Model ElementEquilibriumは、静解析と擬似静解析の解析制御パラメータを定義します。これらのパラメータは、解析の精度と解析に使用される手法を制御します。
説明
MotionSolveは、静解析に対し、2つの方法、Maximum Kinetic Energy Attrition MethodとForce Imbalance Methodをサポートします。
MotionSolveは、擬似静解析に対しては、Force Imbalance Method(FIM)のみをサポートします。Force Imbalance Methodには次の2つのバリエーションがあります:
- FIM_S:独自の時間ステップアルゴリズムを使用します。
- FIM_D:DASPKの時間ステップアルゴリズムを再利用します。
属性の概要
名前 |
プロパティ |
コマンドで変更可能か |
設計可能か |
type |
Enum ("STATIC", "DYNAMIC") |
|
× |
method |
Enum ("FIM_D FIM_S", "MKEAM", default="FIM_D") |
○ |
error |
Double (default=None) |
○ |
maxit |
Int (default=None) |
○ |
imbalance |
Double (default=None) |
○ |
kinetic_energy_error |
Double (default=None) |
○ |
stability |
Double (default=None) |
○ |
使用法
# Equilibrium using "FIM_D"
Equilibrium (method="FIM_D", optional_attributes)
# Equilibrium using "FIM_S"
Equilibrium (method="FIM_S", optional_attributes)
# Equilibrium using MKEAM
Equilibrium (method="MKEAM", optional_attributes)
属性
"FIM_D"または"FIM_S"を使用したEquilibrium
- type
- 列挙文字列
- StaticとDynamicからEquilibriumの選択肢を指定します。Dynamicは、MotionSolveのMKEAM手法に対応します。
- Method
- 文字列
- 静的または擬似静的シミュレーションに使用されるアルゴリズムの選択肢を指定します。以下から選択します:
- "FIM_S"
この方法は、運動方程式のすべての速度および加速度の項をゼロにして、F(q, λ) = 0という形式の力の釣り合いの非線形代数方程式のシステムを得ます。
一般化座標(q)と拘束力(λ)が未知数です。
非線形方程式は、ニュートン-ラプソン法で解かれ、釣り合い位置が求められます。詳細については、コメントをご参照ください。
- "FIM_D":
この方法は、"FIM_S"と同じテクニックを使用して静的平衡を求めます。ただし、擬似静解析に使用される時間ステップアルゴリズムは異なります。
これがデフォルトです。指定しない場合、methodはデフォルトで"FIM_D"になります。
- error
- 倍精度
- これは、静的平衡点におけるシステム状態の変化量の上限を指定します。状態の最大相対変化量がこの値より小さい場合、反復計算は収束したと見なされます。
- error属性は省略可能です。指定しない場合、errorはデフォルトで1.0E-4になります。
- imbalance
- 倍精度
- 解析ポイントで許容される運動方程式における最大の力の不均衡量を指定します。これは小さい値にする必要があります。
- imbalance属性は省略可能です。
- imbalanceのデフォルト値は1e-4力単位です。
- maxit
- 整数
- 許容される最大のニュートン-ラプソン反復計算回数を指定します。この回数に達するとシミュレーションは停止します。この時点でerrorとimbalanceが満たされていない場合、平衡の反復計算は失敗したと見なす必要があります。
- maxit属性は省略可能です。
-
MAXITのデフォルト値は75です。
- stability
- 倍精度
- 非正則でないことを保証するためにヤコビアンに追加する質量マトリクスの割合を指定します。ヤコビアンマトリクスが非正則になる可能性があるのは、システムに中立平衡解があり、初期推測がこの解に近い場合です。これを回避するには、ヤコビアンを正則にするため、質量マトリクス(正則であることがわかってる)の一部をヤコビアンに追加します。安定性の値は解析の精度に影響を与えませんが、ニュートン-ラプソン反復計算の収束速度を低下させる可能性があります。安定性は小さい値にする必要があります。
- stability属性は省略可能です。
- stabilityのデフォルト値は1E-10です。
"FIM_S"固有
- pattern
- Pattern
- この属性は、修正子の反復計算時にヤコビアンマトリクスの評価の頻度を制御します。
- i番目の位置にある"T"の値は、アルゴリズムがi番目の反復でヤコビアンを評価する必要があることを意味します。
- i番目の位置にある"F"の値は、アルゴリズムがi番目の反復でヤコビアンを評価しないようにする必要があることを意味します。
- MotionSolveは、最大反復数(MAXIT)に到達するまで指定された評価のパターンを繰り返します。
- pattern内の"T"と"F"のエントリの合計が10を超えることはできません。
- "3"を指定した場合は、2つおきの反復計算(例: 反復計算1-4-7など)で新しいヤコビアンが計算されます。
- 属性patternは省略可能です。デフォルト設定がうまく機能しない場合にのみ、patternを指定してください。ヤコビアン反復計算の頻度が高いと、シミュレーション速度が大幅に低下する可能性があります。
- 指定しない場合、FIM_Sではpattern ="T"が使用されます。これは、ヤコビアンが反復毎に評価されることを意味します。
注: FIM_Dでは、Integratorオブジェクトで指定されたpatternが使用されます。指定しない場合、DASPKは収束速度を調べることで、新しいヤコビアンが必要なタイミングを自動的に特定します。
"MKEAM"を使用したEquilibrium
- method
- 文字列
- 静的または擬似静的シミュレーションに使用されるアルゴリズムの選択肢を指定します。"MKEAM"を選択します。
- モデルは、すべての減衰が除外された動的問題として定式化されます。その結果は、運動エネルギーと位置エネルギーの和として定義される全エネルギーが時間について不変である保存性のシステムです。
- 数値積分が開始されます。積分中に、システムの運動エネルギーが監視されます。ピーク(最大値)が検出されると、積分は停止し、ピーク時間をある程度の精度で求めるために必要な後退補間を行います。システム保存則から、この瞬間は位置エネルギーの谷間(最小値)にも一致します。
- MKEAMは、擬似静解析には適用されません。
- error
- 倍精度
- これは、静的平衡点におけるシステム状態の変化量の上限を指定します。状態の最大相対変化量がこの値より小さい場合、反復計算は収束したと見なされます。
- error属性は省略可能です。指定しない場合、errorはデフォルトで1.0E-4になります。
- kinetic_energy_error
- 倍精度
- 静的平衡点におけるシステムの最大許容残留運動エネルギーを指定します。これは小さい値にする必要があります。kinetic_energy_errorのデフォルト値は1e-5エネルギー単位です。
- maxit
- 整数
- 許容される最大の積分ステップ数を指定します。この数に達するとシミュレーションは停止します。この時点でerrorとkinetic_energy_errorが満たされていない場合、平衡の反復計算は失敗したと見なす必要があります。
- maxit属性は省略可能です。
- MAXITのデフォルト値は75です。
例
- MKEAM手法のデフォルト設定。
この例は、MKEM解法を使用する
EQUILIBRIUM要素のデフォルト設定を示しています。
Equilibrium (method="MKEAM", error=1E-4, imbalance=1E-4, kinetic_energy_error=1E-5,maxit=75)
- FIM_S手法のデフォルト設定。
この例は、FIM_S解法を使用する
EQUILIBRIUM要素のデフォルト設定を示しています。
Equilibrium (method="FIM_S", error=1E-4, imbalance=1E-4, maxit=75, stability=1E-10)