ Pa ]
ε U T S UTSにおける工学ひずみ

デフォルト = 1.0(実数)

 
c ひずみ速度係数 c 0 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaacaWGJbGaey yzImRaaGimaaaa@3AD0@
=0
ひずみ速度効果はなし

デフォルト = 0.00(実数)

 
ε ˙ 0 参照ひずみ速度

ε ˙ ε ˙ 0 の場合、ひずみ速度効果なし

(実数)

[ 1 s ]
ICC ひずみ速度計算フラグ 9
=0
1に設定
= 1(デフォルト)
ひずみ速度効果あり σ max
=2
ひずみ速度効果なし σ max

(整数)

 
Fsmooth ひずみ速度スムージングフラグ。
=0
1に設定
= 1(デフォルト)
ひずみ速度スムージングはアクティブ

(整数)

 
Fcut ひずみ速度スムージングのカットオフ周波数。シェルおよびソリッド要素でのみ利用可能。Appendix: フィルタリング.

デフォルト = 1030(実数)

[Hz]
Chard 硬化係数(除荷)
= 0(デフォルト)
等方性モデル
=1
運動学的Prager-Zieglerモデル
= 0~1の値
硬化は2つのモデル間で補間されます 16

(実数)

 
m 温度指数。 13

デフォルト = 1.00(実数)

 
Tmelt 溶融温度。
=0
温度効果はなし

デフォルト = 1030(実数)

[ K ]
ρ C p 単位体積あたりの比熱 11

(実数)

[ J m 3 K ]
Tr 参照温度。 11

デフォルト = 298K(実数)

[ K ]

例(パラメータ入力)

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat
                  Mg                  mm                   s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/PLAS_JOHNS/1/1
Steel
#              RHO_I
              7.8E-9
#                  E                  Nu     Iflag
              210000                  .3         0
#                  a                   b                   n             EPS_max            SIG_max0
                 270               450.0                 0.6                   0                   0
#                  c           EPS_DOT_0       ICC   Fsmooth               F_cut               Chard
                   0                   0         0         0                   0                   0
#                  m              T_melt              rhoC_p                 T_r
                   0                   0                   0                   0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
/END
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

例(簡易入力 - 実験データ)

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat
                  Mg                  mm                   s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/PLAS_JOHNS/1/1
Steel (use ultimate tensile stress(UTS) and engineering strain )
#              RHO_I
              7.8E-9
#                  E                  Nu     Iflag
              210000                  .3         1
#              SIG_y                 UTS             EPS_UTS             EPS_max            SIG_max0
                 270               362.8              0.2885                   0                   0
#                  c           EPS_DOT_0       ICC   Fsmooth               F_cut               Chard
                   0                   0         0         0                   0                   0
#                  m              T_melt              rhoC_p                 T_r
                   0                   0                   0                   0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
/END
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. これは、真の応力およびひずみ出力を伴うひずみ速度および温度効果を含む弾塑性材料モデルです。
  2. このモデルでは、相当応力が塑性降伏応力よりも低い時、材料は線形弾性材料として挙動します。もっと高い応力値では、材料は塑性挙動で、応力は以下のように計算されます:(1)
    σ = ( a + b ε p n ) ( 1 + c ln ε ˙ ε ˙ 0 ) ( 1 ( T ) m )
    ここで、(2)
    T * = T T r T m e l t T r
    ここで、
    ε p
    塑性ひずみ
    ε ˙
    ひずみ速度
    T
    温度
    Tr
    雰囲気温度
    Tmelt
    溶融温度
  3. Iflag=0の場合、Johnson-Cook式のパラメータa、bおよびn値が入力されます。

    Iflag=1の場合、 σ y , UTSおよび ε U T S に実験工学応力およびひずみデータを入力でき、パラメータabおよびnが計算されてStarter出力ファイルに出力されます。abおよびnパラメータが自動的に適合されない場合、Starterのワーニングメッセージに、材料入力への変更について重要な情報が含まれるようになります。

  4. 塑性降伏応力は常にゼロよりも大きい必要があります。純弾性挙動をモデル化するには、塑性降伏応力を1030に設定します。
  5. ε p が1つの積分点で ε p m a x の値に到達してから、要素タイプに基づく場合:
    • シェル要素:対応するシェル要素が削除されます。
    • ソリッド要素:対応する積分点の偏差応力には永久に0が設定されますが、ソリッド要素は削除されません。
  6. 塑性硬化指数nは、1以下にする必要があります。
  7. トラス要素に対するひずみ速度効果はありません。
  8. ひずみ速度の影響を排除するには、cの値を0に設定するか、参照ひずみ速度( ε ˙ 0 )を1030に設定します。 ε ˙ ε ˙ 0 より低く設定した場合、ひずみ速度効果はありません。
  9. ICCフラグは、最大材料応力 σ max に対するひずみ速度効果を定義します。図 1 は、対応するICCフラグに対する σ max の値を示しています。
    σ = ( a + b ε p n ) ( 1 + c ln ( ε ˙ ε ˙ o ) ) σ = ( a + b ε p n ) ( 1 + c ln ( ε ˙ ε ˙ o ) )
    σ max = σ max 0 ( 1 + c ln ( ε ˙ ε ˙ o ) ) σ max = σ max 0
    図 1.
  10. トラスに対する温度の効果はありません。ビーム要素(/PROP/TYPE3または/PROP/TYPE18)と/HEAT/MATまたは/THERM_STRESS/MATは、熱の影響を考慮することができます。
  11. ρ C p = 0 の場合、温度は一定です( T = T r )。
  12. 断熱条件は、初期温度が参照温度(Tr)と等しい状況に対して想定されます:(3)
    T = T r + E int ρ C p ( V o l u m e )

    ここで、Eintは内部変形エネルギーです。

  13. 温度効果を考慮するために、ひずみ速度係数cおよび参照ひずみ速度 ε ˙ 0 を定義する必要があります。
  14. /HEAT/MATIform =1)がこの材料モデルを参照している場合、このカード内で定義された ρ C p Trの値が、/HEAT/MATで定義された対応する ρ 0 C p T 0 で上書きされます。
  15. 温度が/HEAT/MATまたは/INITEMPして初期化されていない場合、参照温度(Tr)が初期温度にもなります。
  16. 硬化係数は硬化モデルの記述に使用されます(除荷時)。硬化係数の値は0から1の間の値にする必要があります。