Normalsパネル

Normalsパネルは、要素またはサーフェスの法線を表示および確認するのに使用します。また、要素法線の向きを調整することも可能です。要素の法線は、右手の法則に基づいて決まる要素の節点の順番に沿って決定されます。

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Abaqusソルバーインターフェースでは、このパネルは連続シェル要素の積層方向の調整と反転にも使用することができます。

法線は、ベクトルまたは色分け表示によって確認できます。ベクトルは法線の正方向を表示します。一方色分け表示の場合はシェルまたはサーフェスの正方向側の面を赤、負の方向は青で表示します。


図 1. ベクトルを使用した法線. 要素の一部は半透明モードに設定されています。


図 2. 色を使用した法線. 赤はプラス方向、青はマイナス方向を示します。

Elementsサブパネル

Elementsサブパネルは、要素の法線を表示および確認するのに使用します。要素は、コンポーネントを選択することにより間接的に、または直接選択することができます。あるいは、表示されているすべての2D要素を自動的に選択することもできます。displayボタンをクリックし、選択されている要素の現在の法線方向を表示します。またはreverseをクリックして法線を逆方向に反転することができます。

Elementsサブパネルを使用しても要素の法線を調節することができます。調節する要素を選択し、次に要素法線を調整する方法を決定するorientationを選択します。完了したら、adjustをクリックして閉じます。オプションで、操作によって変更された要素のみが表示されるdisplay adjusted onlyフラグを選択できます。この操作で調整するすべての選択要素は、連続するメッシュ内になければなりません。

デフォルト設定では、表示用の法線はベクトルで表示されます。トグルをvector display normalsからcolor display normalsに変更することで、法線表示を色分け表示に切り替えることができます。規模の大きいメッシュでは、法線が誤った方向を向いてるのを確認するには、色分け表示のほうが容易に行えます。赤い面が法線の正方向を示し、逆の面は青で表示されます。

ベクトルモードでは、size欄で法線の表示サイズを指定することができます。この値がゼロであれば、要素の一番短い辺に基づきサイズが決定されます。ゼロ以外の値が指定されている場合、size =で指定したモデルユニットの長さに基づいて法線が表示されます。

また、2Dページのcompositesパネル内elementsサブパネルも利用可能です。
オプション 動作
displayed 2D elems/comps/elems 表示、調整、または法線を反転する要素を選択します。
displayed 2D elems (default)
表示されている2D要素を自動的に選択します。
comp
コンポーネントによって間接的に要素を選択します。
elems
直接要素を選択します。
elemsを選択した場合、スイッチを選択して選択モードを変更します。
elems
個々に要素を選択、またはコンポーネントやサーフェスに含まれるすべての要素を選択します。


図 3. 例:要素選択
2D faces
2Dフェイス上のすべての要素を選択します。
非連続性がフェイスに存在する場合、その非連続性の合間の要素のみが選択されます。


図 4. 例:2Dフェイス選択
2D faces ext
非連続性を含む2Dフェイス上のすべての要素を選択します。


図 5. 例:2DフェイスExt選択
orientation 要素の法線方向を揃える方法を選択します。
auto
各連続領域内で最も多い法線方向にすべての要素の法線を統一します。
elem
ユーザーが選択した要素を参照してすべての要素の法線を統一します。
surfaces
選択した要素の法線を、その要素が関連しているサーフェスの法線と一致するように調整します。
vectors
指定したベクトル方向に最も沿う方向に選択した要素の法線を統一します。
use feature angle フィーチャー角度(mode=4とfeature_angleが使用される)を指定します。

フィーチャー角度によって決定される連続領域内に存在するものの中で' 最も多い法線方向’ に、その領域内のすべての要素の法線を統一します。

フィーチャー角度を使用しない場合は、このチェックボックスを非選択にし、モードを0に設定します。

vector display normals / color display normals 要素の法線の表示方法を選択します。法線はベクトルまたは色分け表示することができます。色分け表示の場合、赤が法線の正方向、青が負の方向になります。
size = vector display normalsが選択されている際のベクトルの表示サイズを調整します。ゼロより大きい値が指定されている場合、モデルユニットを基準にして法線の表示サイズが決定します。それ以外の場合、要素の最小サイズと同等のサイズでベクトルが表示されます。
display adjusted only adjustをクリックした際に変更された法線を表示します。
display 選択された要素またはサーフェスの法線がベクトルまたは色分けで表示されます。
adjust 法線をorientationで指定された方法に従い調整します。
reverse 選択した要素またはサーフェスの法線を反転します。
face angle / individual selection
face angle
要素エッジを共有するファセットの法線間の角度です。ファセットは、シェル要素自身またはソリッド要素のフェイスの1つです。三角形ファセットの法線は、3つの角の頂点で定義された平面の法線です。一方、四角形ファセットは、2つの対角点の間のクロス積を取ることによって計算されます。四角形に対する特別な処理は、ひずみのある形状は平面に完全に沿わないことを考慮するためです。
individual selection
フェイス上の個々の要素、または要素の個々のフリー / 共有エッジを選択します。

Surfsサブパネル

Surfsサブパネルはサーフェスの法線を表示および反転するのに使用します。サーフェスは、コンポーネントまたはソリッドを選択することにより間接的に、または直接選択することができます。あるいは、表示されているすべてのサーフェスを自動的に選択することもできます。displayボタンをクリックし、選択されているサーフェスの現在の法線方向を表示します。またはreverseをクリックして法線を逆方向に反転することができます。displayまたはreverseをクリックすると、vector display normals / color display normalsトグルの設定に基づきベクトルまたは色分けで法線が表示されます。

ベクトルのサイズの調整は、size欄に値を入力して行います。ベクトルは、この値に基づいてモデル単位で表示されます。また、ゼロを指定した場合は、ベクトルのサイズはスクリーンの10%となります。

最小のサーフェスセット指定は、他のサーフェスに影響を与えることなく、入力されたサーフェス選択に基づいて全体の一貫性を保持し、サーフェスの法線を自動的に調整します。サーフェスの最小セットは、共有エッジに接続されているすべてのサーフェスから検索されます。これには、すべてのサーフェスシェルが含まれ、隣接したサーフェスは含まれません。これにより、不正、あるいは統一されていない法線方向によりもたらされる問題を回避できます。

このタスクは、Normals、Surface Edit (offsetサブパネル)、Midsurface(createサブパネル、solidオプション)パネルで実行できます。それぞれのパネル内でまず、show normalsをクリックすると、サーフェスの法線が確認できます。また、法線は、ベクトル表示とカラー表示のいずれかを選ぶことができます。
オプション 動作
displayed surfs/comps/surfs/solids このスイッチは、表示または法線を反転するサーフェスを選択するのに使用します。
displayed surfs (default)
表示されているサーフェスを自動的に選択します。
surfs
サーフェスを直接選択します。
comp
コンポーネントによって間接的にサーフェスを選択します。
solid
ソリッドによって間接的にサーフェスを選択します。
adjust associated FE reverseクリック後、選択されたサーフェスに関連する有限要素の法線方向を調整します。
vector display normals / color display normals サーフェスの法線の表示方法を選択します。法線はベクトルまたは色分け表示することができます。色分け表示の場合、赤が法線の正方向、青が負の方向になります。
size = vector display normalsが選択されている際のベクトルの表示サイズを調整します。ゼロより大きい値が指定されている場合、モデルユニットを基準にして法線の表示サイズが決定します。それ以外の場合、ベクトルはスクリーンの10%と同等のサイズで表示されます。
reverse normals 選択したサーフェスの法線を反転します。

Abaqus 追加機能

normalパネルには、Abaqusインターフェース用の追加機能が用意されており、2DページのCompositesパネルからアクセスします。これは、連続シェル要素を使用したモデルのセットアップを補助します。HyperWorksのコンフィグレーション penta5、penta 15、hex8およびhexa20の要素に適用します。

displayがクリックされると、基底要素に割り当てられているプロパティを考慮せずにデフォルトの積層方向を表示します。表示は、連続シェル要素のナンバリング規則を基準にします。display stack directionボタンをクリックすると、要素プロパティを考慮し、選択されたすべての要素の積層方向を表示します。サポートは3つのすべてのアイソパラメトリック方向と、座標系による定義(*ORIENTATION)です。法線はベクトルで表示、またはcolor display normals modeが選択されている場合は、色分け(裏が青、表が赤)で表示されます。

利用可能な2つのadjust normalオプションがあります:
by reference element
選択されたすべての要素のデフォルトの積層方向は、参照要素(elemセレクターで選択)の向きに統一できます。
注: 一層の連続シェル要素に利用できます。
by nodes on bottom face
選択された要素は、1つの要素の底のフェース上の節点の選択によって調整されます。積層方向は、底のフェースの点から要素の逆のフェースに向かう方向となります。ヘキサ要素には、2つの対角節点または3つの節点が選択可能で、ペンタ要素は3つの節点の選択が必要です。
注: 要素の複数レイヤーにも機能します。


図 6. Adjust Normal by Nodes on Bottom Face. aとbの2つの節点を入力、または追加で節点cを選択し、連続シェル要素の底のフェースを定義します。

Reverse normalとreverse stack directionは積層方向を逆に反転します。

Adjust normalと両reverse機能は要素のナンバリングにも影響を与えます。適用されている荷重は、調整に合わせて修正され、要素の正しい面に適用されます。