Smooth Particle Hydrodynamicsパネル

Smooth Particle Hydrodynamicsパネルは、エアバッグや燃料タンクのような空間をもったコンポーネントにSPH 解析を実施するのに使用します。

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注: RadiossPAM-CRASH 2G、およびLS-DYNAの各ソルバーインターフェースでのみ利用可能です。

Smooth Particle Hydrodynamics(SPH)は、液体や気体など、高い凝集力を有さず大変形を受けるボディの解析に使用されるテクニックです。

SPH Finite Point Method (SPH FPM)では、対象とするボディの指定した空間が、SPH 要素と呼ばれる粒子に離散化されます。これらの要素は、互いに幾何的な結合性をもたない節点状の粒子です。各SPH要素は、有効質量を有しています。ボディの空間を満たす全粒子の総質量は、満たす空間の質量と等しくなければなりません。

パネルオプション

オプション 動作
entity selector SPH要素で満たす空間を定義するエンティティを選択します。
use reference SPH要素は、ユーザーが指定した基準値内に収まる立方体の角 / フェイス中心に作成されます。

立方体の作成開始位置とするポイントを指定するには、このチェックボックスをオンにします。

ベースポイントは、立方体作成の開始ポイントを定義し、メッシャーによって開始ポイントとして利用されます。
global origin
参照ポイントとして(0, 0, 0)を使用します。
local origin
参照ポイントの節点座標値を定義します。
mesh orientation SPH要素の方向を定義する方法を選択します。
global system
デフォルトの全体座標系を使用して、生成したSPH要素を整列します。
local system
モデルの方向に対してローカルな参照座標系を定義します。作成されるSPH要素は、ユーザーが指定したローカル座標系に沿います。
pitch SPH粒子間の距離を指定する方法を選択します。
simple cubic
8個のSPH粒子を一組として、それぞれの粒子を立方体の各コーナーに配置します。
face centered cubic
14個の粒子を一組として、それぞれの粒子を立方体の各コーナーと各面の中心に配置します。
これは、稠密六方(HCP)構造に類似しており、Radiossモデルでの使用に推奨されます。
注: この値が小さいほど、同じ空間にある要素の数は多くなりますが、粒子で構成する物質(気体、流体など)の質量や密度は変化しません。
material density=/filled volume mass= 液体の量を定義する方法を選択します。
material density=
密度を指定します(満たしている体積によって全質量が決まります)。
filled volume mass=
全質量を指定します(満たされたモデルの容積によって体積と密度が決まります)。
volume definition SPH要素の作成対象とする要素を選択します。
all
モデル内のすべてのボリュームでSPH要素を作成します。
enclosed
指定した節点による閉じたボリューム内にSPH要素を作成し、残りのボリュームは無視します。
Nth Largest
ボリュームのサイズに基づくラップサイズを定義することで、SPH要素の作成先とするボリュームを指定します。
最大のボリュームを指定するには1を入力し、2番目に大きいボリュームを指定するには2を入力します。
exclude enclosed
定義された節点群によって囲まれるボリュームを無視し、それ以外のボリュームにSPH要素を作成します。
partial fill 選択した空間を完全には満たしていない流体または気体をモデル化します。
有効にした場合、以下を設定します。
  1. percentまたはdepthのいずれかを選択します。
    Percent
    満たすボリュームのパーセンテージ。
    Depth
    満たすボリュームの深さ。
  2. 満たすボリュームに対するパーセンテージまたは深さを指定します。ボリュームの計算は、ユーザー定義の平面に平行な、モデルの最下点に基づいて行われます。
  3. 方向セレクターを使用して、満たす方向を指定します。これは通常、満たした空間を実際に配置した状態における重力の方向と逆になります。
  4. 粒子の質量が正しい軸に沿って満たされているが、方向が誤っている(例えば、燃料タンクの上から下に向うなどの)場合、reverse directionをクリックして修正します。


図 1.
wall offset SPH粒子は、指定された距離まで作成されます。

SPH要素の厚みは、入力により作成されます。SPH粒子間の距離はpitchに基づいて調整されます。



図 2.
external to volume 定義したボリュームの外部にSPH粒子を作成します。
注: wall offsetが有効な場合に使用できます。このオプションにより、選択したボリュームのサーフェスからオフセットした位置にSPH要素を配置できます。


図 3.
wall clearance SPH粒子を指定された距離から作成します。
ヒント: ソルバー実行の開始時(最初の繰り返し計算)にSPH要素と壁面との接触を避け、計算をスムーズに実行する場合に効果的です。


図 4.

実行ボタン

ボタン 動作
create SPH解析を作成します。
reject 粒子が正しく満たされていない場合はrejectをクリックします。
注: パネルを一旦終了すると、充填を元に戻すことはできません。
return パネルを終了します。